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ただの落書き

作者: ひろゆき

 片想い。好きと想いを伝えるのは簡単? それとも難しい?

 好きです。

 黒板の隅に書いた白い文字を指で擦った。

 靄がかかったみたいに言葉が残る。

 微かに残る私の想い。


 誰もいない放課後。誰も座っていない席を眺めた。

 あなたは気づいてくれますか?

 教室の一番前の席。そこからなら、この想い、見えますか? 

 ずっと好きだった彼に気づいてほしい。

 私の文字だって。

 みんなと喋っている横顔。こっちを向いて笑ってよ。


 気づいて……。

 気づかないで……。


 ぼんやり残った私の想い。指で強く擦ってみた。

 消えた言葉。消えない想い。


 弱虫。

 分かっているんだよ。でも、簡単じゃないんだ。声に出すのが。

 どうして勇気が出ないんだろう。好きなのに……。

 どうして……?


 チョークを持ってみた。


 好きです。

 黒板の隅に書いた。

 彼の名前、私の名前はどこに書くの?

 このままじゃ、ただの落書きになっちゃうよ。いいの? それで?


 書けないままチョークを静かに置いた。

 

 好きです。

 黒板の隅に書いた白い文字を指で擦った。

 靄がかかったみたいに言葉が残る。

 微かに残る私の想い。

 

 それで伝わるの?

 バカだよね、私……。

 勇気が必要なのは分かっていても、なかなか一歩踏み出すことは難しい。勇気を出すつもりでいても……。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ピュアな恋心が描かれているところが良かったです。
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