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014:メードが居ないと廻らない。第三の紫蘇召喚

【コアルーム】


 ゴミはダンジョンが回収するが、ゴミ以外の物が整理しきれず山積みになっている。

「まるでゴミ屋敷だな……。」

「ゴミ屋敷ですね。ゴミでは無いのですが。」

「収納スペースが足りないのか。」

「本なら地下書庫増設を急ぐべきですが、これは……わたしもマスターもミントも生活力ありませんから。いっそメードでも召喚しますか。」


 召喚されたメードは、背は高く痩せ型、薄紫の金属光沢(構造色)の髪で目の色は黒に近い深い紫、服装はダークグリーンの地味なロングドレス、白のエプロンと帽子。

「種族は真正ラベンダー、名前はありません。」

「真正ってことは偽物も居るのか。名前が問題だな……マリーさん、メードっぽい名前ってどういうのがあるんだろう。」

「冥土ねぇ。ハーデース、ラダマンテュス、ミーノース、アイアコス……う~ん……事前に候補を決めておくべきでしたね。」

「どんな紫蘇が召喚されるか事前に分からないんだから仕方ないだろ。」

「真正ラベンダーは『ラバンデュラ・アングスティフォリア(Lavandula angustifolia)』ですが、略してもアンガス(Angus)ではスコットランド男になってしまいます。メードの本場はイングランドですから、やはりイングランド式で……参考書籍を召喚と。

 本名に関係無くメアリーとかジェーンとかエミリーとか呼ぶことが一般的だったとか。でもメアリーはわたしの名前の英語読みで紛らわしいからダメですね。」

 召喚した参考資料を見ながらマリーが言う。

「いっそアングスティフォリアを豚切りして『アン』でヨシ!」

 DQNネームに定評のあるダンジョンマスター。angustifoliaを切ってもAnneにはならない。

 ダンジョンコアが

「マスターがモンスターをネームドに設定しました。モンスター『真正ラベンダー』の個体名を『アン』に設定します。」

 と告げる。


「アンと申します。由緒正しきイングリッシュラベンダーです。何なりとお申し付けください。

ただし、ハレンチラベンダーではありませんので、そういう方面の仕事は承ることは出来ません。」

「ハレンチ?」

「フレンチラベンダーとも言いまして、露出が多いミニスカートのフレンチメイド服を着たバニーガールです。もちろん、獣人ではなく修羅です。」

 でもイングリッシュラベンダーはフランス原産。


 ようやっと整理整頓清掃されたダンジョン。

 そして、ダンジョンマスターはメードの名前を覚えられず「メードさん」と呼ぶのであった。

 ラベンダーにはイングリッシュとフレンチがあり、フレンチはウサギ耳。という時点で、紫蘇のメードを召喚したらラベンダーになるのは必然です。なお、今の日本では「メイド」表記が一般的です。

 19世紀末、人口約3000万人のイギリスにメードは200万人以上居ました。要は今の日本の営業くらいにたくさん居たということです。

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