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271:謎の町

【那須塩原東方、図書館都市ダンジョン影響圏端】


 図書館都市ダンジョン本体の北東、1,000km余り。先日の場所とは那須塩原(なすえんげん)を挟んだ反対側で、約800km離れている。

 同じように冒険者達が風船に水素を詰め、気球が空へ舞い上がる。



【第三層群・管制室】


「ミント、町があります。」

「え?」

「那須塩原から、かなり離れた場所、おそらくダンジョン影響圏の端からせいぜい1日か2日。白河でしょうか。ですが、那須塩原から離れていて港も見当たらないので、あるいは白河では無いのでしょうか。単に港を見落としてるだけでしょうか。街道が無いなら2日行程ですから、冒険者の派遣は可能と思われます。」

「往復だと5日分の水や食料が必要だから、現地補給が出来ない場合、冒険者には厳しいかもしれない。」

 この世界、空間拡張とか重量軽減は特殊なダンジョンの中でしか使えない。砂漠を歩くと大量の水が必要であり、テントも重いため、5日は非現実的な重さとなる。

「……文化が異なり、言葉が通じない上にお金も使い物にならない。という可能性がありますね。」



【第三層群1階/屋上展望台】


「同志図書頭(ずしょのかみ)様、城下は奥州の話題で持ちきりですよ。」

 燃料商の越前屋が面会を申し込んで来た。

「越前屋さん、確かに冒険者達に箝口令は敷いていませんでしたが、そんなに早く広がっていますか。」

「商人の間では。ですが。なにしろ、那須塩原(なすえんげん)が要求するのは大判小判ではなく生贄。わたくしみたいに『まっとうな商い』を心がけている商人には敷居が高い。これが、このダンジョンの転送陣なら、小判を積むだけで片が付く。」

 普通に歩いて30日、最速の飛脚でも4日はかかる距離を、わずか3時間で移動出来る。

「ダンジョンの力を使っているので、結局は人の感情を使うことには変わりはないのです。単に、この図書館都市ダンジョンでは、小判を集めて人間から物を買い、それをダンジョンの成長に使い、結果としてダンジョンの力を増やしている。というだけです。」

「欲を言えば、ダンジョンの端まで250里を丸1日くらいで移動出来て、荷物も沢山運べて、値段も転送陣よりは安い移動手段があれば、荷物を運ぶ商人は助かります。」

「自動車は、せいぜい50里が限界ですからね。」

秦漢選(しんかんせん)だったか何か開発してると聞いていますが。」

新幹線(しんかんせん)です。あれは、ほとんどの異世界で失敗に終わった徒労ですが、残念ながら異世界のちゃんとした輸送機関を生産出来ないため、何年か『つなぎ』として考えているだけです。」

図書頭(ずしょのかみ)様、本題に入りますが、もちろん、奥州で見つけた町を調査しますよね。」

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