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265:今為すべき事(食料生産編)

【第三層群屋上展望台】


「マリーさん、那須塩原(なすえんげん)はさておき、まず、すべき事をまとめていくべきと思う。」

「そうですね。内政に関しては、主食の麦の収穫、次いで米麦二毛作の田植え。幸い、このダンジョンの官僚機構は既に最低限は機能しますので、方針さえ決めておけば基本的には丸投げでかまいません。」

「収穫はどの程度行きそうかな。」

「麦は5万町歩ですから、反収1石なら50万石。ほぼ30万人分です。現在人間が20万で、仮に人口が倍増したところで秋の稲刈りまで食料が持つようになります。もっとも、秋に収穫する米はあくまでも通貨となる商品であって、食べてしまうのはあまり良くないのですが。」

「埼玉の主食は『すいとん』だったな。」

「うどんに比べて手間がかかりませんからね。ですから、うどんは冠婚葬祭で食べられます。農村では米を食べることは基本的にありません。」

 もちろん、米を食べていないから貧しいという訳では全く無い。食生活は多様であり、完全に商品作物に特化し麦が栽培されていない地域では主食は買ってきた米だったりする。


「修羅にはそこらへんの草だったな。」

「光合成ができませんから、肥料に加え糖分などを補う必要があります。ダンジョンから直接修羅用液肥を入手するよりは、畑で野菜を育て野菜ジュースにする方がエネルギーコストは安上がりです。」

 修羅は味覚がイギリス人並なので、味は問題にならない。


「それで、畜生が問題と。」

「草食、肉食でも昆虫やネズミを食べるなら問題は少ないですが、果実食だと制約が出てきてしまいます。果物の収穫は数年先になりますから。」

「肉食の畜生も困るのでは。まだ肉は無いぞ。」

「はい。確かに鶏は、まだ十分には供給出来ていません。関八州ではあわ以外牛は少ないため、このダンジョンには牛は居ませんし、馬も馬脚(馬獣人)が代替しているため居ません。」

 文化的には概ね江戸時代程度なので、豚は居ない。猪獣人は居るが、もちろん食用では無い。一部のダンジョンでは牡丹肉や紅葉肉などを産するが一般的では無い。

「馬脚を食べる訳には行かないな。」

「下半身は馬なので、その部分は馬肉だとは思いますが、さすがに……。ですが、この地域の肉食獣人は狐でも狼でも猫すらも牛豚は必須では無く、食べ物が無ければネズミや芋虫で我慢することは可能です。」

「ネズミは供給可能と。」

「図書館に居る害獣という扱いなのかダンジョンモンスターとして召喚可能でしたし、今は狐獣人などのために量産出来ています。あと、コオロギや芋虫ですね。」


「つまり、人間用には麦と米、修羅と草食畜生には草、肉食畜生は小動物で我慢。果実食の畜生は可哀想だけど追い返すしか無い。と。」

「幸い、この地方には純粋な果実食の畜生は少ないですからね。昆虫は食性が特殊化しているものが多いですが、虫獣人はこのダンジョンでは生存自体が不可能です。」

 昆虫は気門呼吸なので、対応した固有法則無しでは大型化は不可能。

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