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324:必要な人口支持力(ミントとの打ち合わせ3)

【第三層群・管制室】


「それで、いわゆる『正統派』の人口抑制策を取っても、効果が現れるには時間が必要です。異世界のヨーロッパは数百年掛けてゆっくり近代化が進んだため、中世末の5,000万人は大量に移民を送り出したにもかかわらず、現在は8億と15倍以上に増えています。一方、明治維新以降100年で乳幼児死亡率をほぼゼロにした日本は、6倍程度で済んでいます。」

側近書記セクレタリー殿、可能な限り速やかな近代化が必要。か。」

「インド帝国は4億が25億、中国は清朝の5億が帝国も民国も後清なども合わせて30億になっていますから、やはり6倍となります。」

 国共内戦も日中戦争も大躍進や文革も一人っ子政策も無かったため、中国の人口は始末に負えない程増えている。

「確か関八州の人口は500万程度で、そのうち人間は約300万だったか。」

「関八州だけ医療を改善しても解決しません。近代化していない遠方の国々でずるずる人間が増え続け、移民の流入が続く。というのが悪夢で、世界によってはそれで深刻な社会不安を引き起こした地域もあります。この世界、北海道・樺太や台湾や南洋群島に相当する地域もあるのか、江戸時代日本の範囲だけなのかは分かりませんが、距離感がざっくり6~8倍程度なので、もし存在するなら2,000km彼方の台湾は世界を1/4周、4,000km彼方のヤルートは惑星の裏側と思われます。海が無さそうなので空輸で近代化を図る必要があります。」

「もし台湾が無くても九州、鎮西かな、ここから1,000kmではなく、6,000~8,000kmくらいあると考えないといけないか。」

「歩いたら1年くらい必要でしょうね。一刻も早く飛行機の製造が必要です。」

「労農ロシアの『ロシア号』が似たような距離を6日だったか。まだ飛行機よりは技術的制約は低いかと。」

「電車は、ダンジョン影響圏外には、電気抵抗により遠くまで電気を送ることが出来ません。超伝導送電線は材料工学の悪夢で製造は困難です。」

「沿線に風力発電機を並べるくらいか。」

「あと、都市近郊の空港ならともかく、何千kmもある鉄道を守るのは大変ですよ。西部劇みたいに列車強盗が出かねません。自動車道(フリーウェイ)であっても築堤部分で柵を乗り越えて海賊が侵入しないとも限りませんが。」

「異世界日本なら、前橋や松本であっても海から100kmやそこらですから鉄道貨物を全廃出来ましたが、海が無いこの世界で数千km輸送するとなると。側近書記セクレタリー殿がお好きなビッグリグ(大型トレーラー)でも自動運転には人工衛星が欲しくなりますし、手動だと運転手への補給の問題が出てきます。」


「飛行機も穀物など重量物の輸送に向かないという問題はさておき、必要な生産力は、この世界の人間の人口の6倍。と予想されます。関八州の人間が300万人ですから、その10倍なら1.8億人、15倍なら2.7億人。反収2石まで増やすとして余裕を見て3億人分なら1,500万町歩。もちろん、全てをこのダンジョンで賄う必要はありませんが、その程度の水田が必要になりうる。ということは考えないといけませんね。」

「日本に対応する地域以外もある。という可能性もあるのでは。どうやらほとんど砂漠なので、さすがに数億なんてことは無いだろうが。」

「そうなると、単純に必要な穀物が増えますが、考えたくありませんね。河童(プルトゥゲシュ)などの外道種族が野生化したダンジョンモンスターか別の世界から来たのなら良いのですが、惑星の裏側に1億人とか居たら嫌になります。」

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