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465:決裂! そして転進という名の撤退

【木曽五木ダンジョン】


「そな、一端帰る。木曽谷の他のダンジョンと商談するときに、また寄らせてもらう。ここに連絡事務所は残すから、何か欲しい物があったら遠慮なく言うとくれ。」

「我らに外の物は何も要らぬ。」

 檜修羅のチャマエシパリス・オブツーサ・阿寺(あてら)コダクミには物欲は無い。

「図書館都市ダンジョンとしては、勝手に木曽五木ダンジョンに足を踏み入れることはあらへん。そやけど、冒険者は誰も統制できへんから、勝手に入るかもしれへん。そん時はそっちで好きに扱ってかまへん。何かあっても不幸な事故や。」

 あっさり冒険者達を見捨てるキンラン(コリウス)

「木を伐った者を生きて返すことは無いから、ダンジョンの外で材木だけ受け取ろうとしても無駄だぞ。」

「その辺は自己責任や。危険の告知だけはせなあかんな。」



【第三層群屋上展望台・世界樹】


「木曽五木ダンジョンはいったん撤収、ただし拠点だけは維持し、木曽谷の他のダンジョンを順次確認するために使います。」

「マリーさん、交渉の糸口すら掴めなかったな。」


「次の方法を考えます。でも、打つ手が無くなった時のために、ギルガメシュ作戦の検討を進めるべきでしょうね。」

「ギルガメシュ? 確かメソポタミアの?」

「はい。森の神、フンババを討伐したことで知られています。荒削りな初期案としては、まず、木曽五木ダンジョンの前まで道路を建設、ダンジョン前に作業拠点を作り、山猿隊で護衛しながら森林を伐採、出てきた修羅達を機関銃で一掃します。」

「ダンジョンは守りに強いから、一筋縄ではいかないな。」

「もしダンジョンに乗り込むなら、森には危険な動植物が各種生息していますし、さらにダンジョン内は自然の法則から逸脱していますから、油断は禁物ですね。特に、森には慣れていない冒険者達はどうしても大きいモンスターを気にするあまり、小さくて危険な相手を見落としがちです。」


「森で危険なモンスターと言えば?」

「特に危険なのはクマ・ハチ・ダニ。ですね。クマやハチが危険なのは見たら分かりますが、ダニは気付かないため要注意です。あと、毒蛇や毛虫。毒草や毒キノコも居ます。元々危険な生物ですが、ダンジョンの影響が加わると致命的なことになりかねません。この辺は本職の方が詳しいでしょうが。」


「必要なのは木材だから、森ごと焼き払うわけにもいかない。」

「この世界は砂漠ですから、火を付けたら良く燃えるでしょうね。このダンジョンと同じ固有法則でもあれば別ですが、木生火なので木属性のダンジョンは火を止めることは出来ないかもしれません。そう考えると、このダンジョンは、木属性ではなく水属性なのかもしれませんね。水剋火で火を止められますし、水生木で植物を育成出来ます。もっとも、五行とは無関係なのかもしれませんが。」

「分からないな。」

「ともかく、木曽五木ダンジョンは保留とします。さすがに、このダンジョンでチーク材以外の木材が生産出来るまでの50年は待てませんから、ギルガメシュ作戦か、何らかの代替案は必要ですが。」

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