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489:無人偵察機(6)ソーラープレーン着手

【見沼の畔・空港予定地】


「まず前提として、この世界は、異世界と比べ重力が2%強く、太陽光は概ね7割です。さらに季節によっては毎日1時間の日食が起きます。」

 メリッサ(レモンバーム)が説明する。

「さらに、ソーラープレーンの太陽電池は主翼表面であり、太陽に正対していないため、その分効率が落ちます。概ね半減と見て良いでしょう。つまり、高性能の太陽電池で150W/m2が目安となります。」

「ソーラープレーンが幅20mとして、出力は2.2kW。もし昼夜飛行するなら常時使用可能なのは1kW程度となります。この場合、電池は12kg程度です。」

「そこで、100~150kg程度の機体を1kW、1.3馬力程度で飛行させられるのか。というのが問題になりますが、計算上時速20km程度は可能です。ただし、ダンジョン影響圏の端から1,000kmまで往復するには5日ほど必要です。」


「メリッサ、どうやら、技術的な制約と言うよりも、昼夜があり比較的太陽光の弱い世界で、太陽電池のみを動力源とする。となると、これが限界のようね。」

「そもそも能力の限界が異世界の7割です。それでも良いなら試作に移りますが、まずはダンジョン影響圏内で試験飛行をすべきでしょう。調査は最短でも来年春になると思われます。」

「来年春……。」

「航空機用エンジンの製造には、もっと時間が必要です。ただ、100年以上昔の『神風号』であっても、製造出来れば1,000km向こうまでの偵察は数時間で可能です。」

「やはり、炭化水素燃料の方が効率が良いですか。本気で生産を考えなければなりませんね。子供用の教材に、炭化水素を合成する植物プランクトンくらい無いでしょうか。」

「可燃物を生成するので、無いかもしれませんが。むしろ、もっと古式に石油から精製したほうが早いかもしれません。」

「油田ですか。異世界日本に対応しているなら、台湾の出礦坑あたり? 探すのも大変ですし、有るとしてもダンジョンですから、いろいろと面倒でしょうね。」

「そうなると、砂漠に塩水を張って藻を育てることになりますが、細かい栽培ノウハウはありません。」


「それで、メリッサ、当然誰か乗るわけには行かないし、自律航行が必要だけど、この世界、月の位置は固定ですから、月を基準とした天測航法で行けるでしょうか。」

「ダンジョン影響圏から、そう遠くへは行かないし、精度もkm単位で十分なので、単純に長距離電波航法(LORAN)で十分です。2カ所からの電波の到達時間の差から位置を推定します。」

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