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492:どこまでも遠く

【第一層群・事務室(旧コアルーム)】


「月は手が出ませんが、この世界に、進んだ技術、医療や航空宇宙に限らず何らかの工場、無ければ工業製品を産するダンジョンが無いか、世界規模の調査が必要ですね。」

「でも、ソーラープレーンも速度の面で制約が大きいな。」

「世界一周には、風の影響を考慮しても20日は必要ですから、信頼性の問題がありますね。もし帰ってこなくても、世界の裏側では原因が分かりません。」


「このダンジョンの影響圏半径が世界の裏側まで届けば良いが。那須塩原や天竜区は半径300~400kmあるけど、高さ何キロもある塔は無いし、地下数kmの深さがあるようにも見えない。非常識な高さの塔が無くても影響圏は広げられるのでは。」

「ダンジョンの半径は通常100リーグ、482.80km。システムで管理可能なのは255リーグ、1,231.14kmですが、どうやら、ダンジョンによっては、必ずしも影響圏の端まで見える塔は必要無い。ということですね。影響圏半径の上限を現在の1,373.45kmから広げる方法は不明ですが。」

「あと100kmもあれば、三角草野と直接対決可能なんだが。」

「ダンジョンは守る方が圧倒的に有利ですから、影響圏を広げられれば、(こし)の多くを影響圏に組み込み、三角草野から守ることが出来ますね。これ以上影響圏を広げる方法が全く分かりませんが。」


「影響圏の最大半径はダンジョンの規模で決まっていたはずだな。」

「このダンジョンのような塔型ダンジョンは単純に高さで、商都梅田や火浣布(かかんぷ)の山みたいな地下型ダンジョンは深さだけでは無く地下部の規模で影響圏の限界は決まるようですが、通常はそこまで広くはなりません。一方、いわゆるregion(リージョン)型、それなりの広さを持つ範囲タイプの『地域型』ダンジョンは、高い塔が無くても、ダンジョンそのものが拡大することで、付随して影響圏もかなりの広さになり得るようですね。なお、これをlegion(リージョン)と読んでしまうと英語でローマ軍団になってしまいます。」

 進化党は馬匹改良を参考に遺伝的に優れた移民の導入による「人種改良」を主張しているが、党を放逐された過激派には、日本語は遺伝的能力の低い蛮族が使う欠陥言語なのでLとRを区別出来ない。という意見がある。挙げ句、最過激派は種牡人の導入と去勢法の発布を主張、とうとう欧州王族の導入まで主張し不敬罪で政府に捕まる始末。

「傘下ダンジョンに地域型は無かったな。」

「はい。丹沢ヒルズは住み着いている天狗(ドイチェ)とは交流がありますが、ダンジョンそのものとは無関係ですね。」

 大天狗の名前は蛭田(ヒルダ)だが、蛭では無いしダンジョンマスターでも無い。


「地域型ダンジョンを育成するにしても、他のダンジョンは無条件では信用できない。」

「例えば、群馬鉄山(穴地獄)ダンジョンが裏切る可能性はごく低いでしょうが、ゼロとは言えませんからね。もっとも、そんなこと言ったら、わたしのクローン体すら100%は信用できませんが。」

「そもそも論として、図書館ダンジョンのクローンを作っても、やっぱり塔型ダンジョンだから、図書館を多数積み上げないと影響圏は広げられないのでは?」

「確かにそうですね。つまり、何らかの方法で地域型、呼び方は何でも良いですが、そういうダンジョンを手に入れないといけない。ということですね。」

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