表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
359/551

359:猫を殺せば七代祟る……はず(日本駄右衛門)

【猫啼温泉】


「なんてことを……。」

 使者の首を前に怒る日本駄右衛門。不殺の義賊では無いので言う資格は全く無いが。

「まったく交渉の余地が無いニャ。このままでは我輩も命が1つ減ってしまうニャ。」

「命が1つ?」

「ダンジョンの『固有法則』といって、命が9つあり、殺された場合は相手の子孫に七代祟る。というものニャ。」

「それなら、今から命を1つ犠牲にして、迷迭香(マンネンロウ)の塔を祟ってやれば良い。」

「相手を直接祟る事は出来なくて、相手の死後に子孫を祟る。というものニャ。相手が死んでくれないと祟りは発動しないニャ。」

 マリーは繁殖能力自体が無いのでクローンを作ることは出来ても子孫など居ない。なんてことまでは捨猫(すてねこ)も知らない。


捨猫(すてねこ)がふっかけすぎたのでは?」

「返信を見る限り、どうやら元から交渉の余地は皆無ニャ。ならばウサギ(USA G.I.)が居ない間に左遷城を強襲して占領、松永隠岐守を人質にして……無理ニャ。平気で人質ごと皆殺しにするに決まっているニャ。」


「ならば、奥州全土を糾合し奥州連合として迷迭香(マンネンロウ)の塔に当たるのは?」

「奥州は広いから、兵を集めるにも時間が必要で、兵糧も足りないニャ。それ以前の問題として、海賊が奥州諸侯の盟主になるのは困難ニャ。」

「馬鹿にしやがって、死ね!」

 思わず捨猫(すてねこ)を斬りつける日本駄右衛門。避け損ねた捨猫(すてねこ)は真っ二つになり、光の粒子になって消えた。

「あ、やってしまった……。」

 七代祟られることになってしまった日本駄右衛門。



【猫啼温泉】


「親分、捨猫(すてねこ)斬ってしまったんですかい。」

「つい、カッとしてやっちまった。ダンジョンだから核を破壊すれば呪われはしないだろうが、核はどこだ。」

「そんなの、捨猫(すてねこ)しか知らないでしょう。」

「よし、手分けしてダンジョンの核を探せ。見つけ次第破壊しろ。」

 猫啼温泉ダンジョンには、異世界のような立派な温泉旅館では無く、掘っ立て小屋のようなボロ屋が数軒並んでいる。手下達は床を剥がし、屋根に穴を開け、庭まで掘り返し、せっかく奪った米俵の中身まで地面にぶちまけるが、コアは見つからない。挙げ句建物の1棟は完全に倒壊、残りも床は無く屋根は穴だらけと言う状態。

「どこに隠していやがる。」


「……親分、住むところが無くなってしまいましたが……。」

「おのれ、迷迭香(マンネンロウ)め。そこまでするか。」

「あのダンジョンは、やり方がえげつないことで有名ですから、それくらい平気でするでしょう。」


「野郎ども、捨猫(すてねこ)の敵討ちだ。俺達の家を奪った迷迭香(マンネンロウ)の塔を許すな!」

「おー!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ