第二話 年取った?
すいません。赤子の体舐めてました。めっちゃきついです。すぐにへばるし筋肉もないから、寝返りさえ打てない。くぅ、地道に頑張るしかないのか!
グダグダでも意外と何とかなることが分かった。数カ月もすれば寝返りはできるようになったし、筋力もついてきたからハイハイもできる。たまにこそこそとやってくるメイドさんの隠密技術はすごいのでそれも真似して書庫に行って本を読んだりしている。くだらないことに技術を使うメイドさんたちの真似をしたら結構見つからない。もちろん父と母にも。
そういえば最近体の中に生温かいものを感じた。メイドさんの謎技術で書庫に入って本を読んだんだがこの世界には魔法と魔力があるらしい。魔力を体内で操作しどんな元素を出すかもしくは空気中に漂う魔力の素、魔素を操って物体を作り出すかのどっちかになるっぽい。
まあ、もうすでに魔力と思われるものは動かせるけど。ん?自慢かって?ああ自慢だ!
……すいませんこのひとり芝居も悲しくなってきたので誰か相手になってくれませんか?
「こら!また勝手に書庫に入って、こういうところだけdwspvに似ないでくださいよ。」
この人は俺の家のメイド長であるミレイさん。両親とは友人みたいな関係らしい。自分の父の名はいまだに聞き取れん。ちなみにたまに侵入してくるメイドさんの隠密技術はミレイさんの直伝らしい。そんなこと教えなくていいでしょ、という思考が俺の中で荒波を越えて津波になって押し寄せる。異世界事情は複雑らしい。
「ルーb帰ったぞ!寂しかったか?寂しかったよな!」
決めつけんなって。低評価つけるぞ。
「ふっふっふ。フェラルド大陸の人魔連合国の王である私が直々に遊んでやろう。」
俺は手で✕を作り、気配を消して調理場に向かって這いき始めた。
「ルーちゃん!たっだいまー!寂しかったー?」
首を横に振ると父と違い母はきちんと…..
「寂しかったの!ごめんね~!」
反応しない。父と母は同類っぽい。俗にいう親バカ。反応するのはメイド長だけであることを俺は知っている。と思いたい。
今日も賢者モードを使いながら食事。もう慣れてきたけど慣れてきたことに悲しみを感じます。
調理場に行けば魔法と思われるものを使って料理してる人がいる。それを見ながら魔力を操作してみると結構うまくいく。手本って大事だね。でもこの世界の料理、野菜が少ない。そもそもこの世界に来てから数カ月野菜というものを見たことがない。今度の買い物尾けよう。
ところで皆さんが感じる世界で一番難しい言語は何でしょう。僕が思うには異世界語です!
…そうマジでムズイ。発音がきつい。というわけでしゃべるのはあきらめました。書庫にある本のおかげで読むことには困らんけど。
「ルーb置いてかないでくれ!父さん泣いちゃうぞ?」
「ルーちゃんどうしたの?お母さんが嫌いになっちゃったの?」
お、父母だ。一応あやまっとこ。頭を下げること自体が難しいけどな。
「旦那様、奥様。準備が整いました。」
あ、ミレイさんだ。準備って何だろう。調理場はめっちゃ忙しそうだったけどなんか関係あるんだろうな。そういえばもう一年近くたったよね?
☆5頼んます。赤子編次話で終わりです。




