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497:そして水面に浮かぶ物

【第三層群屋上庭園】


「それで、異世界なら交通には有用な海ですが、この世界には海は無いようですね。」

「海が無いため、ダンジョンの中なら良いが、影響圏の外は昼は酷暑、夜は寒冷だ。このあたりは低緯度だから良いが、太陽光が異世界の7割程度かつ海が無いため、高緯度地域は夜は極寒になると思われる。」

「人は洞窟にでも籠もれば良いですが、夜にあまりにも冷えると農業は不可能ですね。」

「どうやら、高緯度地方では食料生産ダンジョン、このダンジョンのように農業が行われているダンジョンではなく、直接食料を産するダンジョンが頼りのようだが、どうしても生産力が限られる。」

「太陽光で植物を育てる方が効率が良いですからね。水素なら世界のコアに大量にあるので水の生成は容易ですが、デンプンやアミノ酸はもう少し分子構造が複雑なので割高になります。」

「修羅ならともかく、人間や畜生は栄養だけ合成した食料では満足しない。大抵の食料生産ダンジョンは、まずダンジョンモンスターを生成し、討伐時にその一部が残る。という方法で肉や野菜を提供しているが。」

「ダンジョンの機能で生物を作ることは出来ませんが、確かにダンジョンモンスターなら生きてはいませんし死体なら生産出来ますね。そして、ダンジョンエネルギー節約のため、食用となる部分以外は速やかに回収すると。でも、モンスター『大井の獅子』を倒すとライオン肉では無く豚肉というのは……。」


「『大イノシシ』なんだろう。この世界の人間には豚を食べる者は少ないが。それで、海の話だが、ダンジョンから南や東に流れる、入間川や太日川には順次ダムを作って水を溜めているが、海の予定地には遠い。ましてや側近書記(セクレタリー)殿が求める海には何年かかるか。」

「世界のコアに含まれる水素は異世界の海の数十倍ですから、人口爆発を遅らせつつ、ダンジョンの力を強化するかダンジョンの数を増やせば、いずれ海を作ることは可能でしょう。」

「海があれば、さすがに世界一周は無補給では厳しいだろうが、相当遠方までの調査が可能になる。」

「ダム湖を並べた段階でも、ダンジョン影響圏近辺の輸送には便利ですね。さすがに河川に常時航行可能な水量を流すのは、現時点では無駄が多すぎます。海を作るときには、それくらいの流量は必要でしょうが。」

「それに、流れがあると船が川を遡るのが大変だ。」


「最初のベトン級は船体が砂なので、ダンジョン影響圏を出てしまうと狸の泥船になりますが、鋼製のアスィエ級戦艦とアッチャイオ級なら影響圏に含まれない既存の町にも寄港できますね。ただ、将来海で使うには向いていませんが。」

「その時は外洋用の船を造るか。大型になるので、このダンジョン前には航行出来ないだろうが。」

「さすがに異世界の核動力コンテナ船は大きすぎますからね。建造できたとしても海でしか運用出来ません。ともかく、ミント、ソーラープレーンはともかく、陸でも空でも海でも長距離移動には炭化水素燃料が欠かせませんね。平行して燃料の調達方法を検討すべきでしょう。」

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