74.スノーマン
「〜ふふん、ゆきだるま〜大きな〜ゆきだるま〜!」
私はご機嫌るんるんで大きな雪だるまを作っています!
かまくらを作った後にも雪が降り積もり、また我が家の庭には雪が沢山あるのです。
ごろごろと雪玉を転がして、大きな大きな雪玉をかまくらこと、雪の家の横に置いた。
雪だるまの胴体はこれで良し!次は雪玉を作るよ!
「るる〜ゆきをころがして〜ゆきだるまは雪玉2つ〜スノーマンは雪玉3つ〜だから3つ作るよ〜るるる〜!」
雪だるまを作ろうと思っていたけど、海外のスノーマンは3つだなと思い、こんなに雪が沢山あるならスノーマンを作ったらいいんじゃない?と思いつき、嬉しくて楽しくて即興の歌を口ずさみながら雪玉を作っていく。
雪玉を転がして、大きな雪玉を作って行く。ごろごろと転がして、雪の家まで転がした。
…
…
……しまった…
…2つ目から大きすぎた…
「リマ、大丈夫か…?」
笑いを堪えるラルクとふふっと笑うハルトが居た。
「……大きかったみたい?」
大きなスノーマンを作りたくてはしゃぎ過ぎました…。
ハルトがおいでおいでと手招きするので向かうと、ラルクが私の頭をぽんっと撫でる。
「さっきのリマ可愛かったよ?」
くすりと笑うと、私とハルトを残して雪玉の前に立った。
…さっき…
……まさか、あの即興の歌を聞かれてた?!
ふふっとハルトが笑い、くしゃくしゃくしゃと私の頭を撫でる。頭がぼさぼさになるよっ!
「 浮 遊 」
ラルクの手が透明な黄色に光ると、持ち上げられなかった雪玉が胴体の雪玉の上に浮き上がり、ゆっくり降りた。
「すごい!ありがとう!」
ラルクに駆け寄り、お礼を言うと、どういたしましてと頭をぽんぽんと撫でられた。
「 浮 遊 」
ハルトの手が透明な黄色に光ると、いつの間に作ったのか、先程より少し小さな雪玉が2つの雪玉の上に浮き上がり、ゆっくり降りた。
「スノーマンなら3つ必要だろう?」
ハルトが満足そうに頷く。
…ハルトもラルクも即興の歌を聞いていたね。
「…どこから聞いていたの?」
「うん?ゆきだるまの辺りから?」
「……。」
…恥ずかしくて穴に埋めて欲しい。
「うん?雪の中に入るつもりか?寒いぞ?」
ハルトが突っ込みを入れて来る。…まあいっか!
「2人ともありがとう!」
大きなスノーマンにシルクハットを被せ、真っ赤なマフラーを巻く。黒いまん丸の目、人参の鼻、小豆の豆で口を作り、枝を刺して緑の手袋をはめる。
「できた!」
大きなスノーマンはとっても可愛く出来た!
私たちのかまくらこと、雪の家の横に立つスノーマンはお家へようこそと呼んでいるみたい…!
「リマ、次はなにを作る?」
「魔法を使う物でもいいの?」
「もちろんいいよ。」
魔法を使えるならぜひ作りたい物があるよ!
「ソリ遊びしたい!!」
「ああ、楽しそうだな!ラルク!」
「はい、兄上。」
ハルトとラルクは2人でエディンリーフの庭を指差しながら打ち合わせを始める。
「リマ、待っててね?」
「うん!楽しみにしてる!」
ラルクは私の頭をぽんっと撫でるとハルトと庭の奥に向かう。
「 集 合 」
ハルトの手がシトリンのような透明な黄色に光ると、我が家の庭の雪が集まり大きな雪山のように移動を始めた。
「 圧 力 」
ラルクの手が透明な黄色に光ると、移動を終えた雪山に空気の圧力がかかったみたいに押し潰されて行く。
「 建 築 」
ハルトの手が再び透明な黄色に光ると、押し潰された雪山がソリ滑り出来る様な傾斜を付けていく。
「よし、いいだろう!」
ハルトが満足そうに頷く。
「2人共すごい!ソリ持って来るね?」
子供の頃に行ったスキー場にあるソリ遊び場みたいな長い距離のソリ滑りが出来ている!
これは楽しそう!
「私達も一緒に行くよ。」
ふふっとハルトが笑い、3人でエディンリーフ家へ向かい、ソリを借り、戻って来た。
「私から行くよ!」
ハルトがソリに乗って、滑って行く。
スピードが出て楽しそう!
「リマ、一緒に滑ろう?」
「うん!」
私はラルクの前に座り、ソリ遊びを始める。
「行くよ?」
「うん!」
ソリはスピードを上げて、どんどん滑る。
雪と風が頬に当たり冷たくて、気持ちいい!
あっという間に滑り終わる。
「楽しかったね!」
「もう1回やろう!」
「うん!」
ハルトは2回目を終えて、またソリを持ち、上に戻るところだった。
私達は何度も何度も繰り返しソリを滑った。
ハルトとラルクが競争したり、私も1人で滑ったり、3人で競争したら私だけ遅くて2人に笑われたりして、3人で遊ぶのはとても楽しかった!
「沢山、遊んだね?」
「楽しかった!」
「私も楽しかった!」
3人でソリ滑りを楽しみ、雪の家に戻って来た。
わいわい出来る食べ物がいいなと思い、『チーズフォンデュ』を用意してある。
「こうやって熱々のチーズに絡めて食べるの!」
私は串に刺したパンをチーズフォンデュの鍋に入れて、トロトロのチーズを絡めて口に運ぶ。
熱くてとろとろのチーズとパン、美味しい…!
ラルクは私と同じパン、ハルトはウィンナーの串をチーズフォンデュの鍋に入れ、口に運ぶ。
「おお!これは美味しいな!」
「うん、リマ美味しい。」
ソリ滑りで沢山遊んだ私達はどんどんチーズフォンデュを食べた。
途中でチーズフォンデュが冷えて来たので、マリィに温め直して貰おうと思ったら…
「 小 ・ 炎」
ハルトの手がルビーのように赤く光り鍋を包み、温め直してくれた…!
「魔法ってすごいね!」
「私達に魔法を強請るのはリマくらいだぞ?」
ふふっとハルトに笑われた。
…たしかにお願いもしたけど、今は絶対ハルトが食べるの中断したくなかったからだよね…?食いしん坊めっ!
その後もハルトとラルクは沢山食べた。
人参やブロッコリーなどの野菜も食べていたが、パンとウィンナーが2人共好きだった。
「沢山食べた!」
ごろんとハルトが横になった。
「兄上…?」
「ふふっ、ラルク、ここは私達の秘密の家だ。ラルクもこの前寝ていたし、いいだろう?」
ハルト、なんでラルクが寝ていたの知っているんだろう?
「ここは3人の秘密の家だね!」
秘密基地みたいだと思っていたけど、ハルトもそう思ってくれていたのは嬉しいな。
「そうだね?」
ラルクも私の頭をぽんぽんと撫でるとごろんと横になった。
……2人共、寝てる?!
この前、ラルクも魔法を使って疲れたみたいだし、2人共疲れたのかも!
2人を起こさない様にふわふわのブランケットを掛け、マリィにチーズフォンデュを片付けて貰い、刺繍セットを受け取った。
デイジーの籠バックに刺繍セットを入れてあり、家の中でも持ち運びして、暇を見つけてはちくちくと針を刺している。
ラルクにどんな刺繍がいい?と聞いたら、リスがいいなと言われた。リスはどんぐりを食べて頬袋がぱんぱんになったのがいいと言われ、今は頬袋が膨らむリスをちくちくと刺繍している。
…ちくちく
…ちくちく
…ちく…ちく
…ちく………
…やっぱり眠たい…
…ふわふわと遊びに来た眠気に誘われて、私も刺繍セットを終い、ふわふわのブランケットにくるまって眠りに落ちた…
私たちの秘密の家はとても暖かい…
本日も読んで頂き、ありがとうございました!
寝落ちしていました。
変な時間に投稿しています。
本日もお疲れ様でした。
そしておはようございます。















