185:次の街道はどこに作ろうか
【コアルーム】
「東の織田城までの街道は完成しましたが、次はどこに街道を作りましょうか。」
マリーはそう言うとダンジョン周辺の地図を広げる。
西の入間代官所霞ヶ関まで約70km、徒歩2日。
南東の豊島代官所平塚まで約200km、徒歩5日。
東の小田城まで約350km、徒歩8日半。
「北西方向は霞ヶ関から武蔵と毛を結ぶ街道があるから代替可能だし、北東かな。」
「でも、北東は需要が少ないですからね。むしろ、城壁南西側に第六の門と「与野町」を作り、多摩の府中まで直線の道を作る。というのも良いかもしれません。」
与野は異世界の旧町村に由来するので「まち」。他は市町村内の町名由来なので「ちょう」となる。
「ただ、それだと入間代官所霞ヶ関を通る旅人が減るな。」
「なら、必要性が高く悪影響は少ないのが、南東、豊島代官所平塚から総の国、葛飾の国府台まで。国府台は織田城よりは近いですし。」
「マリーさん、平塚は人が住んでいる町だが、ダンジョン影響圏は広げられるのか。」
「平塚そのものは既存の町なのでダンジョン影響圏に組み込めませんが、国府台は平塚の延長線上から少しずれていますし、平塚付近以外はダンジョン影響圏に組み込むことは可能でしょう。こちらで把握していない小規模な宿場町とか、あるいは他のダンジョンでもあれば別ですが。」
「それで、国府台までの街道は平塚の真ん中を通すのか。」
「そこは豊島代官との協議次第ですが、町の真ん中だと既存の家を取り壊す必要があります。町の横を通してダンジョン影響圏外の部分は砂利道とするか、町から離れたダンジョン影響圏内に街道を通して町まで道を付けるか。」
「あるいは街道そのものは砂利道で豊島の前、高架道路は町から離す。」
「一度町を撤去して、ダンジョン影響圏に組み込んでから再度町を作る。という方法もあり得ますが、既に衰退していた谷越ならともかく、平塚だとダンジョン影響圏に組み込むことが出来るまで何年かかるか分かりません。」
「現実的では無いか。」
「ついでに、府中と平塚、府中と霞ヶ関の間の街道も、丸ごと改修するのは無理でも、可能な範囲でダンジョン影響圏に組み込んで道を整備すると良いでしょう。こちらは霞ヶ関経由で府中との協議が必要になります。」
「勝手にダンジョン影響圏に組み込んでも構わない気がするが。」
「誰も住んでいない荒野ならともかく、街道ですからね。勝手にするべきではないでしょう。ただ、街道を整備するかどうかはともまく、影響圏に組み込むことが出来れば、誰かが通るだけでダンジョンエネルギーが得られますから、道路改良とか何か理由を付けて提案する価値はありますね。」




