40.くまとうさぎとスペアミント
今晩は。
ギリギリ今日中に投稿かな?
いや、もう次の日かな?
今日と明日の境目がちょっと好きだったりします。
ブックマークが200を超えました◎
評価やブックマークをして下さるのが本当に嬉しくて有難いです。
「ご馳走さまでした!」
カイルとマリィのとっても美味しい朝ごはんとロートスの開花を満喫した私はるんるんとご機嫌になった。
あとは準備を整えて次の目的地に向かうんだ。
「リマお嬢様、昨日リックとスペアミントとアップルミントの見つけた物を試すお約束をしていませんでしたか?」
お仕事モードになったカイルが以前のような好青年風に丁寧に話し掛けて来るが、以前のようには聞こえず「お前、スペアミントとアップルミントのこと忘れてないよな?」という副音声で聞こえるから不思議なものだ。
ちょっと忘れていたのでドキンとしたけど、顔に出さないように気をつけてカイルに返事をする。
「はい。リックと試してみる約束をしていますが時間はありますか?」
「勿論御座います。ミンツェ村にとってミント開発はとても重要でございます。もう試す為の準備は整っている筈ですので参りましょう。」
お前絶対忘れてたなという冷たい視線を感じたが、一体いつの間に整えたのだろう?
「昨夜リックに確認済みですので夜のうちに手配は済ませております。」
と質問していないのに返事をされる。
……エスパー?
なんで分かるんだろう?
「リマお嬢様の顔に全て書いてございます。」
お前、分かり易すぎる!と副音声がハッキリ聞こえた…。
リックと顔合わせるの恥ずかしいなぁと少し思いながらカイルの優雅なエスコートでハッカさんのお屋敷に戻った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「くまさんがいい!」
私が話しているのはミントのラベルの絵柄。
やっぱりハッカさんを見ているとクマ以外にないと思うのです。
私のハッカさんへの視線を見逃さないカイルがくっくっと声を出さずに笑っている。
カイルは変態のスケベだけど優秀だった。
昨日リックと植えたスペアミントとアップルミントの鉢とは別のスペアミントとアップルミントを見つけて準備をしていた。
その後、お茶を試飲しペパーミントとスペアミントをエディンリーフ店、アップルミントをミンツェ村限定品として販売を決めた。
「どうして3種類いっしょに売らないの?」
3つあった方が選べていいのにと思い、お母さんに聞くと《ここでしか買えない》は売れるのよ!とギラギラしている目で言われた。
春の春の憂鬱が本格化するまで今爆発的に売れている『ミントの虫よけスプレー』に《ミンツェ産のミント使用》と載せて、ミンツェのミントをブランド化すると言っていた。
あとは夕焼けと夏はマジー・ロートスを売りに観光客を呼ぶらしい。
恋人は《愛の〇〇》が好きなのよ!と言い切っていた。
お父さんとお母さんとハッカさんはミンツェ村の観光地計画の話し合いに忙しそうだ。
「ねえ、リックはミントのラベルなにがいいと思う?」
昨日の恥ずかしさは残るが、知らなかったし仕方ないよね?とあっさり開き直った私はリックに話しかける。
「……うさぎ…とか?」
ちょっと耳が赤い?
リックの方がお年頃だもんね。
私は縁が無かったけど、小春として19歳だったからそれなりに知識はありますよ。
「うさぎかぁ!かわいいね。私もうさぎ好きだよ?」
うんうんと同意しつつリックを見上げる。
「はい。リマお嬢様はちょっと下がって下さいませ。」
カイルの冷気が…
恐る恐る見上げると『お前、むやみに男に近づくなって言ったよな?』と副音声が聞こえる。
おっとと、そうだった。
少しリックから離れるとカイルの冷気はなくなる。
カイルさん、分かりやすくて目安になります!
「ミンツェ村のアップルミントはうさぎでいいかもな。」
カイルは少し口調を崩してリックに同意していたが、リックの顔は何故か真っ赤になっていた。
なんでかな?
ペパーミントは爽快感が強いので熊の中で最も強いと言われる『シュタルク・ベーア』
スペアミントは穏やかなのが伝わるように蜂蜜が大好きな黄金色の『ホーニヒ・ベーア』
蜂蜜大好きで黄金色のくまさん…?!
ちょっと見てみたいなぁ。
アップルミントはうさぎさんに無事に決まった。
リックは真っ赤なままだけど大丈夫かな?
「ああそうだ、カイルを貴方の執事につけることにしたわ。」
お母さんからぽんっと爆弾を渡される。
「ええ?!」
変態スケベェのカイルが執事になるの?!
「おや?リマお嬢様はなにか私にご不満がありましたか?」
『おい、俺が面倒見るのに文句あるのか?』と副音声がする…。
「いや、そういう訳じゃないけど、マリィもいるし…カイルもミンツェ村やティエラブランドで忙しいでしょ?」
「ああ!ティエラブランドは担当を外れてもらうことにしたから大丈夫よ。マリィはそのままお願いするけどお休みがほとんど取れなくて大変でしょ?」
お母さんがぽんぽん理由を教えてくれる。
本当の理由…お父さんが男の執事を嫌がっていたけど、警戒心の無さすぎる私の様子を聞き、カイルを執事につける事が決まったと聞いたのはだいぶ後だ…。
「分かりましたか、リマお嬢様?」
『文句言うなよ?』と副音声が聞こえる。
「よろしくおねがいします…。」
満足気に微笑むとカイルと目があった。
うううう……。
「では参りましょう?リマお嬢様。」
次の目的地にカイルも一緒について行くみたいです。
ミンツェ村はこの後、『愛のミント村』と呼ばれるようになり観光客がたくさん訪れ、リマに似た『うさぎラベルのミント』がお土産として大人気になる。
春の憂鬱は劇的に改善するがそれは来年の春のはなし。
本日も読んで頂き、ありがとうございました!
ほうじ茶クリームパンを食べました。
ほんのりほうじ茶の香りがして美味しかったです。
ほうじ茶の商品って当たり率が高いなと思っています◎
安らぎの夜が訪れますように。
お休みなさい。















