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小春の小庭〜転生先でも樹木医を目指します〜  作者: 楠結衣
10歳のはじまり

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69.流行りの装飾店



専門店街を歩くと書物のお店や蜂蜜専門店、それに苗や種のお店があり、吸い寄せられるようにお店に向かおうとすると、ぎゅっとラルクに手を握られ、また今度ね?と頭をよしよしと撫でられる。

まだ明るいとは言え、秋夕映えの時刻が近づいている為、私達は目的のお店へ向かう。



そのお店は専門店街の端っこにあり、カーテンが閉められ、扉に閉店中と出ていた……



「…フレッド」


ハルトがラルクを手招きして呼び寄せ、小声で会話をしている。

ラルクが困った様な嬉しそうな顔が見える。


「ニーナ」


ハルトが私の事を手招きするので2人の元へ行くと、くしゃくしゃと頭を撫でられる。

もう!頭がくしゃくしゃになるよ!と思ってハルトを見上げると


「今日はとても楽しかった。私は用事があるからここで失礼するよ。あとはフレッドに選んで貰うといい。」


ふふっと笑うハルトに意味が分からず小首を傾げると再びくしゃくしゃと頭を撫でられるとパシッとラルクがハルトの手を払う。


「ジャンさん、約束が違いますよ?」


ラルクが怒ったようにハルトを睨むと、細かな男は嫌われるよ?とハルトが面白そうに言い、ラルクの頭をぽんと撫でた。

いつの間にか来ていたエディンリーフ店の馬車にハルトはさっと乗り込み帰ってしまった。



…ハルト…?




「ニーナ行こう?」

ラルクに手を繋がれると閉まっている扉に向かって行き、カイルが閉まっている扉に手をかけ、そのまま開けた…!


あれ?閉店中じゃないの…?


ラルクに促されるように中に入るとカイルが扉を閉める。


「兄上が貸切にしてくれていたよ。リマにこの前のお礼だと言っていたよ。」

「この前のお礼……?」



ハルトに何かしたかな…と小首を傾げる。



「レモンスカッシュと蜂蜜レモンのお礼だと思うよ?……あれは兄上のお気に入りだからね」



はぁ…と溜息を溢すラルクは珍しくて、何でも格好良く出来るラルクが、ハルトの前だと幼い弟扱いされているのが少し可愛らしいと思い、そっと手を伸ばして柔らかくて気持ち良い髪の毛を撫でる。


「リマ?」

「……ラルクかわいい……」


 小さな声で呟いて見上げると、ラルクの瞳が見開き……片手で顔を覆う。しばらくして、ふっと息を吐いた後、黄金色の瞳が少し細められ見つめられる…



ラルクを撫でた手はラルクに捕まり、手の甲に口付けを落される。




「折角、兄上が貸切にしてくれたからね。……ゆっくり見ようね?」




再び手の甲に口付けを落とし、上目遣いになった甘い蜂蜜の様な黄金色の瞳から目が離せないまま、こくんと頷く。



「うふふ。仲がよろしいんですね?」



銀髪の綺麗なお姉さんに話し掛けられ、店内だった事を思い出した……



「ハルトフレート様より伺っております。店主のアミーです。こちらは妹のミカルです。」



アミーさんとミカルさんの姉妹がデザインと販売を手掛ける流行りの〈アミーミカル装飾店〉。

落ち着いた雰囲気の店内の1階は髪留めやネックレスやイヤリングなどが置いてあり、2階は応接室と作業場があるらしい。



アミーさんが2階の応接室で髪留めを選びますか?と提案してくれたが、折角お店に来たから店内を回って見たいと言うと、ラルクによしよしと頭を撫でられ、「いいよ」と賛成してくれた。

アミーさんにもゆっくり見て下さいねと微笑まれたのでラルクと見て回る事にする。


丁寧に飾ってある髪留めは全て1点物らしく繊細でとても可愛い。



「この棚が新商品なんですよ。」



アミーさんが教えてくれた棚を見ると…雪の結晶をモチーフにした髪留めやネックレス、指輪などが並んで置いてあった。

指輪はビー玉の中に雪の結晶が閉じ込められていて、この棚だけ冬が来たみたいだった。



「すごいかわいい…!」



雪の結晶を繋げた様な小さな髪留めが目に留まる。



「気に入ったの?」

「うん。でもどれも可愛いから他も見てみたい。」

「リマかわいい。」



くすっと笑うと頭をまたよしよしと撫でられる。

…アミーさんにうふふと笑われる。アミーさんにばっちり見られていると思うと恥ずかしい……



星を混ぜ込んだような髪留めや小さなガラス玉を散りばめた髪留め、大きな宝石を素敵にカットした髪留め等…可愛さの余り溜息をつきながら店内を見てまわった。



…!



驚いてラルクの洋服を掴む。



「幸運のどんぐりだね?」

「うん!」



ピンクゴールドで葉っぱやどんぐりの縁取りを作り、キラキラ輝く葉っぱや小さなリスが幸運のどんぐりを持っている髪留めだった。

幸運のどんぐりは宝石の様に蜂蜜色に輝いていて、繊細でとても可愛らしい…。



「かわいい……」



「……思い出すね?」



ラルクが耳元にそっと声を落とす……



真っ赤になって頷く…





「リマかわいい。」


アミーさんに見えないようにおでこに口付けを落された……。

本日も読んで頂き、ありがとうございました。


ちょっと体調が悪くて更新が遅くなりました。

もう少しで良くなりそうなので…お待ち頂けると嬉しいです◎


今日は暑いですが、頑張って行きましょう!

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ヘッダ
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