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338:身終(みのおわり)にて

 修羅は元の植物と形状・サイズが全く異なる人間に比較的似た身体を持つが、生物学的には雌雄同体も多い。また、繁殖方法が種子やクローンで哺乳類とは大きく異なるため、雌雄がある種類も裸でも大抵R18にはならない。

 例えば、通常の植物のローズマリーは生物学的に雌雄同体。図書館都市ダンジョンの世界樹は種を付けないため、マリーも生物学的性別は無し、性自認も無しだが見た目と服装は女(ただし胸と腰は無い)、性的嗜好は無しとなる。

 一方、畜生の場合、雌雄同体の動物はナメクジや一部の魚など物理的に大型化が困難なものが多く、雌雄同体の獣人は珍しい。なお、餓鬼は鉱物界なので基本的に性別は存在しない。



【身終・山本】


 身終(みのおわり)の国主、長田左馬頭(さまのかみ)(自称)は松修羅で男に見え、側近の桐生六郎は胡瓜(きゅうり)修羅で性別不詳だが、どちらも雌雄同体である。一方、今は不在の別の側近、河田次郎は雄鶏。

 大抵の修羅や畜生の寿命は人間と大差無いが(畜生は概ね少し短い)、松修羅は運が良いと相当長生きし、長田左馬頭も中年男に見えるが実はかなり高齢。


「西の変態(キンキィ)連中は相変わらず無礼だぎゃぁ。東の関八州では樹木モドキの迷迭香(マンネンロウ)ごときが偉そうに世界樹を名乗って大きな顔をしとるが、今後、我が濃尾(のうび)に吉と出るか凶と出るかや。」

 裸子植物だからと裸で歩き回っている左馬頭の方がよっぽど変態(キンキィ)だが、幸い修羅なので問題は無い。なお、この世界の飛脚はちゃんと褌を着用している。

左馬頭(さまのかみ)様、関八州は近年荒れていましたから、安定はすると思われます。ダンジョンなので外征は苦手でしょうから、直接的な脅威にはならないでしょう。」

「六郎、ダンジョンの大きさの制限。って知っているかや。」

「いえ……。」

「ダンジョンは120里以上力を及ぼすことは出来ん。これが濃尾が石の神殿を恐れずに済む理由だぎゃ。だが、あの迷迭香(マンネンロウ)の塔は少なくとも200里以上には手を伸ばしとる。変な固有法則があるに違いないぎゃぁ。」

 固有法則では無いが、長田は知らない。

「非常粋な固有法則を複数持つとは考えにくいから、一般のダンジョン同様に他人の土地をダンジョンに呑み込むことは出来ないと思います。中津の南は既にヤバ系ダンジョンがあるので、北の方に一列に家でも並べれば良いでしょう。」

(しな)がスカスカで盾として機能しないのが悪いぎゃ。」

「どこの国も砂漠はどうしようもありません。地下水があるなら井戸を掘る事が出来ますが。それこそ、迷迭香(マンネンロウ)の塔は多量に水を産するため、巨大な池や沼をいくつも作って贅沢に水を流し込んでいるとのことです。」

「……何がしたいんだぎゃ……。迷走かや。」

「単なる示威行為で、砂漠を水で満たすほど豊富にあると自慢したいのでしょう。」

「見下げ果てた根性だぎゃ。」

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