60.甘やかなおあいこ
書き直しました!
大きく書き直すのはここまでの予定です。
残りは矛盾が出ないように調整するつもりです。
「アズーキはやはり美味しいな!」
ミルク金時を3杯ぺろりと食べたハルト様がご機嫌だ。
「リマ、私の嫁に来てもいいよ?」
「行きません!」
べーと舌を出してお断りする。
ハルト様、食いしん坊過ぎる!
「リマ、『レモンスカッシュ』と『蜂蜜レモン』はどうやって作るの?」
「魔法なのですぐ作れますよ。」
マリィに準備して貰った大きなガラス瓶に檸檬と 甘 水 晶 を入れる。
「おいしくなーれ。おいしくなーれ。」
……ぱあぁぁ…私の両手が淡くミントグリーン色に光り、その光がゆっくりガラス瓶を包み…
『レモンシロップ』が完成しました!
もう1つの大きな瓶に檸檬と蜂蜜を入れる。
「おいしくなーれ。おいしくなーれ。」
……ぱあぁぁ…私の両手が淡くミントグリーン色に光り、その光がゆっくりガラス瓶を包み…
『蜂蜜レモン』が完成しました!
「これで回復薬買わなくても沢山飲めますよ?重たいけど大丈夫ですか?」
…?
「ハルト様…?」
「…リマ、ありがとう。」
「リマ、やっぱり私の嫁に来てもいいよ?」
ふわっと爽やかでほろ苦いレモンタイムの香りがした……
「リマは兄上には嫁ぎません!」
後ろから抱きしめられる格好になった…!
「…えっ?ラルク…?」
「兄上は違う人を探して下さい。リマは兄上でも渡しません。」
いいよね?と耳元で話され、ぶわぁと顔に熱が集まる。こくこくと縦に首を振るとラルクがぎゅっと力を込めるのが分かった。
「ふふっ、ラルク早かったね?じゃあ私は帰るよ。リマ、ありがとう!また今度ね?」
ラルクに抱きしめられている私の頭をくしゃくしゃと撫で、ラルクがその手をパシッと払うとハルト様は大きな瓶を抱えて嬉しそうに帰って行った。
「リマ…会いたかった…。」
ラルクがぎゅっと抱きしめたまま私の耳元に声を落とす。
「忙しかったの…?」
ラルクと会うのはお城の庭で会って以来だから丁度1週間になる。
「ごめん…。あの時、リマをあんな風にしたから父上と母上に怒られてリマに会いに行くのを今日まで禁止されていたんだ……本当にごめん。」
「私が寝ちゃったからだよね…ごめんなさい。」
ふるふると首を横に振って謝る。
「…リマかわいい…」
くすりと笑うと、くるりと回され、ラルクの顔が見えるようになった。久しぶりのラルクに体温が上がるのが分かった。
「リマ、噂になっているよ?」
……?
ハルト様が食いしん坊な噂かな…?
よく分からず小首を傾げる。
「リマはリマのままでいいよ。」
くすりとラルクが笑うと黄金色の瞳から心配の色が消え、いつもの優しい瞳に戻った。
「リマが足りない。補給させて?」
爽やかでほろ苦いレモンタイムの香りに包まれる。
私もラルクの背中にそっと腕を回すとラルクも更にぎゅっと抱きしめる。ラルクの体温も近付いて…すごく安心する。
しばらくそのままでいた。
あったかくて落ち着く香り…。
「ラルク、お花ありがとう!私のお部屋に飾っているよ。」
ラルクを見上げて言うとおでこに口付けが落とされる。
「リマかわいい。」
◇ ◇ ◇
「ラルク…恥ずかしい………」
「リマが足りないからね?」
ラルクと檸檬の木の横に座り、お茶をしている。
リマが足りないと言うラルクはすごく甘やかで暑さを和らげる魔道具が全然効いていない…。
恋人繋ぎをして座り、反対の手を使い、あーんされて食べる。食べ終わるとかわいいとおでこに口付けを落とされる。ドキドキし過ぎて、味も良く分からない……。
「リマのおあいこはないの?」
「……。」
それは…あーんも口付けも……?
「花束のお礼がほしいな?」
……
「だめ?」
くすりとラルクが笑う。
甘やかなラルクの黄金色の瞳は色気立つ様で魔法にかけられた様に首を横に振る。
葡萄をひと粒摘み、おずおずラルクの口元に持って行くけど、ラルクは首を横に振る…
…
「ラルク…あーんして…?」
「よく出来ました。」
ラルクの色香立つ黄金色の瞳が私を見つめたまま、くすりと笑う。ラルクが口を開けてくれたので、葡萄を口の中に入れると今度は腕を掴まれる。
……そのまま固まる私の指を口に咥え、ぺろりと舐める。
「御馳走さま。」
「………」
「リマ、次のおあいこは?」
「……」
「リーマ?」
今日のラルクは甘やかでいじわるだ…
久しぶりに会うラルクの黄金色の瞳が色香立つので目が離せない…
誘われる様にラルクに近づき、立て膝になる…ラルクのダークチョコレートのような茶色のさらさらの髪をそっと避ける。
…ちゅ
ラルクのおでこに口付けをした。
「………おあいこ…?」
「リマかわいい。」
ラルクに抱きしめられ、頬に口付けされる。
「リーマ?おあいこは?」
「…私のまけでいい!」
首を横にふるふる振る。
もうおあいこは無理そうです!















