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小春の小庭〜転生先でも樹木医を目指します〜  作者: 楠結衣
10歳のはじまり

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51.商業ギルド

今晩は。

はじめての商業ギルドです。




 あれから数年が経ち、私は10歳になった——



「さあリマ! 商業ギルドに行くわよ!」



 お母さんのテンションが朝から高いです!

 エディンリーフ店としては、特例を認めて貰い、6歳からリマ印回復薬(ポーション)を売り出す予定だったのだけど、国王陛下との謁見で、市場への影響が大き過ぎると判断され、10歳まで待つように言われたのだ。魔法封じのペンダントも付けたままだ。仕組みはよく分からないけど、10歳になったら「大きくなーれ魔法」と「美味しくなーれ魔法」は使えるようになっていた……!


 本当は魔法学校を卒業しないと、商業ギルドに正式登録は出来ないから、今回の対応はすごくおまけして貰っているらしい……! どうやら魔王スプレーの功績を認められたお陰らしい……? お母さんはこうなる事を予想していたみたいだし、いいのかな……?



 ラルクに6歳の誕生日の後、エディンリーフの庭でく、く、口づけ……されそうになったことはね……思い出すと……今でも、ぷしゅー……と熱が出そうになるので、思い出さないようにしています。

 ラルクは涼しい顔をしているから……からかったのかな……?



 そうそう、はじめてのおつかいで買った回復薬(ポーション)をこの前ようやく味見しました……!


 お母さんに「美味しくないからね」と何度も何度も念押しされて、私の作る物より少し大きな瓶の中級回復薬(ポーション)の蓋を開けて、恐る恐る、こくんとひと口飲んだの…………



「…………」



 美味しくなかった……いや、飲めない事はないよ……? 良薬口に苦しって言うからね……何の味に似ているのかな……? 青汁に酸味が加わったと言うか……魔法移転と同じで、2回目を遠慮したいものだった。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 今日の目的地、『商業ギルド』は王都の大通りの目立つ場所にある赤煉瓦造りの3階建だった。

  お母さんに付いて入り口をくぐり抜け、受付のお姉さんがお母さんを見るとサッと立ち上がる。



「ティエラ様、お待ちしておりました。案内致します」



 受付のお姉さんに2階の応接室へ案内されると、男の人が待っていた。


「ティエラ様、お待ちしておりました。ご令嬢のリマニーナ様ですね。私、副ギルド長のピオーネ・ジェットと申します」

「初めまして。リマニーナ・エディンリーフと申します。本日はどうぞよろしくお願いします」



 商業ギルドの副ギルド長……?

 そんな偉い人が私の登録に来てくれるの……?



「……ピオーネ、そんな堅苦しい挨拶はいいわよ? リマが驚いてるわ」



 お母さんがくすくす笑いながら、「ピオーネは、お母さんの魔法学校の同級生なのよ」と言い、「リマはここに署名してね」とピオーネさんが差し出してくれた羊皮紙の1番下の署名欄を指差して教えてくれる。



「私は仮登録なの?」



 私の質問にピオーネさんが教えてくれた。

 商業ギルドに正式に登録出来るのは、魔法学校を卒業する17歳だけど、家業を手伝う場合のみ6歳から仮登録をする事が出来る。

 仮登録は、商人が家業を手伝わせるために編み出した抜け道のようなものだけどねとピオーネさんにバチっとウィンクされた。



……ピオーネさん、ちょっと軽い人っぽい。



 前にお母さんが説明してくれた6歳の登録が仮登録なんだね。なるほど。仮登録で上級以上の回復薬(ポーション)を売るのは……10歳でも有りなのかな? と感じつつ、国王陛下自ら認めてくれたから大丈夫だね……と思い直す。


 ピオーネさんとお母さんにありがとうと言い、仮登録羊皮紙の署名欄に《リマニーナ・エディンリーフ》と書き込んだ。ピオーネさんが羊皮紙を受け取り、「大丈夫だね」と頷き、受付のお姉さんに渡すと、受付のお姉さんが一礼して応接室から出て行った。ピオーネさんが「仮登録の手続きが終わるまで少し待っていて欲しい」と言うと、ひと呼吸置き、真面目な顔になった。



「ティエラ、このププリュの回復薬(ポーション)2種類は……しばらく販売を自粛して貰えないだろうか?」

「やっぱり貴方が待っていたからその話しだと思っていたわ。ププリュ回復薬(ポーション)を売り出すのは、17歳の正式登録の後にすればいいかしら?」

「ああ……助かるよ! 市場が混乱するだろうからな。正直、上級回復薬(ポーション)だけでも影響がありそうだな……。王宮からの合意がなければ、上級回復薬(ポーション)も商業ギルドとしては、販売を認められたかどうか…………? 魔王スプレー(ミントスプレー)もリマニーナ嬢の作成だと言うしね?」



 なんかピオーネさんが一気に老けた……? もしかして商業ギルドも魔王様に振り回されたのかな?

 やっぱり上級回復薬(ポーション)も10歳が作るような物ではなかったみたい……! ププリュ回復薬(ポーション)は17歳までお蔵入り決定しました……! 

 応接室に先程の受付のお姉さんが戻って来た。



「これがギルドカードと規約の書いてある用紙ね。ギルドカードは紛失すると再発行の手続きが必要だから気をつけてね」



 ピオーネさんがまたバチっとウィンクして来た!

 老けてるより軽い方がいいね。うん。



 キラキラする商業ギルドカード(仮)を受け取りました!



 ピオーネさんと受付のお姉さんに見送られ、商業ギルドを後にする。思っていたよりあっさり終わって拍子抜けしたけど、無事に終わって良かったな。



「次はエディンリーフ店に行くわよ!」



 お母さんが笑顔で宣言する。

 リマ印回復薬(ポーション)の販売までもう少しです!

本日も読んで頂き、ありがとうございました!


商業ギルド…難しかったです。


今日も一日お疲れ様でした◎

安らぎの夜が訪れますように。お休みなさい。

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ヘッダ
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ヘッダ
 

― 新着の感想 ―
[気になる点] 特例を認めて貰い6歳から~とありますが、32では家業の手伝いをする場合は6歳から登録することが出来るとあり、手伝いをする場合は誰でも6歳から登録できると読めるので、それは特例と言えるの…
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