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381:その頃、ネオ谷そしてヤバ系

【身終北方・ネオ谷ダンジョン】


「東西の大ダンジョンが濃尾に道を作る。ということだが。」

 菊花石(きっかせき)餓鬼のネオ能郷(ノウゴウ)が紙を見ながら言う。ネオ谷を代表する菊花石(きっかせき)餓鬼は、肌に放射状の模様が出るのが特徴。修羅には「皮膚病のような模様がある餓鬼」と言われるが。

 ネオ谷は、ネオ○○という名を持つ菊花石(きっかせき)餓鬼だけで30名前後、餓鬼以外も含め住民が千名程度と、それなりの規模のダンジョン。特に名前付き(ネームド)モンスターは図書館都市や同様の餓鬼ダンジョンであるヤバ系ダンジョンの3倍ほどになる。

「最近、大餓鬼の餓鬼が大挙して遠征したものの誰も帰らなかった事件があったが、その原因となったのが、一方の当事者、迷迭香(マンネンロウ)の塔だ。」

 同じく菊花石餓鬼でネオ谷ダンジョンのマスターであるネオ松田が続ける。

「邪魔した方が良いだろうか。」

 提案するネオ高尾。

「菊花石餓鬼だけで決める問題でも無いし、それ以前に内政の責任者ネオ板所(いたしょ)、経済の責任者ネオ市場(いちば)達との会議も必要だ。それに、大餓鬼の餓鬼達にとっては敵かもしれないが半分自業自得だし、ネオ谷が同調する義務も無い。」

 ネオ松田は保留案を出す。

「そもそも大餓鬼がどうするか。もあるかな。濃尾の国主と揉めるのも面倒だろうし。ともかく餓鬼は待つことは得意だ。『その速きこと畜生のごとし、うるさきこと修羅のごとし、強欲なること人間のごとし、動かざること餓鬼のごとし、わけの分からないこと地獄のごとし、住所不定のこと天人のごとし、村を襲って奴隷を集め、領地を広げて利益を求め、権力のために動く』だったか。」

 ネオ高尾も様子見に同調。



【中津南方・ヤバ系ダンジョン】


 身終(みのおわり)東端は、異世界では中津川宿に対応する場所だが、砂漠で川が無いため名前が中津となり、異世界九州の同名の町に引きずられて餓鬼が支配するヤバ系ダンジョンが成立した。()の国・高崎にサルが居るのと同じ現象。

「中津を通る商人が増える、ということは、ダンジョンにとっても冒険者が増えるチャンスだ。だが、冒険者にダンジョンを攻略されてしまっては困る。テツドウ、だったかが完成する前でも工事の護衛などで冒険者の通行は増えるため、ダンジョン中枢部への出入りは規制したい。」

「域外からの冒険者にはガイドを義務づけ監視、特に5名以上のパーティーは事前予約。」

「情報漏洩を防ぐため、通信機と写真機、だったか、図書館都市からのカラクリは持ち込み禁止。」

「あと、なにか……。」

 着々と準備を進めていくが、現状、基本的に守りであり、積極的な冒険者の誘致は行っていない。隣の天竜区ダンジョンは最高戦力としてドラゴンを配備し鉄壁の防衛力を誇るが、ヤバ系ダンジョンには強力なモンスターは居ないため。もちろんドラゴンは外征には全く使えないという限界もある。

ネオ谷もヤバ系も言葉が違いますが、ここでは普通に表記しています。

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