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042:法律が作れない!

【コアルーム】


「住民も増えて来たので法制度が必要だけど、確か、このダンジョンでは法律を制定出来なかったはず。ラージャさん、法律の制定手続って?」

「簡単に説明すれば、まず、内閣または国会議員が法案を提出、次にこれを国会で可決、公布して成立。です。」

「で、そのうち国事行為が関係して、このダンジョンで出来ないのが?」

「まず、内閣を任命できない。」

「内閣は作れないか。」

「次に、国会議員選挙の公示と国会の召集が出来ない。」

「議会が無いと法案が審議できないんだよな。選挙自体現状では無理っぽいが。」

「さらに、法律を公布できない。」

「やはり無理か。」

「その他、最高裁判所長官とか大使などの任命とか、この図書館都市ダンジョンには不可能なことは他にもあります。」

「……で、どうする。なんだよな。これからどんどん人口増えたら、きちんとした法律も必要だし。現状、殺人は死刑、傷害は体罰、窃盗は罰金。と言っているが、これも正規の法では無いし。」

「今は劉邦の法三章だな。確かにそれでは不足です。」


「法案を何らかの手段で異世界に送って……内閣も議会も作れないから、そもそも法案自体が作れないか。」

「ここは江戸時代の日本に似た世界ですが日本では無いので、憲法の手続に準拠して法を作る必要は無いでしょう。」

「確かにそうか。別にクーデター起こして正規の法律無しでも……。」

「実際問題、図書館都市ダンジョンは既に実質的に独立しているから、クーデターを宣言して軍事政権を設立しなくても、今のまま勝手に法律もどきを制定したところで、住民はその行為自体は問題にしないでしょう。法の内容が気に入らなければ一揆を起こすでしょうが。」

「住民の意識は江戸時代並だからなぁ。結局、代官だろうとダンジョンだろうと、おかみって訳か。」

「近代的な意味での法では無いが、幕府や藩が勝手に定めた掟みたいなもの。それで通ります。」


「それなら、ラージャさんには、このダンジョンの入植者に適用される法制度『みたいなもの』を作って欲しい。今は議会は無くても、マリーさん達に確認して貰えば、それぞれの専門に関しては問題は無いと思う。あと、現状は厳密には法では無いが、将来的には議会は必要だろうか。」

「議会なら、第四層群の1階南西側に、議場にちょうど良いホールがあります。椅子を半分外して机を置けば議員が50人程入れられるし、後方は100席以上の傍聴席になります。」

「議員が50人と言うことは……。」

「議員定数の規定は無いですが、大昔の法律で人口30万なら46人、40万なら52人、50万なら56人なので、その程度です。」

「50万か。何階建てになるんだ?」

「1階50戸として2000階。」

「富士山を軽く越えるな。そういえば屋上から富士山らしき山は見えないが、無いのか。」

「無いか、位置が違うか。その辺は私よりマリーの方が詳しいな。」

当然ながら、クーデターなどの違法行為を奨励するものではありません。

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