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276:使節団出発

【第三層群1階】


「岸播磨介(はりまのすけ)の息子、晴保です。奥州への使節の役目、見事果たしてご覧に入れます。」

 1人の若武者がマリー達に挨拶する。

「事実上の初陣です。お父上の名に恥じない活躍を、期待します。」

 世界樹から距離がある1階では、まだ少しだけ言葉が怪しいマリー。

「大丈夫です。もし騎馬武者の資格が無いと判断した時は、責任を持って落馬させてから、きちんと首を折った上で砂漠に捨てます。」

 さらっと怖いことを言うカスミ。直参の馬脚で、脚・髪・尾は暗い赤茶色っぽい色の栃栗毛。

 今回は、岸団から徒歩1人・足軽3人・荷物持ち3人、ダンジョン直参の馬脚1人が随行する。

「乗馬は良いですよ。図書頭(ずしょのかみ)様も、塔の上で引きこもっていないで、それこそ乗馬をなさると良いでしょう。ちょうど妹に騎乗訓練が必要ですが、まだ体が小さいので、軽い騎手が必要です。」

 マリーは軽い女。厳密には性別は無いが。

「残念ながら、下まで降りたら、まだ体が動きません。」

「例えば、この第三層群の廻りに馬場を作るとか、方法はあるでしょう。」

 ダンジョン構造物で回廊を作る、あるいは図書室のある畜産試験場か何かを召喚する。もちろん家畜は召喚出来ないが。

「それは良いですね。騎兵は何かと必要ですが、わたし自身が馬に乗ることが出来たら、なお良いでしょう。ただ、マスターに知れたら競馬場になってしまいそうですが。」

 異世界の江戸時代に力士を召し抱えた大名が居たように、この世界でも武芸奨励のために力士や馬脚を召し抱える領主は居る。

「領主たる者、やむなき事情が無いなら、馬に乗るのは当然のことです。そして、もしも人の上に立つ資格が失われたときは、地に叩き付けて人生を終わらせるのが馬の使命です。」

「そのような評価を下されないよう、努めなければなりませんね。それでは、松永隠岐守殿への使節、頼みました。」



【第三層群屋上展望台】


「奥州との交易がどの程度になるか分かりませんから、本格的なフリーウェイではなく、自動車専用の2車線道路として作ります。」

 フリーウェイは6車線(片側3車線)が基本。

「最低限の最低限。だな。充電と宿泊も簡易な物か。」

「図書館に急速充電など要りませんからね。ショッピングモール併設の図書館なら、そのショッピングモールの充電器を複製召喚出来ますが、乗用車用なので電力量は少なくなります。フリーウェイのレストエリアなら大容量のものもありますが、そもそもレストエリア自体数が少ない上に図書館併設は見当たりません。」

 異世界の高速道路は基本無料なので、給油・給電は一度降りれば済む。

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