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小春の小庭〜転生先でも樹木医を目指します〜  作者: 楠結衣
6歳のはじまり

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44.魔法学校



「リマ、魔法測定の結果が戻って来たよ。開けてみなさい」


お父さんがスッと光沢のある黒い箱を目の前に差し出してくれた。

ドキドキするね…私の魔法適性ってなんだろう?ラルクと同じ魔法学校に行けるかな……?


もう一度、深呼吸をして目の前の蓋を開ける。

私の名前が上に書いてある羊皮紙とペンダントが入っていたので中から取り出した。


《リマニーナ・エディンリーフ殿


【入学通知書】

下記の学校への入学を許可致します。


《ラシャドル第1魔法学校》へ入学して下さい。


【魔法測定結果】


貴殿の魔法測定の結果になります。


【水魔法】……下級魔法 適性

【風魔法】……下級魔法 適性

【火魔法】……下級魔法 適性

【土魔法】……上級魔法 適性


【魔力量】……上級魔法 適性


以上の測定結果になります。

入学式当日、必ず入学通知書を持参して下さい。


測定結果に不服がある場合は再度、魔法測定を受ける事が可能です。


ラシャドル王国 第1魔法学校 第2魔法学校》



第1魔法学校と第2魔法学校があるの?

上級魔法適性があるとラルクとリックと同じ魔法学校だったよね……合ってるのかな?



「…っこほん。リ、リマ、別に下級魔法だからって気を落とすことないんだぞ?土魔法の上級適性はすごく珍しいんだぞ?それにもう一度、測定してもいいんだよ?」


お父さんがオロオロ心配したように話し掛けて来たので、慌てて首を振る。

「第1魔法学校と第2魔法学校ってなに?あとこのペンダントは何なの?」と聞くと安心したように教えてくれた。


第1魔法学校が上級魔法適性がある学校で、第2魔法学校は中級魔法適性までの学校らしい。

王都は名前が似てるので、第1魔法学校は『魔法学校』、第2魔法学校は『第2学校』と呼ばれる事が多いのだと教えてくれた。


カイルがミンツェ村などの他の地域は第2魔法学校がその地域の学校になり、『ミンツェ(土地の名前)学校』と呼ばれると補足で教えてくれた。



ペンダントは、魔法封じのペンダントと呼ばれる物で、上級魔法適正がある子供が魔法を暴走させるのを防ぐために魔法学校に入学するまで着用することを義務づけているらしい。


……あれ?これを付けると魔法が使えないってこと?……あ!だからリックが魔法を使えたことを過去形で話していたのかな?



「そうなんだ!じゃあラルクと同じ魔法学校に入れるってことだよね?よかった!」


そんなに適性は無かったけど、小春(前世)は魔法使えなかったから魔法が使えるだけでワクワクしちゃうよ!


「…あ、ああ。リマ、ペンダントを身に付けておいて」

「わかった」



ペンダントを付けると、ほわんとペンダントについている石が淡く光り、消えていった。

お父さんがふぅっと安堵のため息を吐くのを見ながら箱の中に封筒が入っているのを見つけた。


何だろうと思い手に取るとヘリオスローン・エディンリーフ殿と書いてあるので、お父さん宛てだなと思って渡した。

お父さんってヘリオスローンが正しい名前だったんだと初めて知りました…ごめんね。


「リマありがとう。なんだ?……」

裏の差出人を見た途端、眉間の皺が深くなった。

難しい顔のまま手紙を開封し、読み終わるとふぅとため息をついて、お母さんに手紙を渡した。


「お父さん、なにかあったの…?」


「リマ、明日城に行くことになった。」


「ええ?!」

何だか急展開だよね?!


お母さんが手紙を読み終え説明をしてくれた。

ラシャドル王国の国王陛下が会いたいと明日招待を受けた事。

今いるエディンリーフ家の別荘だと間に合わないから特別に明日の朝に別荘から我が家に魔法移転を許可してくれるという事。


「まったく、あいつはいつも強引なんだからな。」

「まあいいじゃないの。私は久し振りにリリーに会うの楽しみだわ。」


お父さんは国王相手に文句を言うし、お母さんも友達に会うみたいに楽しそうだし…不思議だ。


「リマも久しぶりにラルクに会えるわね?ちゃんと手紙のお礼を言うのよ。」


「うん?」

魔法学校の入学説明会みたいなものかな?


お父さんが、まだ休みなのに…甘水晶…行く予定だったのに…聞き取れないくらいでブツブツ言いながら返事を書いて、黒い箱でお城に了承の返事を送った。


「ふあぁぁ…」

全部終わったのを見たらものすごく眠たくなって来た…何でだろう?早起きしたからかなぁ?


「リマは少し寝るといいわ。魔力の動きは慣れないと疲れるのよ。カイル?」


自分で歩けるよ?と立ち上がったらふらりとしたので、カイルに大人しく抱っこされてベッドまで連れて行って貰った。

これも飲んでおけと『ププリュサイダー』を渡されこくこくと飲む。やっぱり美味しいねと言うとはいはいと寝かされる。

肌触りのいいタオルケットをお腹に掛けて貰い、目を閉じるとトントンと寝かしつけをされる…もう!そんなに子供じゃないよ!と言おうと思ったのに、あっという間に眠りに落ちていた。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「よく寝た!」

気持ち良く目覚めたら日が暮れようとする暮れ合いの頃だった。

ベッドから下りてもふらふらしないし気分爽快だった。

マリィが髪の毛の乱れを整えてくれてリビングに向かう。


「リマ、もう気分はいいの?」

「うん!すっかり良くなったよ。お腹空いちゃった!」

「ふふ。そうねお昼ご飯食べないで寝ていたものね。」


誕生日のお祝いパーティーの始まりです!


私の好きな物を沢山用意して待っていてくれた。

ふわふわパンのサンドイッチは卵とレタスを挟んだものやチーズとハムとトマトの物。

野菜の味が濃いキュウリやレタスと蒸し鶏のサラダ。

チーズの盛り合わせもあるが、山羊のチーズに胡桃と蜂蜜をたっぷりかけた物が多めに用意してある。

あとは沢山の夏の果物!



「お腹いっぱい!」

みんなにお祝いして貰えて幸せな日だな。

お父さんお母さんにありがとうって言うとお父さんがちょっとウルウルしてる?

お父さん涙もろいんだね?


「リマ、これは誕生日の贈り物よ。」

お母さんがそう言うとお父さんが薔薇色の少し大きな箱を渡してくれた。

ワクワクして蓋を開けるとリクエストしていた植物(プランツェ)図鑑(ボタニーク)が2冊入っていた!


「ありがとう!!」

2人にぎゅうと抱き着くと、お父さんに頬っぺチューをされ、髭がチクチクするのでお父さんを押し戻し、頬っぺにチュとしてお父さんの腕からするりと抜けて、お母さんにチュっとして抱き着く。

お母さんっていい匂いがするんだよね。


絵がとっても綺麗な植物(プランツェ)図鑑(ボタニーク)だった。

内容が詳しくて分からない文字もありそうだな?と思っていたらカイルに読むなら勉強しないとな?とニヤニヤされながら言われた。


お庭で夏の夜空をみんなで見上げる。

星空がとても綺麗で吸い込まれるようだ。


「リマ、赤く光っているのが分かる?あれはスコルピオン(さそり座)の心臓だよ。1等星だからよく見えるだろう?」

お父さんがS字型に並んだのがスコルピオン(さそり座)だよと教えてくれる。


「お父さんって星に詳しいんだね!すごいね!」


その言葉がお父さんのスイッチを入れたらしく次々と星空講座が続いた。

8月のミラヒシュトラーセ(天の川)について教えてくれた辺りでうとうとして来た…。






「…星が綺麗ですね。」


「…月も綺麗ですよ。」


私が満点の星空に見守られ眠りに落ちる頃、かすかに聞こえた声だった…。

本日も読んで頂き、ありがとうございました!



感想を書いて頂きありがとうございます◎

とっても嬉しいです。


久しぶりに紙コップの自販機で購入しました。

コトンと紙コップが落ちて来て、ランプがカウントダウンするのを見守るのがわくわくしました。


今日も一日お疲れ様でした。

穏やかな夜が訪れますように。お休みなさい。

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