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小春の小庭〜転生先でも樹木医を目指します〜  作者: 楠結衣
6歳のはじまり

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46.魔法移転

こんにちは。

今日も暑いですね。


ブックマーク数が300を超えました◎

本当に嬉しいです。

ありがとうございます!


「リマいらっしゃい。」

お母さんに呼ばれて恐る恐るその中に入る。


驚いたことに魔法移転をする専用の部屋があったらしい。

別荘の1番奥にある小さな部屋は別荘の中で唯一カーペットが敷かれておらず、アッシュフォード黒大理石みたいな床だ。


お父さんが部屋の中心に立つとぱぁと金色に魔法陣が淡く光立つ。

お父さんの次にお母さん、マリィと続き、お母さんに呼ばれた私が魔法陣の中に入った。


「カイル、後のことを頼んだぞ。」

「畏まりました、旦那様、奥様。」

カイルは他に頼まれているようで一緒に魔法移転はしない。


「リマお嬢様、お気をつけて。」

カイルが『お前、国王陛下に失礼なことするなよ!」と副音声が聞こえるが、私も心配しているので、ありがとう…と神妙に頷くと、くっくっと笑い、きっと大丈夫ですよと言われた。


「リマ、初めてだと魔法酔いするかもしれないからおいで。」

魔法酔い…?

なんだろう?車酔いみたいな感じ…かな?

しゃがんでいるお父さんに抱きつくようにしがみ付く。


「じゃあ行くよ。」

お父さんは左手で私を抱き締め、右手を魔法陣に置いた。

魔法陣の光がぱあぁと更に眩しく金色に輝き、光の柱がどんどん上に伸びていき、私の頭の上を金色の柱が越えていく…


「王都、エディンリーフの屋敷!」


お父さんが告げると、金色の柱が一気に天井まで伸び、目を開けていられない程の光を放ち、目をぎゅっと硬く閉じる。

何処かへ堕ちる感覚と目を閉じているのにぐにゃりと視界が歪む……お父さんに抱きついていた腕にぎゅううと力を込め、顔を肩に埋めるとお父さんもぎゅっと力を込めて抱き締め返してくれる…


「リマ、着いたよ。」


お父さんがぽんぽんと頭を撫でてくれて終わった事に気付いた。

時間にしたら数十秒だったと思うが、どこに向かうか分からないぐるぐる回るジェットコースターに乗った気分だった………


「…き・も・ち・わ・る・い……。」


お父さんにそのまま抱っこされてエディンリーフの我が家に戻って来た。

マリィが『ププリュサイダー』を飲ませてくれた。

吐き気や気持ち悪さがすぅーっと引いて行った……。


「私、もう魔法移転したくない……。」


心の底から今後の魔法移転を遠慮したい気分だった。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「お化粧もするの?」


「6歳になりましたからね。」


マリィがうふふと微笑んで私の小さな唇に薄く紅をさす。

軽く唇を合わせて下さいねと言われたので、んっと唇を合わせ、ぱっと離すとお上手ですと微笑んで褒めてくれる。


「…ありがとう…」

小春(前世)もお化粧はしていたが、口紅は大人過ぎる気がして色付きグロスを塗る程度だったので、口紅を塗ってもらうのはとても恥ずかしく感じる…。


もう1つ今までと違うのはヒール靴を用意されたこと。

今まではバレエシューズのようなぺったんこの靴を履いていたが、ほんの少しヒールのある靴だ。

バラ色の光沢があるヒール靴に転ばないようにストラップがついていて、ストラップの留め金は小さなリボンをあしらってある。


お団子で上にまとめた髪に小さな真珠がいくつか連なった髪飾りをつけ、桃色の裾の広がったワンピース、バラ色のローヒール靴を履いた格好だ。

子供のピアノの発表会みたいな格好だなぁと鏡の前で思っていると、


「リマ、支度は出来た?」

「うん!」

お父さんが呼びに来たので、似合うかな?とくるりと回って見せる。

ワンピースの裾がふわりと広がって戻る。


「とっても似合ってるぞ!ティエラに似てリマは美人だな!」

お父さんが目尻を下げて褒め、抱き上げられる。抱っこされて馬車に乗り、お父さんの膝の上に乗ってラシャドル王国のお城に向かう。




馬車はお城に着くと、正門を通り抜け、しばらく走ると大きな噴水のある入り口で止まった。

制服を着た騎士らしい人が出迎えてくれた。

こんにちはと挨拶するとこんにちはと笑顔で答えてくれたので少し気が楽になった。


マリィは今回招待されていないので待合室で待つ為ここで別れた。


その後、私たち3人を案内役がくねくねと廊下を歩いて案内してくれるが全然着かない……

窓から見える庭がとても綺麗で見てみたいなぁとか、迷子になったら帰れないだろうなと思っている内に、大きな木の扉の前に到着した。


お父さんが昨日貰っていた手紙を扉の前にいた騎士に見せると騎士は頷き、大きな扉を開けた。




「ヘリオスローン・エディンリーフ。ティエラ・エディンリーフ夫人。並びにご令嬢、リマニーナ様がご到着されました!」


お父さんが先に中に入り、私はお母さんと一緒に中に進む。

馬車の中で陛下から顔を上げていいですよと言われるまでは顔を下にしておくのよと言われたので、自分のローヒール靴のリボンを見ながら進んだ。


お父さんが止まり、お母さんと私は少し下がったところに並んで止まる。

そのままお辞儀をして待っていると



「楽にせよ。顔を上げよ。」


初めて聞く、ラシャドル王国の国王陛下の低くて渋い声が響いた。

本日も読んで頂き、ありがとうございました!


話しの進みが遅くてすみません。

明日は久しぶりのあの人が出てくる予定です◎


今日も一日頑張って行きましょう!

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