36.新しいミント
こんにちは。
急に夏らしくなりましたね◎
その後もミントの商品化の話し合いは続いた。
ミントエキスと使い方の説明書を付ければ自分で使い方を選べるのでは?高級路線を狙って素材にこだわって作るのもいいのでは?妊婦さんや猫ちゃんには駄目ですよ。など思い付くままに意見を伝え、質問にも答えていく。
突然、腕を引っ張られてぐらりと体のバランスを崩すと近くにいたカイルさんが支えてくれた。
「リック、リマお嬢様に失礼だぞ。」
どうやらリック君が私を引っ張ったらしい。
何か用事だったかな?と思い、リック君に視線を向けて小首を傾げる。
「ミンツェ村を案内しようと思ったんだよ…。」
ばつの悪そうな顔でリック君がカイルさんに言うのを見てリック君は子供だからミントの話し合いに飽きたのだろうと思い納得する。
それに私もミントについて分かる事や思い付く商品について話し終わったのでこれ以上、出来ることはない。
「ミンツェ村、見てみたい!」
飛び切りの笑顔を作ってお母さんに視線を向けると仕方ないわねと言う表情で頷いてくれた。
「ありがとう!行ってくるね!行こう?」
ミンツェ村は自然豊かだから色々な植物を見る事が出来そう!と思うと嬉しくて笑顔が溢れる。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
リック君はミンツェ村の畑に連れて行ってくれた。
とうもろこし畑ではとうもろこしが自分の背丈より高くて小人になった気分でどんどん歩いた。
リック君は2人きりになっても特に話しかけてくる訳でもなく黙って歩くので私も景色を見ながら歩いていく。
とうもろこし畑を抜けて少し歩くとロートスの池があった。
「すごいね。朝見たらきれいだろうね!」
ロートスの花は朝に咲く。
蕾も薄い桃色なので朝に見に来たら一面の花でとても綺麗だと思うが、もうすぐ夕方なので蕾を見ながら思ったままを口にする。
「…怒らないのか?」
「……?何を怒るの…?」
ここまでで怒る所なんてあったかな?リック君の言う意味がよく分からず小首を傾げる。
「…俺、お前、いや、リマニーナおじょうさまを…」
「あ!リマでいいよ。お嬢様も要らない。」
「え?でも…」
「本当は大人の人に『様』や『お嬢様』って言われるのも苦手なの。でも…カイルさんやハッカさんは我が家で働いているから仕方ないってお父さんに言われてるの。でもリックさんは違うでしょ?だからリマでいいよ。」
躊躇うリック君に畳み掛けるように一気に話した。
「…じゃあ俺もリックでいい。リマ?」
「うん!リック、よろしくね!」
友達になれたみたいで凄く嬉しくなる。
「あ、それで何で怒ってると思ったの?」
「ああ、リマのこと引っ張ったからさ…それに畑とか連れ回したし、花は咲いてなかったから…。」
「ああ!よろけたのは私がぼんやりしてたからだよ。とうもろこし畑を歩くと小人になったみたいで楽しかったし、ロートスは朝に見れたらいいなって思っただけだよ。私は植物が好きだから色々見れて嬉しいよ!」
「そうか…。」
「うん!」
「リック、もう一度ミント畑を見たいんだけどいい?」
「いいぜ。行こう!」
ニカッと笑ったリックがミント畑に歩いて行くので付いて行くがリックの歩くのが速くて離される…リック…と呼び掛けると振り向いたリックがばつの悪そうな顔でごめんと謝り戻って来た。
「ほら!」と手を差し出されるので手を乗せるとグイっと引っ張って歩き始めた。
完全にお荷物になったまま、ぐいぐい引っ張って貰ってミント畑に到着した。
「…リックって歩くの早いんだね!」
「普通だから!リマの体力がないだけだ。」
「…そうかも…ね…。」
はぁはぁ息が上がっていてしばらく息が整うのを待った。
「あのさ、リックってミント苦手でしょう?」
「………ああ。」
またばつの悪そうな顔をするから責めたつもりはないのでブンブンと首を横にふる。
「あのね、ミントが苦手な人でも大丈夫なミントがあるんだ!試してみない?」
「……」
リックの顔が固まった。
好きじゃないのに試せって酷いこと言ってるもんね。でも好きじゃない人の反応が見たいんだよな…
「おねがい!だめ?」
リックにお祈りポーズを取ってお願いする。
「……まあいいけど…」
「ほんと?!やったー!ありがとうリック!」
リックの両手を掴んでブンブンと握手をするとパッと手を離される。
気が変わらない内にと思い、今度は私がリックを引っ張って目的地に連れて行く。
先程カイルさんがミント畑を案内してくれた時にミント畑の端にペパーミントじゃない種類のミントが生えているのを確認していた。
「スペアミントって言うの!」
本日も読んで頂き、ありがとうございました!
昨日スイカを食べました◎
この夏初めてのスイカ最高でした。
今日も一日頑張って行きましょう。















