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134:小学校を召喚し農村に転用しよう

【コアルーム】


「以前の計画通り、村の規模は江戸時代同様に50~80戸程度。人口は200~400人程度。小学校は大抵が尋常小学校と高等小学校が併設の8学年で、図書室はもちろん職員室・理科室・音楽室などもありますから、何のかんの言って一般には教室は20か30程度あります。ですから1つの村に小学校を2~3校程度召喚すれば1教室1戸、講堂は村共有の倉庫に使えます。また、尋常6学級・高等4学級(高等小学校へ行くのは概ね2/3)の大規模校なら1校で村1つです。」

「あるいは中学校でも混ぜるか。何のかんの言って全国に1,000校くらいあるだろ。中学。」

「確か700校くらいです。高等女学校を加えたら2,000程になります。ただ、どうも私学は召喚出来ないようで、もっと数は減りますね。」

「図書館と同じか。」

「同じでしょう。帝国図書館はもちろん国立ですが、それ以外は全て道庁県市など自治体のもので、民間の図書館は召喚出来ません。厳密には召喚リストに載っていても召喚出来ない状態として表示されます。アパートやショッピングモールにあっても市立図書館の分館なら建物ごと召喚出来ますが。」

「民営だと権利関係がややこしいとか?」

「それは無いと思いますが。なお、学校を召喚しても、図書室以外は備品が無い状態です。ただ、奉安殿が御真影ごと召喚されたら、扱いによっては不敬罪になりかねませんから、それで良いのかもしれませんが。」

 もちろん、新聞雑誌に載っている写真は別に古新聞に出しても畑で芋を焼いても問題無い。

「なに、埼玉県警だって異世界には来ないだろう。」


「それで、小学校の建物では無く、実際に学校として使う小学校は、農村部ではだいたい300~500戸毎に設置されますから、5~6つの村に1つ。となるのですが、比較的農地が広いため、小学校の通学距離も3~4kmと長くなってしまいます。」

「小学校を運用する時には、アメリカみたいにスクールバスがあった方が良いかな。あと、召喚小学校、教科書は図書館の機能で取り寄せるにしても、せめて机椅子や文房具はセットで欲しいな。」

「図書館用の机椅子で代用するしか無いですね。もっとも、教師を何とかしないと小学校は開設できませんが。」

「師範学校を作るか。」

「仮に建物は用意できても、教師を育成するための教師が居ません。いわば『服を買いに行く服がない』状況です。」

「服なら通販という手もあるが、異世界から通信教育なんて無理だろうな。」

「参考書や講義データなら図書館で扱われるものなので召喚出来ますが、双方向性は得られませんから、どうしても限界があります。」

「難しいな。」

「最大の問題は、正規の師範学校では無いため、教員資格が無い無資格教員になることです。」

「また資格か。これまで、このダンジョンを成長させるときも資格でいろいろ問題があったな。」

「グリーンランドのヴァイキング入植地が崩壊したのは、航路の途絶で教皇に任命された司教が派遣できず、司教がいなければ神父も養成できず、神父がいないと結婚式が出来ず、挙げ句社会が維持出来なくなったためです。教育は冠婚葬祭ほど即座に致命的な問題にはなりませんが、教員資格の問題は早く何か代替案を用意すべきでしょう。」

「冠婚葬祭だと即座に致命的になるのか。」

「なります。特にこの世界を含め近代以前の社会では宗教無しでは社会秩序が維持出来なくなります。例えばこの世界では住民登録は寺が管理しています。寺の場合、出家するのは誰でも出来ますが、住職となるには修行して認められる必要があります。一方、僧侶では無く医者の場合『資格』はありませんから、誰でも医者を名乗ることは可能です。もちろん、師匠から免許を受けた医者は権威がある訳ですし、逆に藪医者では見捨てられますが。つまり、僧侶は社会そのものに必須となっています。」


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