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468:国語改革

【第三層群屋上展望台・世界樹】


「識字率の次に問題になるのは、この世界の人達は、図書館で複製召喚した本を読むのに苦労する。という問題です。」

「活字は単なる慣れの問題だが、そもそも文体が違うからな。」

「図書館にある本の大部分は、明治時代の国語改革以降のものです。世界によっては、漢字廃止、さらには、このダンジョンでは図書館を複製召喚出来ませんが英語を公用語にした例もありますね。」

「……英語の本はいくらでも入手出来るんだよな。」

「日本語で動いている図書館に収蔵された英語書籍は複製召喚出来ます。社会自体が英語の場合は今のところ何も召喚出来ません。もし大英図書館やアメリカ議会図書館を複製召喚出来れば、このダンジョンの知識量も飛躍的に増大しますね。理論的には可能なはずですが。」


「確か、データ量としては無茶に多くは無かったはずだな。」

「文字データだけなら大抵の本は1冊1MBも無いですからね。光ガラス(記憶片)一文銭ほどの大きさ(ほぼ10円玉サイズ)で100TBですから1億冊分となります。映像だと記憶方式にもよりますが100時間から1,000時間程度と決して長くは無いですが。」

「ただ、それでも到底全部読むのは不可能と。」

「大英図書館どころか普通の市立図書館でも、一般的な樹木系修羅の寿命、200~300年でも足りないでしょうね。わたしは寿命が無いので理論上は可能でしょうが、じきに、どの本を読んだか忘れて同じ本を2度読む羽目になるだけです。……世界樹に記録していけば可能でしょうが、世界樹は記憶媒体としては効率が悪いですね。」

「確か世界樹も光ガラス(記憶片)同様に書き換え不可だったか。」

「はい。内側の細胞は生きていませんから、当然情報を書き換えることも出来ませんね。」


「本が明治以降となると、このダンジョンでは最初から小学校で明治の国語改革以降の文章を教えるようにした方が良いか。」

「小学校と言っても、教師が居ませんから、実態は、ダンジョンが建物を用意する寺子屋。となるでしょうが。また、住民管理に寺請制度を採用している関係上、寺子屋の師匠は僧侶が多くなると思われます。僧侶は檀林という教育機関で養成されますが、檀林の教育内用に少し手を入れれば良いかと思われます。」

「師範学校は、まだ先か。」

「建物だけならいくらでも複製召喚できますけどね。ただ、このダンジョンで入手可能な人材に教育学部が含まれないため、師範学校も正規の教員は存在せず運用に問題が生じます。」

「当時のダンジョンエネルギー保有量では、大規模な帝国大学の図書館を複製召喚するのは不可能だったからな。」

「必要なダンジョンエネルギーは桁違いですからね。現状では、このダンジョンでは小学校は『小学校もどき』になってしまいます。つまり、このダンジョンで教育を受けた者の学歴は、正確には『未就学』となってしまいます。」

「世界が違うから僭称しても構わない気もするが。」

「確かに、世界が違うので埼玉県警だって来ませんからね。実質的に異世界の法律は適用されないとは言っても、既に様々な違法行為をやっているのに今更。という気もしますが。そもそも、異世界には修羅や畜生に対応した法は存在しません。」


「そんなこと言い出したら、図書館だって司書が入手不可能な以上、『図書館もどき』になってしまうな。」

「わたしは設定上、秘書の国家資格(政策担当秘書)はあっても司書ではありませんからね。」

 社長秘書等に国家資格は無く、ダンジョンコアに秘書の召喚を要求すると、政策秘書の資格を持つという設定となる。ついでに紫蘇と始祖を混ぜた結果がマリー。

「異世界の資格はそこまで重要では無いと思うが……。」

 シソ科は茎が四角(しかく)いから資格(しかく)に拘るのか、単にマリーだけの問題なのか。そもそも、このダンジョン自体が悪いのか。

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