表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
462/570

462:森林ダンジョン

【森林ダンジョン前】


「ええか、ダンジョンの影響圏っちゅうのは見ただけでは分からへん。」

 キンラン(コリウス)が調査隊に指示を出す。全身真っ赤の山猿隊に対し、キンランは黄緑・蛍光ピンク・赤紫などが混じった派手な色の夏用スーツ。

「団長、なら、どうやってダンジョンかどうかを区別するんだ。」

 猿獣人の1人が聞く。

「例えば熟練の冒険者やったら、ダンジョンの中は『なんか違和感を感じる』そうや。でも、一番手っ取り早いのは、どこかのダンジョンのダンジョンモンスターを連れていくことやな。固有法則が違うさかい、おかしいっちゅうのは分かる。どう違うかは分からへんけど。」

「それで団長と。」

「そういうことや。このあたりはダンジョンの外。この先は森になっとるけど、まだダンジョンの外や。そやから、ダンジョンのギリギリまで行き、そこに村を作ってもうたら、もうダンジョンは拡がらへん。」


「団長、それで、ダンジョンとはどう接触するんだ。」

「よく観察しとるダンジョンやったら、既に気付いとるやろ。鈍いダンジョンやったら、目の前に村を作った上で調査も兼ねて無人の絡繰りを送り込む。それでも気付かへんかったら、冒険者を突入させるしかあらへん。もちろん危険はあるんやけど。」



【第三層群屋上展望台・世界樹】


「マスター、映像が来ました。わずかに針葉樹が混ざった落葉広葉樹林。写真では不明瞭ですが、シデ類・ヌルデ・樹木ではありませんがイタドリなどが見られます。ダンジョン影響圏の外で、植林にも見えませんから、おそらくダンジョンの水分による天然林でしょう。」

「機械的な灌水装置でもあるんだろうか。」

「ダンジョン外にそんなものは設置しないでしょうし、雨降らし龍みたいな何らかの方法でダンジョンの水分を雨として降らしているのでしょう。雨雲を作るのはダンジョンの機能ですが、作った雨雲は勝手に風に流されますからね。」


「ダンジョンの外、ということは、成長速度は普通か。」

「ダンジョンの固有法則はダンジョン内だけですからね。ただ、このダンジョンが丹沢ヒルズみたいに、別に樹木の成長促進効果など無い可能性もあります。」

「単に生えているだけで、有用な材木は乏しいかも。か。」

「丹沢ヒルズは、標高が低い場所はコナラを中心とする雑木林、山の上はシデ類を中心とする雑木林、山頂部はササ原、ダンジョン外側寄りはススキなどの草原が多くなっています。つまり杉や檜はほとんどありません。異世界の丹沢なら植林地が多いのですが。」

「針葉樹はあるが杉や檜とは限らないな。」

「写真だけでは檜とサワラやクロベは見分けにくいですからね。カエデ属ほど紛らわしくはありませんが。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ