流れ星
《落とし物した雪だるま》に続く 冬の童話祭り参加作品です♪
流れ星が走り出す
今宵の夜空は賑やかに
漆黒の闇が二人を照らす
今宵の夜空よ賑やかに
流れ星よ起こしておくれ
闇に隠れる神々を
星座に例えし神々を
闇夜に怯える二人の魂
魔夜に凍える二人の魂
救っておくれ煌めきよ
目覚めを伝えて流れ星
今宵の夜空よ踊っておくれ
流れ星が紡ぎ出す
星の祭りを始めておくれ
流れ星
流れ星
貴女の合図で始めておくれ
「お母さん、その歌は誰に教えてもらったの?」
「お母さんのおばあちゃん♪つまり貴女の曾おばあちゃんよ」
息を呑む位に星々達が夜空を照す…
今日という日は特別な日ではないのだ。
しかしこの親子にとってはとても大切な記憶の1ページになっていた。
既に人類の歴史が終わりを告げて数ヶ月…
荒廃した大地に残されたこの親子の様に、
今宵…
天を仰ぎ、様々な想いを巡らせる者達が一体何人いるのだろう?
それでも星の歴史はまだ続く…
人成る者が滅びても…
星の歴史は続くのだ。
すれ違う多くの流れ星はそう告げている様だった……