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390:反省はするけど……

【第三層群屋上展望台・世界樹】


「それこそ餓鬼狩りが必要かもな。待っていても、もうこのダンジョンに襲いかかってくる無謀な者も居ないだろうし。」

「ダンジョンエネルギーが不足しているダンジョンは多いと思われます。何らかの方法で強化して、このダンジョンで産しない物を入手出来れば、よりダンジョンが、というかダンジョン内の社会が発展するでしょう。ですから、大々的な餓鬼狩りを行い、保管しておいて必要に応じ各ダンジョンに分配して使う。というのは有効ではあります。」

「……ではあります?」

「餓鬼もこの世界では人と認められていますから、いくら『人権』という概念の無い社会でも、図書館都市は強力なダンジョンと見なされていますから、派手に奴隷狩りを行うと『石の神殿アスカ』のような危険かつ有害なダンジョンと見られて警戒される可能性があります。合従策も対仏大同盟も信長包囲網も、多大な犠牲を生み出しました。わたしは既にダンジョン影響圏外に手を伸ばしていますから、無用な争いは避けたいものです。」

「ああ、影響圏はダンジョンの機能で守ることが出来るけど、奥州や西方の工事現場は影響圏の外になるか。」

「影響圏であっても、普通のダンジョンは、攻略に来た冒険者を問答無用で埋めてしまうようなことはできないそうですが。」

「マリーさん、それが『出来る』理由は何かあるんだろうか。」

「さぁ。そこまでは分かりません。おそらく、システム上は地表面がダンジョン構造物の『床』ではない。しかも地下は別の層扱い。という所に関係するのでしょう。」

「地面がダンジョンの床だと耕すことが出来ないな。」

「ダンジョン構造物は強度がありますからね。とはいえ、ダンジョン本体と影響圏はまた違ってきます。」


「ダンジョンで餓鬼を捕まえるのも餓鬼から来ないといけないな。」

「餓鬼というのは生贄にされるために生まれたような種族ですからね。仮死状態で長期保存できますから。(かひ)では『餓鬼は石垣・餓鬼は城』と言って、仮死状態の餓鬼で城を築き、戦争で必要になったら酒を与えて活動させるそうです。こうなると分かっていれば、以前に餓鬼の大軍が襲撃してきたとき、潰さず保存したのですが。」

「他のダンジョンへ餓鬼を提供して成長を促す。なんてことは想定していなかったからな。」


「言い訳はしません。わたし自身、本来このダンジョンに適合するモンスターとして生成された訳ではありませんし、このダンジョン自体、本来想定されていたであろう状態とは全く異なっていますから、残念ながら長期計画は不完全で場当たり的にやってきています。」

「本来か。」

「図書館都市ダンジョン。それは、様々な異世界から億を超える書籍や無数の雑誌・新聞等を召喚するダンジョンであり、この世界の神話・伝承・冒険記から創作物語や詩歌まで様々な情報を集積・書籍化する図書館であり、学者達をはじめとする多数の住民が生活する都市である。」

「確かそんなもの。」

「なぜか主系列モンスターは馬頭でしたね。」

「ハネダブライアンだったかスレッジハンマーだったか、大昔のダービー馬だったような。馬なら足が速いから、いろいろと便利だっただろうな。」

「調べたら、チョクセンバンチョが時速75km。それでも、生物である以上、さすがに入間の霞ヶ関まで1時間走り続ける訳には行かないでしょうが。」

 馬は1日中歩き続けることは可能だが、走る時間には制約がある。なお、クォーターホースの最高速度は時速90km程に達しサラブレッドより速い。

「マリーさんの馬はどんなものです。」

「ツクバは子供なので無理はさせられませんが、一般的に馬脚は歩けば一日中、時速10kmの速歩なら1時間、20kmの駆歩なら30分、時速40kmの襲歩、全力疾走なら数分のようですね。なお、ハルナは馬脚の中でも速くて、長距離ならばこの世界の動物の馬で最速のものと互角か越えるくらいです。」

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