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204:42.195km(7日目)

【コアルーム】


「マリーさん、いったい何日、このまま無為無策にゾンビを潰し続けることになるんだろうか。」

「今、台北市が終わったところです。次は衛星都市の板橋市や三重市などを。台湾の図書館を召喚したら、南洋群島には大きな図書館はもう残っていませんから、最期に樺太から4つ召喚して第一段階は一段落です。

 その後は第二段階として平屋や2階建ての図書館を端から召喚して、1棟で5mとか10mとか地道に、樺太から5、北海道から68、青森から31、岩手から……。」

「もう1000棟くらい召喚していないか。」

「層群番号が1542。帝国図書館が第ゼロ層群という扱いなので層群数は1543になります。つまり、え~と、あの、これまでに989棟追加で、高さは42kmを越えました。追加予定は第一段階で残り103棟、高さ44.5kmになる予定です。」

 寝不足で、いつもより計算能力が落ちているマリー。

「マラソンが出来そうな高さだな。」

垂直マラソン(タワーランニング)が開催出来そうですね。」

「高低差42.195kmの垂直マラソンなんて、新高山(にいたかやま)を10回登るような狂気だな。」

「大韓帝国では金剛山(クムガンサン)を1万回以上登山した人も居るそうです。」

 なお、韓国併合が無かった異世界に「金剛型巡洋戦艦」が存在したのは、佐渡か奈良かどっかの金剛山が由来のため。

「垂直マラソンは良いかも知れない。第二層群(第三層群直下・上から2番目)まで最初に完走した者は召し抱える。とか。」

「無理してトルストイの『人にはどれほどの土地がいるか』みたいな末路になりかねませんが。なにしろ普通の転送陣で40分かかる高さですから。」

「そんなに必要なのか。」

「転送陣の正体はリニア式エレベーターですが、通常は時速60kmです。加速度は加減速とも最大0.9m/s2・変化率1.3m/s3。これは立ったまま乗っても不快に感じない値とのことです。今の高速転送陣も加減速は同じですが分速5,000m、つまり時速300km出ます。所要時間は10分程度ですね。仕様ではもう少し速く出来ますが。」

 上下方向の加速なので見かけの体重が変化するだけだが、もし水平方向に使用したらこんな加速度だと転倒する。マリー達にお馴染みの異世界には無いが参考までに新幹線は1.7km/h/s、つまり0.47m/s2と転送陣の半分。


「ゾンビダンジョンの状況は相変わらずか。」

「ですね。適時交代しながら24時間挑発を続けています。こちらでは不定時法なので24時間とは言いませんが。」

「結局、水では相手ダンジョンを掘り崩せずか。」

「はい。ですが、ダンジョン以外は洗い流したので、ゾンビダンジョンの形状がよく分かります。南北150m・東西60m程度ですね。異世界の資料による想定より少し南北が長くなっています。おそらく刑場北側の墓地部分も込みなのでしょう。」

「もしかして、ダンジョンエネルギーが無制限、とか無いだろうな。」

「確かに、『浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ』とは言いますが。もし無尽蔵なら、すぐに召喚出来る図書館が尽きます。」

「それこそ無尽蔵なら、高コストな帝国大学図書館でも、外国の国立図書館でも召喚出来るのでは無いか。」

「アメリカ議会図書館でも狙いますか。規模は帝国図書館の数倍なので、おそらく必要なダンジョンエネルギーは数百倍か数千倍か。」

「そうと方針決めたら、エネルギーが溜まるまで休憩した方が良いんじゃないか。」

「そうします。目が覚めたら適当に台湾などの残りの図書館を積んでおきます。第二段階はコアに登録だけして、保留しエネルギー蓄積でしょうか。」

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