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35.商品会議

こんばんは。

ひたすらミント商品を作って試します。


「まずはミントティーを飲んでみてください。」


私の声でまずお父さんがミントティーのカップを取ると他の人達もカップを受け取った。

甘さが足りない人は蜂蜜や入れると飲みやすいですよと告げ、私がコクリと一口飲んで見せるとみんなも恐る恐る口に運ぶ。


ミントの爽やかな香りが鼻に抜けていく。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



お試し会はハッカさんの屋敷を使わせて貰うことにした。

エディンリーフ家の人達とハッカさんの家族が揃っている。

ハッカさんとメアリーさんのご夫婦、ハッカさんの長男のジョージさんとリリーさん夫婦とその息子のリック君。2歳年上らしい。

そしてエディンリーフ店で働くハッカさんの次男のカイルさんだ。



メアリーさんに必要な物を揃えて貰い、料理番組のようにその場で作って試して貰うことにしたのだ。

折角なので花粉症に効果がある物以外も試して貰うことにした。


ミントティーを飲んだ感想を言い合う。


「爽やかね!」

「確かに鼻が通る感じがするな。」


蜂蜜を足すリック君や半分くらいでやめるジョージさんもいるが概ね好評だ。

ミントに限らずハーブティーはやっぱり癖があるから万人受けは難しいと思う。


「ミントティーは『春の憂鬱(ゆううつ)』にも効果がありますが、他にも胃の調子を整え、お通じを良くする、不安な気持ちを減らし、良く眠れるようになるという効果もあるんです。」



「次は歯磨き()を試してみましょう。」


全員に歯ブラシを持って集まって貰った。

この世界の歯磨き事情は小春(前世)の記憶を持つ私には厳しい。

ぜひ改善して欲しいと願っているのだ!


歯ブラシは存在するが、木の柄に豚や馬の毛の束を柄の裏側で結んでいる物だ。

歯磨き粉はなく、水や塩で磨いている。

今回は塩にミントエキスを混ぜた物を用意した。


私が再び見本を見せて使うとお父さんから順番に歯磨きを開始する。


「これはいいな!」

「口がさっぱりして気持ちいい!」


ミントの爽やかさは歯磨きと合うよね。

リック君はミントが苦手なようで直ぐに口をゆすいでいたけどね。


「次はミント湯です。今回は腕を入れるだけですが、お風呂の時に入れると夏はさっぱりします。」


お父さんがミントエキスを数滴垂らしたタライのお湯に腕を入れ、引き上げる。


「おお!風に当たると涼しく感じるな。」


みんなも次々と試しては涼しい!と驚いていた。



「次はミントエキスをお水に数滴入れたものです。これで口をゆすぐとさっぱりします。」


お父さんが見本を見せなくてもサッとコップを持つと豪快にうがいを始める。

女性陣はそっと口をゆすいでいく。


「これは鼻も喉もスッキリするな。」

「風邪の時やなりそうな時にいいわね。」


リック君、ごめん。

涙目になっているリック君に申し訳なく思いながら次の商品を説明する。


「これは楊枝の先にミントエキスを塗り、乾かしてあります。」


細い爪楊枝ではないがこの世界にも楊枝はある。

家で使うものは簡素な物が多いが、高級店へ行くと凝った形状の楊枝が出されるとお父さんから聞いていた。


「これは料理屋で使えるかもな!」

「食事の後にこの爽やかさはいいな。」


リック君と目が合ったので無理することはないと首を横に軽く振ったが、伝わらなかった様で楊枝も試して更に目に涙を溜めていた…。



「次はミント飴を作ります。」


砂糖と金属のトレーとミントエキスを用意する。

台所を借りようと思っていたが、お父さんが火の魔法で協力する!と言い張ったのでお願いすることにした。


(クライン)(ファイオー)


お父さんの片手がルビーのように赤く光り鍋を包む。

鍋の中に砂糖を入れ沸騰させる。

焦げないように注意してミントエキスを加えアルコールを飛ばし、金属トレーに流す。


少し冷めたらこの飴を練る…のだが、練ろうとしたらお父さんに止められたのでお父さんに任せた。

引っ張って捻ってを繰り返しミントエキスが飴に均等になるように空気を含むように練って貰った。


小さな丸にしてもらい完成した飴を食べてみる。


「ん〜出来立ての飴、おいしい!お父さんありがとう!」


「スゥーとして鼻の通りにいいな!」

「喉も楽になるわね。」


飴は甘みが強く、リック君も食べても大丈夫だったようで安心した。



「次はミントの口覆う布(マスク)です。」


「リマ、この口覆う布(マスク)ってこれで合っているの?」


お母さんが手に持ったのはただ布を四角に切った物だ。


「ううん。違うよ。本当はこういう四角の布にヒモが付いていて、そのヒモを耳にかけてずれたり落ちないようになっているの!」


「分かったわ。使い方を聞いて良さそうなら試作品を作ってあげる。」


「ありがとう!えっとね、『春の憂鬱(ゆううつ)』はこうやって鼻と口を隠していると楽になります。外より家の方が過ごしやすいですよね?」


治癒術師(お医者さん)に治してもらっているお父さんじゃなくてハッカさんに尋ねるとリリーさんが凄い勢いで首を縦に振った。


「リリーさんも『春の憂鬱(ゆううつ)』なんですか?」


「そうなんです…。回復薬(ポーション)は高いのでなかなか買えなくて…。」


ここにも花粉症で悩む人がいた。


口覆う布(マスク)をするだけでも楽になりますが、ミントスプレーを吹き付けると鼻も目もスゥーとして楽になるんです!怪しい人に見える恐れもあるので、家の中や夜の寝る間だけ使うのもいいと思っています。」


あと普通の風邪の時にすれば周りの人に移す可能性が低くなりますと付け加えた。


これはリリーさんが真っ先に試していた。

家の中で針仕事や内職をする際に作業が進まず困っていたから凄く良いと言ってくれた。


お母さんも風邪が周りの人に移らないのは良いわねと言い、マスクの試作品を作る約束をしてくれた。



ミントお試し会はこの後も続いた。

本日も読んで頂き、ありがとうございました。


ミントミントと書いていたら涼しい気持ちになりました◎

ハッカ油が大好きです。


今日もお疲れ様でした。

穏やかな夜が訪れますように。

おやすみなさい。

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