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63.甘やかな秋



 ハルトが完全に見えなくなると、ラルクが綺麗な笑顔を見せて私に顔を寄せる。



「兄上の前で寝ちゃだめだよ?」

「……ごめんなさい。焚き火が暖かくて気持ち良くて……つい……?」

「リマの寝顔を他の人に見せないで?」



 寝顔……!

 口を開けたり、変な顔で寝ていたらどうしよう…?



「かわいいから見せたくないんだよ。」



 くすりと笑い、ちゅっとおでこに口づけを落される。ハルトがエディンリーフの庭に来る様になってから甘やかさが増した気がする。

 2人きりになると恋人繋ぎや口づけ落とされるので落ち着かない。でも離れると寂しくて困ってしまう。



「……くしゅん」



 マリィが焚き火を消し、片付けにエディンリーフ家に戻っている。焚き火を消したのに暑さを和らげる敷物の上に座っているから体が少し冷えたみたい。



「ここにおいで」

「………」

「風邪ひいちゃうよ?」

「……でも……」

「リーマ? おいで?」



 ラルクに優しく呼ばれると魔法にかかったみたいに言われる様にしてしまう……こくんと頷くと、ラルクの足の間に収まる。

 向き合うのは恥ずかしくて、ラルクに背を向けて座ると、後ろからぎゅっと抱きしめられる。ラルクに抱きしめられると、ラルクの香りにも包まれているみたい……! もう寒さは感じなくて、ラルクの体温と急激に上がった自分の体温で暑いくらいだよ……!


 ラルクは夏の間にまた背が伸びた……? 座ると私の肩に、頭を乗せている状態になっている。



「リマかわいい」



 耳元で囁くと、脳に直接声が響くみたいで……ぶわっと耳に熱が集まる!



「ラルク……耳に話しかけないで……?」



 少し首を傾けて、ラルクの口元と距離を置こうとすると「なんで?」と口を近づけて、耳に直接声を落とす……! びくりと体が反応して、「や……!」と耳に手をあてると、ラルクの手が私の手を掴んで、耳から外す……!



「リーマ? なんでだめなの……?」



 いつもより低めの声を耳元で囁かれ……すっごく恥ずかしくて、耳も体も真っ赤なのが自分でも分かる!

 くるりと後ろを向いてラルクを睨むと、すごく楽しそうにくすくす笑っていた。



「いじわる……!」



 絶対くすぐったくしてる私を見て、楽しんでた!

 べーと舌を出して抗議する。ラルクのばかばか! ラルクの胸元をばんばん叩いていたら、ぐいっと引き寄せられる。



「リマがかわいいから…ついね?」



 ラルクがくすりと笑い、ちゅっとおでこに口づけを落とす。恥ずかしくて、おでこに手を当てていると、ラルクが私の頭をよしよしと撫でた後、向日葵のバレッタをひと撫でした。



「もう秋だよね?」

「うん……向日葵バレッタはそろそろやめなさいって言われちゃった……」



 向日葵バレッタは、ラルクからの初めての贈り物……この数年、夏は毎日の様に付けていたから外すのは寂しいのだ……毎年この時期になるとしょんぼりしてしまう。



「気にしなくていいんだよ?」



 ラルクが向日葵の花を優しく撫でる。


「……ありがとう」



 やっぱり寂しいな……。



「リーマ、勝負をしよう? 勝った人の言うことをひとつ聞くこと。じゃあ始めるよ?」



「えっ?」



 ちゅ……と、おでこにラルクから口づけが落される。



「リマのおあいこは?」

「…え?」

「リマの負けになっちゃうよ? いいの?」



 ……ちょっと待って!

 おあいこ……何であの時に言ったの、私!



「いいの?」



 くすりとラルクが笑って聞いてくるので、ふるふると首を横に振る。捻って後ろを見ているのをやめ、正座をして座り直す。ラルクのおでこがぐっと近づいたので、両手を伸ばし、おでこにそっと手を添える。



 ……ちゅ



「……おあいこ……だよ?」

「うん。おあいこだね。」



ラルクが髪を梳くように撫でる。



…ちゅ

ラルクが頬っぺたに口づけを落とす。



……

……



「リマ、真っ赤だよ…?」




……

……

……




「…ラルク……」



ふるふると首を横に振る。これ以上は無理だとラルクに示す。顔だけじゃなくて、体全部が熱くておかしくなりそう…。



「リマ顔上げて?」



恥ずかしくてふるふると首を振ると…頭をラルクの肩に優しく迎えてくれる。


「大丈夫…?」


ふるふると首を横に振る。

今日のラルクいじわる……。

顔を肩に埋めたままラルクの洋服を握りしめるとラルクがぽんぽんと背中を撫でる様にたたく。


「ごめんね?」


少し落ち着いてきたので、こくんと頷く。

ゆっくりと顔を上げると…ぎゅっと抱きしめられた。



「ごめん…リマの顔かわいすぎる…。」



また顔に熱が集まる……。

ラルクの香りでくらくらするみたい…。



「僕の勝ちだね。約束覚えてる?」



耳元で声が落される…くすぐったくて堪らない…

体を捩って、ラルクを見る。



「……覚えてるよ…。」








「リマに、髪飾りを贈らせて?」



ラルクの黄金色の瞳が私を見つめて優しく言った。

本日も読んで頂き、ありがとうございました!


土日は更新をお休みする予定です。

すみません…57話の終わり辺りから書き直しする予定です。

なんか違うような…?と思いながら書き続けて来たのですが、どうしても納得が出来なくて。

月曜日までに書き直し終わればいいなと思っています。



ほのぼの生産系ときどき甘やかな話しを書きたいと思っているのに…ずれているなと思って………。


すみません。

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