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小春の小庭〜転生先でも樹木医を目指します〜  作者: 楠結衣
10歳のはじまり

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52.エディンリーフ店

こんにちは。

誤字脱字報告、本当に有難いです。

いつもありがとうございます◎



「さあ着いたわよ」



 お母さんと商業ギルドを出て、馬車に乗ったと思ったらあっという間にエディンリーフ店に到着した。商業ギルドとエディンリーフ店は目と鼻の先だったらしい。



「奥様、リマお嬢様、お待ちしておりました」



 夏休みを終えたカイルが、好青年の猫を被り、出迎えてくれた。ムズムズする……!



「カイル、リマを案内してあげて?私はヘリオスに話しがあるから後で行くわね」

「畏まりました」



 猫被りカイルは、お母さんを見送ると、ぽいっと猫かぶりを投げ捨てたらしい……?



リマお嬢様(つるぺた)が急遽明日王宮へ遊びに行くので、なにかやらかしそうだと思い、夏休みを早めに切り上げました」

「え? 私、なにもしないよ……?」



 相変わらず口が悪いなと思いつつ、何もやらかしたことないよね? と小首を傾げる私を見て、「はぁ……」とカイルが盛大にため息をついた。



「とりあえず回復薬(ポーション)売り場に案内するぞ」



 そう言うと投げ捨てた筈の猫を再び被り直し、カイルが華麗にエスコートをしてくれる。切り替えの早さ……流石です!



「わあ! すごいね! 」



 エディンリーフ店は商業ギルドと同じ赤煉瓦造りの2階建てだ。1階は、主に防具を販売しており、2階がお母さんの作るティエラアクセサリー、これも防具の一種だと聞いた……と魔王スプレーことミントスプレーを販売している。

 私のリマ印回復薬(ポーション)は、2階のミントスプレーの近くで販売する事に決まっている。


 木製の棚は白く塗装され、可愛い模様も入っている。カントリー調にまとめられた空間に、お母さんの描いた柔らかな水彩の絵がとっても合っている。

 棚には、蜂蜜レモン回復薬(ポーション)とジンジャーエール回復薬(ポーション)の2種類が並んで置いてあり、小さな瓶が並ぶ姿はとってもかわいい。



 あれ? ププリュ回復薬(ポーション)が置いていない……? 販売延期はさっき決まった筈なのに……?



「ププリュ回復薬(ポーション)は最初から仮登録の間は売らない予定だったんだ。」



 エスパーカイルに、何も言う前に返事をされる。くつくつ笑うカイルに「リマお嬢様は分かりやすいですからね」 と言われてしまった。むぅ……カイルこそ猫かぶりが取れて来てますよーだ!



「リマお嬢様は回復薬(ポーション)作りの才能がありますね」



 カイルが回復薬(ポーション)の鑑定書を見ながら素直に褒めてくれる。嬉しいかも! 効果の載った鑑定書は、回復薬(ポーション)を選びやすくするために、回復薬(ポーション)の近くに置いてあるのだ。お父さんとお母さんがこちらに歩いて来た。



「リマ、どうかしら?」

「うん!とっても素敵だね。ありがとう」

「リマ、ピオーネに変なことされなかったか? あいつは昔から女に軽いところがあって……俺の可愛いリマに変なことしたら許さん」


 お、お父さん……? 最後、話しが変わってるような……? 相変わらず親バカだね?



「大丈夫だよ。ピオーネさんはきちんと質問に答えてくれたよ?」


 ならいいやとお父さんが頷く。



「明日はリマが王宮に行くから明後日、リマ印回復薬(ポーション)を売り出そうと考えているんだ。いいかい?」

「いいよ!」

「それではリマお嬢様、明日の準備をしますので戻りましょう」



 あまり来れないエディンリーフ店をゆっくり見てみたかったのにな……と思いつつカイルに急かされて馬車に乗り込む。

 パタンと馬車の扉が閉まり、カイルが「王子様に会うのに、心配なことがあるのか?」と心配そうに聞いて来た……心配というか、口付けのことをずっと誰にも相談出来ていない……ラルクがどんなつもりだったか分からないままで、少しだけ、もやもやしている……。でも会えばいつも優しくて、甘さもあって……でも、あれから口付けをするような雰囲気にはならないんだよね?



「まあ話したくないならいいぞ?つるぺたはつるぺたなりに悩むといいぞ」

「つるぺたは余計だよ! 変態カイル!」



 にやりと笑ったカイルが、犬を撫でるみたいにわしゃわしゃと頭を撫でて来た。



「もうっ! ぼさぼさだよ……!」



 髪のぼさぼさを直すように撫で、カイルに文句を言うと、くっくっと捨て犬みたいだなと言いながらササッと綺麗な編み込みに直していく。



「少し元気になったみたいだな?困った時は、俺でもマリィでも誰でもいいから相談しろよ」



 カイルが編み込みをする手を止めないまま、後ろから優しい声が掛かった。「……えっ?」と振り向こうとすると、ガシッと頭を掴まれて、編み込みが崩れるから前を向いてろと言われる。



「………カイル、ありがとう。」

「マリィが心配してたぞ。お礼はマリィに言え」

「うん。マリィにも言う。」



 カイルの手の動きが止まった。編み込みを終えたようだ。



「着いたみたいだな。よし、行くぞ。」



馬車の外を見ると一軒のお店の前に到着していた。

本日も読んで頂き、ありがとうございました!


カイルが出て来ても話しが進まないのですが、つるぺた言ってるカイルが好きなのでお付き合い頂ければなと思います。

そしてつるぺた言うカイルが好きな方がいたらとっても嬉しいです◎


今日も一日頑張って行きましょう!

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