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393:孫悟空の末裔?

中山(ちゅうざん)競馬場ダンジョン】


 異世界では競馬と言えば横浜根岸だが、この世界では既に崩壊したのかまだ成立していないのか、単に見つかっていないだけか、根岸も府中も無い。

「オキムム・バシリクム・ラージャです。図書館都市ダンジョンの使者として、中山グランプリ開催による、このダンジョンの再生計画について会談に来ました。」

 外見は女性だが、もちろん雌雄同体。背は高く細マッチョな筋肉質。鮮やかな濃い緑の金属光沢(構造色)の腰近くまである長髪。目は黒(緑を濃くした黒)。肌は褐色。薙刀と乗馬を嗜む武将で、主に軍事と行政を担当。設定上の経歴は法学部卒で専門は都市行政となる。

「ハルナです。」

 馬脚は半獣人なので純粋なエクウス・カバルスという訳では無い。下半身と目・耳が馬で、頭を含め上半身は人間。毛色は鹿毛。

弼馬温(ひつぱおん)(ソン)浩懿(ハオイー)だが、このダンジョンは既に余命幾ばくもない。もてなしは出来ぬ。」

 ニホンザルが出迎える。孫中山はヒトで孫悟空はキンシコウのはずだが、その辺はこの世界は適当。そもそも異世界の中山(なかやま)競馬場は孫文由来では無い。

「このダンジョンで競馬を開催すればダンジョンに力を与えることができると思われます。」

「しかしのう、競馬場は畑にされてしまったし、何より馬が居ない。そこに1ハルナ居るが、競馬には最低5頭必要じゃ。(ふさ)には馬の居る佐倉牧(さくらまき)ダンジョンはあるが、馬を連れ出すことは出来ぬ。」

 名前付き(ネームド)ではないダンジョンモンスターはダンジョンから出ることは出来ない。

「相撲の力士だって普段は大名などのお抱えで、勧進相撲の時だけ集まってくるのですから、競馬の馬や馬脚だって領主の家臣を集めれば良いのです。競馬場の方は、最初は最低限整備して、徐々に復旧すれば良いでしょう。」

「畑を潰すと(ふさ)国主の武田様に怒られる。」

「図書館都市ダンジョンのマスターによると、まずは、ダンジョン中心から外側、一直線に1キ……10町か20町を整地、ダンジョンの収入が安定したら畑を順次競馬場に戻して芝生を張るとのことです。」

「それなら……。でも、(ユェン)総生(ゾンシォン)と走ってみたがダンジョンに力は得られなかった。」

 正しくは猿は類人猿やテナガザルでニホンザルは猴だが、以下略。

「失礼ですが、ダンジョンモンスターからはダンジョンは力を得ることは出来ませんし、2人ではたいした力になりません。冒険者、つまり外から大勢の観客を呼ばないといけません。おそらく競馬場ダンジョンと言う特性から見て、冒険者が競馬を見ることでより多くの力を得られるのでしょう。」

「それは分かるが。どうやって人を呼ぶのやら。この近くの町と言えば、せいぜい国府台(こうのだい)くらいか。」

「このダンジョンの影響圏は直径1里も無いので、すぐ近くまで転送陣、人や荷物を運ぶ機能を用意し、府中(ふちゅう)総社(そうじゃ)・本郷といった近隣諸国の町からも人を呼びます。」

 そういうと、ラージャは背の高い観客席を見上げる。

「これを……手が回らないが。サルもネコも数は少ない。」

 (ソン)も観客席を見るが、このダンジョンのサル獣人は少ない。

「建物はダンジョン構造物なので劣化はしていないでしょうから、掃除すれば良いでしょう。人手や飲食物などは、こちらで用意します。それで、このダンジョンはサルとネコの畜生が居るのですか。」

「サル畜生と動物のネコだ。」

 猫の手を借りたところで動物の猫では役に立たない。猫獣人ではない動物の猫も伝承では30年、あるいは33年生きたら猫又になると言うが……。

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