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494:そして日は暮れて

【第一層群・事務室(旧コアルーム)】


「影響圏外にダンジョンを設置する場合、もしこのダンジョンに近くに置いた場合、今後ダンジョン影響圏を拡張する方法が分かったときに邪魔になります。一方、遠方に置いた場合、補給が困難になります。」

「今は、空輸する訳にも行かないな。」

「飛行機もビッグリグ(大型トレーラー)も有りませんからね。100年前の小笠原アルバトロス(阿呆鳥)初期型の航続距離は3,000km程度。後に開発された長距離型には最大1.5万kmなんてものもありますが。ビッグリグ(大型トレーラー)は航続距離2,000km程度。日本では燃料タンクを1つに減らした物が多いですが。つまり将来的には影響圏の端から2,000km程度、商都梅田の先が理想的となります。」

「つまり、世界一周に……。」

「ダンジョンが1ダースという計算ですね。もちろん影響圏がもっと広げられれば数は減りますが。」


「マリーさんのクローンを12、いや、あと11人作る訳か。」

「そう決まったわけではありません。それに、クローン修羅も最初は子供ですが、わたしは子供の育て方は知りません。」

「吾輩も知らないな。」

「マスターの場合、種族的に子育てには関与しませんよね。畜生だとタヌキは一夫一婦制ですが、これは上手く人間に化けるためと狸(獣人)が言っていましたが。」

「図書館には育児書は山ほどあるが、ほとんど人間用だな。」

「畜生用、というか動物用はいくらかありますが、異世界には修羅は居ないので修羅用はありませんね。人間用だって民族によって合ったり合わなかったりしますから、なかなか大変ですが。」

「単一民族の国なら簡単なんだろうか。」

「人間は相当長距離を移動する動物ですから、よっぽど厳格に統制しない限り民族は混ざるでしょうね。例えば『男衾三郎絵詞』に白人が書かれていますから、鎌倉時代の三重県には白人が居たと思われます。絵では山賊役ですがモデルの実際の職業は不明ですね。一方、アフロヘアの人物は黒人には画かれていませんので、黒人は知識として知られていても、そのものは居なかったのでしょう。」


「それにしても、この冬もやるべきことは多いな。」

「はい。わたしが直接するわけではありませんが。」

「それを言ったら、マリーさんが比企小森新戸(ひきこもりにいと)三郎と同等になってしまう。」

「『ニート』は偶然でしょうか。過去に存在し崩壊した未知のダンジョンが持ち込んで比企氏に伝わった可能性もありますが。」

「もし、そういうダンジョンが存在したとしても大昔だから、仮にダンジョンの移籍を発掘しても、機械は入手出来ないだろうな。」

「図書館の資料に有る図面の方が、まだ役に立つでしょうね。ただ、ダンジョンの廃墟は影響圏内にもいくつもありますが、今のところ、技術文明を持っていたと思われるものはありません。」

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