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小春の小庭〜転生先でも樹木医を目指します〜  作者: 楠結衣
10歳のはじまり

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58/136

58.試飲会

書き直しました◎


エディンリーフ店に到着すると既に沢山の招待客の方達が集まってくれていた。

カイルにエスコートされ、リマ印回復薬(ポーション)売り場まで歩くとお母さんに手招きされる。


「商業ギルド長のキャンベル・アーリー様よ。」


「リマニーナ・エディンリーフです。本日はお越し下さり、ありがとうございます。」


優雅に見えるように挨拶をする。

この挨拶はリマ印回復薬(ポーション)の発売が決まってからマリィに特訓され、マリィとお母さんに合格を貰っている。


「ピオーネからも聞いているよ。この後、回復薬(ポーション)の試飲会があると聞いて楽しみにしているよ。」


ふぉふぉと笑う貫禄のあるお腹と口髭のあるギルド長と挨拶を終える。

その後は副ギルド長のピオーネさんと挨拶を交わすと今日の装いは大人っぽくて素敵だねとバチっとウィンクされた。相変わらず軽い感じだった…。


その後もお母さんに付いて回り、色々な人と挨拶を交わす。

今回はエディンリーフの関係者を中心にして招待している。更にカイルに今回の招待客がどんな人物でどんな繋がりがあるかを教えて貰っていたので、エディンリーフ家の娘として、とんちんかんな回答はしていないと思う。


それにしても優雅な挨拶って大変だ……。

ヒール靴も低いとはいえ普段履かないから疲れて来たが、全ての人が私のリマ印回復薬(ポーション)に集まってくれていると思うと有り難くて、少しでも完璧な挨拶になるように心を込めた。


ひと通り挨拶を終え、リマ印回復薬(ポーション)のカントリー調の木製棚の前で気付かれないようにふぅと息を吐き、視線を木製棚に移す。


3種類(・・・)回復薬(ポーション)が並んでいる。


アズーキの金時と一緒に作った『レモンシロップ』を炭酸水で割ると美味しいよ!とカイルに伝えたら体力回復薬(マハト・ポーション)になってるぞと言われ、急いで商品化する事になったのだ。



〈レモンスカッシュ〉

上級 体力回復薬(マハト・ポーション)

【効果】

体力(マハト)を8割程度回復することが出来る。

きゅんと甘酸っぱい初恋の味がする。




効果は…なんで……?と思ったけど…。


レモンスカッシュは体力回復薬(マハト・ポーション)なので薄い水色の瓶。ほんのり水玉模様の下地に檸檬の実と小さな白い花のラベルが貼ってある。

お母さんの描く絵は、ふんわりした水彩画で本当に愛らしいと思う。


ひとつずつ手描きなの?とカイルに聞いたら複製する魔道具を使うと教えてくれた。

魔道具ってコピーも出来て便利だね!




お店がざわつき始めた…?

ざわつきが大きな方へ目を向けると…



「ハルト様!」



………何でエディンリーフ店にいるの?



「リマの回復薬(ポーション)販売のお祝いに来たよ。」


騒ついた店内も笑顔のハルト様が歩き始めると静かになった。それを気にする様子もなく、ハルト様は優雅に歩き、私の前で止まった。



「リマ、おめでとう。」



ハルト様が手に持っていたミニ向日葵の花束を渡してくれた。

ミニ向日葵を中心にカモミール、かすみ草、ユーカリをざっくりと束ねた愛らしい花束だった。


「ありがとうございます。」

カモミールの甘い香りがふわりとした。



「ラルクからだよ?」


ハルト様が少しだけ近付き、小声で教えてくれた。

…顔に熱が一気に集まるのが分かった…。


ハルト様に再びお礼を言うと、どういたしまして?と柔らかな笑顔で言われる。



「今日、ラルクは来られないんだ。これからは私もラルクと一緒にリマに会いに行くよ。覚えておいて?」



我が家のお庭にハルト様が一緒に来るってこと…?

ラルクと顔を合わせるのが恥ずかしいからいいような2人になれなくて残念なような……?



「ふふっ。リマはくるくる表情が変わるから面白いね。」


ハルト様がくしゃくしゃと頭を撫でた。

折角カイルが大人っぽく整えてくれたのに!

ちょっとどういうつもりですか?と睨みを利かせると口元を手で隠して笑いを堪える!


みなさーん!ひどい王太子がここにいますよー!




「リマ印回復薬(ポーション)の試飲を始めます!」


カイルの声に招待されたお客様が動き始める。

回復薬(ポーション)の試飲は行わないのが一般的なのだが、お母さんが飲んだら高くても絶対買うわよ!と断言し、今回の試飲会が決まったのだ。


3種類の蓋を開けた(・・・・・)回復薬(ポーション)の瓶がずらっと並ぶ。


蓋を開けた回復薬(ポーション)は日持ちしない。招待客はエディンリーフ家に関係ある方ばかりだから勝手に持ち帰ったりはしないと思うが、念の為だそうだ。


カイルが回復薬(ポーション)の乗ったトレイを持って私達のところへ来てくれる。


……王太子を差し置いて飲めないよね!




「ハルト様、これが1番新しい体力回復薬(マハト・ポーション)のレモンスカッシュ味です。」

美味しいですよ!と笑顔で勧めるとハルト様が手に取り、ごくごくっと飲み干した。



「…っ?!…これは美味しいな!!」



ハルト様が驚き、続けて『蜂蜜レモン』と『ジンジャーエール』を飲み干した。


その様子を見た他の招待客も回復薬(ポーション)を飲み始めると次々と驚きの声が上がるのが聞こえた!

評判は上々そう…!



「リマの回復薬(ポーション)の効果は、面白い物が多いな。」

ハルト様が回復薬(ポーション)鑑定を見ながらふふっと笑うが、私もそう思っていますよ…。




「ねえリマ、私にはどれがお勧め?」


「え?うーん…?ハルト様なら〈蜂蜜レモン〉ですかね?」

確かハルト様は魔法適性が多くて魔力が高いって聞いたもんね?


「リマのお勧めの〈蜂蜜レモン〉と〈レモンスカッシュ〉を頂いていくよ。」


「ありがとうございます!」

ハルト様、2つも買ってくれるなんていい人!

キラキラ残念王子様って思ってごめんなさい!



「リマ、また今度ね。」




ハルト様がリマ印回復薬(ポーション)の初売上に貢献してくれて、帰って行った。

本日も読んで頂き、ありがとうございました!


ちょっと忙しくて毎日更新が難しくなりそうです。

出来るだけマメに更新したいと思います。

応援のブックマーク、評価いつもありがとうございます!

本当に励まされています◎



今日も一日頑張っていきましょう!

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ヘッダ
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ヘッダ
 

― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いです。ほのぼの読めるのも良い。可愛いです。 [気になる点] 試飲会。のお話。レモンスカッシュの説明部分。マジーポーションってなってますがマハトポーションでは?ふりがな?の部分なので誤…
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