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471:蛸坊主の寿命

【第三層群屋上展望台・世界樹】


「マスター、現実的な識字率向上策は寺子屋の普及で、このダンジョンは寺請制度を採用していますから各村に寺を作る必要があり、寺子屋の師匠は僧侶が適切。となります。」

「各村に僧侶を配置する必要があるか。人口急増で追いついていないな。」

「ダンジョンの人口がざっくり150万。農村人口が8割で平均規模500人程度なので必要の寺は2,400。都市では概ね1,000人に1寺として300。最低限2,700の寺が必要です。江戸時代は3,000万人に対し僧侶20万人なので、その比率では1万人の僧侶が必要な計算となります。僧侶の『耐用年数』を30年と仮定して年300人、人口が急増しているため、さらに多くの僧侶を養成しないといけません。」

「マリーさん、寿命を延ばす方が早いか。」

「この世界の人間の寿命は50年。異世界ではアメリカなど医療技術の進んだ国では100歳近くですが、さすがに、このダンジョンでは技術的な制約もあるので、当面の目標としては60歳でしょう。」

 乳幼児死亡率が江戸時代並に30%と高いため、平均寿命はさらに短い。これを、アメリカ並みの0.1%以下は将来的にも難しくとも、速やかに20世紀前半並みの10%に下げるのが当座の目標。


「寿命が長い種族、といっても畜生も修羅も大抵はさほど長くは無いから、難しいか。このダンジョンではダンジョンモンスターは寿命は無いけど数が少ない。」

「樹木系の修羅の多く、あとダンジョンの影響で寿命が延びる紫蘇(ファミリー)の修羅。もしかしたら紫蘇(ファミリー)はダンジョンモンスターみたいに寿命自体が無くなっているかもしれませんが、まだ分かりません。あと、畜生では人間より長生きする種族は少数です。」

「逆に、元の寿命が短い動植物でも、獣人や修羅の寿命が極端に短くはならないんだな。」

「一年草の修羅が1年で寿命が尽きたら、文化を維持出来ませんね。蛸坊主の寿命が動物のタコと同じなら、とても修行なんかできません。」

「タコってそんなに寿命が短いのか?」

「あの大きさで2年ほどですね。タコは頭の良い動物ですが異世界では寿命が短いため文明を作ることはありません。ですが、この世界の蛸入道は知能が高い上に数十年生きますから、敵に廻すと厄介でしょうね。」

「確か、獣人は元の動物が賢いほど知能が高かったな。」

「大抵は極端な差はありませんし、一概には言えませんが、確かにそういう傾向はあります。このあたりでは見かけませんが、ダチョウ獣人やコアラ獣人は頭が残念なことになりそうです。」

「修羅はどうなんだ。」

「さぁ。一般的に、修羅は比較的頭が良く、特に脳に効果的とされる植物の修羅は知能が高くなる傾向がある。……かもしれませんが。きちんと世界のシステムとしてそうなっているかは分かりませんね。」

 もちろん、頭が良いことと賢いことは同義では無い。

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