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287:カーゴ・カルト

【第三層群・管制室】


「燃えた車はゴミとしてダンジョンの機能で吸収、焼けてダメになった商品は所有者がいるためダンジョンに吸収できないので、冒険者達に路肩にでも移動してもらい、残った車で充電地点に移動。」

 ミントは事故処理を進める。

「ミントさん、自動車火災ですか。」

 マリーが慌ててやってくる。

側近書記セクレタリー殿、残念ながら。幸い死傷者は居ない。でも、何十年も昔の車なら分かるが、最近の車はそうそう燃えたりしないはずだが。そもそも充電池は耐火樹脂の箱に収まっているはず。」

「複製召喚した図書館の公用車に古い中古車が混じっていたとかは無いでしょうか。」

「高圧での急速充電に対応していないなど、今回の用途には向かないので、さすがにあまりに古い規格の車は使っていない。」

 通常は夜などに低圧で充電するが、時間が掛かるという欠点がある。

「道路がダンジョン構造物の外になっていたんですよね。」

「全部トンネルにして埋めてしまえば、火が使えないので炎上を避けることが出来るが、それでは航続距離の長い炭化水素燃料車が使用できなくなる。」

「原因は分かりそうですか。」

「いや、設備が無いから……何とも。可能性としては、砂漠で長時間運転したため熱暴走したのかもしれないが。」


「……結局、産業基盤も無いままに異世界の商品を持ち込んだけど、使いこなせなかった。ということですね。かといって、このダンジョンで生産出来ない物は使わない。という訳にもいきません。」

 図書館都市ダンジョンは本来、知識を産するダンジョンであるはずだが、マスターがチュートリアルをすっ飛ばしたことを原因として、図書館の備品や雑誌の付録という商品を基礎に据えた運用をしている。

「それに、本来、近距離向けの電気自動車で片道1,000kmというのが無理がある運用だ。」

「船は海が無いので使えませんし、大型トレーラー(ビッグリグ)は製造出来ませんからね。」

「タイヤなど、構造的にダンジョン構造物では作成できない部品がある。」


「緊急の対策として、今は隊商は1つだけですから、すぐに道路を片側通行として退避・追い越しを可能とし、今後同時に複数の隊商が活動するなら、片側3車線の完成形にする。というあたりでしょう。」

「トレーラーが無い以上、完成形は持てあますだけかもしれないが。」

「自動運転なので、理論上は運用で工夫すれば追い抜き・すれ違いも可能でしょうが、事故の芽は避けたいですからね。」

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