34.魔法契約
こんばんは。
昨日は更新出来なかったのに読みに来て下さる方、ブックマークや評価をして下さる方が居てとっても嬉しかったです◎
ありがとうございます。
クマさんみたいなハッカさんに見つめられるが、ミントについてどこまで話していいのか分からずお父さんとお母さんを再び見る。
「リマ、ミントで作る物は話して構わないよ。ハッカ村長の作る『ミント工房』はエディンリーフ家と魔法契約を交わしているからね。ミントの商品が増えることは歓迎するよ。」
お父さんが私の迷いに気付いて補足してくれる。
魔法契約は契約の中で最も拘束力が高く、違反をすると契約者に呪いがかかる物だ。
エディンリーフ家に不利益になる心配はないのならどんどんミントで商品化をして貰いたい。
「…ハッカさん、今回作ったミントエキスは『虫よけスプレー』の他にも使い道や効果があるのは知っていますか?」
「いや…虫よけだけだと思っていた。」
ハッカさんは少し考えて首を左右に動かしながら答えたので、私はミントの効能の説明を始める。
「ミントはすごいですよ!胃の調子を整える、口の臭い、風邪の予防、むし歯の痛みや頭痛、鼻水にも効きます。」
すごいですよね?とにっこり笑ってハッカさんを見ると目が見開いて止まっていた。
…あれ?
おかしいな?と思いカイルさんやお父さん、お母さんに視線を送ったが同じように止まっていた。
…あれ?
「……?」
お父さんとお母さんには色々使えるって言ってたよね?あれ?と首をひねる。
「…リマ、鼻水にも効くって言った?」
お父さんがゆっくり低めの声で尋ねるのでコクリと頷く。
…変なこと言った…かな…?
「それは『春の憂鬱』にも効く可能性があるという事?」
「…春のゆううつ?」
「リマは『春の憂鬱』にかかったことがなかったかな?春になると熱はないけれど、鼻水と目がかゆくなって春の間、長く続くんだよ。これを『春の憂鬱』と言うんだよ。」
…
……!!
花粉症?!
「効くよ!!」
花粉症に効くよ!と思った私は勢いよく答える。
「「えっ!!」」
質問したお父さんもハッカさんも驚いた顔をしていた。花粉症なのかな?
この世界も花粉症があり『春の憂鬱』という名前らしい。
そのまんまだなと思った私は悪くないと思うよ?
私は小春もリマも花粉症じゃないから辛さがよく分からないが家族や友達は大変そうにしていたもんな。
花粉症の薬がないならミントは救世主になれるかも。
「うん。効くよ!ミントの爽やかな香りは鼻のつまりを良くするし、ミントを飲むのも効果があるよ。」
完全に治すことは出来ないけど楽になると思うよ?と付け足す。
「……治癒術師に頼まなくていいのか…。」
「……回復薬を何本も使わなくていいのか…。」
お父さんとハッカさんの小さな呟きが耳に入る。
「……治癒術師や回復薬を使う人は多いの?」
「…治癒術師に頼めば春の間は平気だけど毎年頼むんだ。回復薬は効き目がなくなる度に飲むんじゃないかな?」
お父さんが答えるとハッカさんが最後の言葉を受けて続けて答えてくれる。
「ええ。その通りです。回復薬の質が良ければ効果は続きますが、それでも春の間に何回も飲んでいます。」
「そうなんだ…。じゃあ治癒術師も回復薬も使えない人は辛いまま生活しているってこと?」
2人の言葉を聞き質問をするとお父さんもハッカさんも頷いた。
…それはダメだね。
『春の憂鬱』に効くミント商品を作ろう。そうしよう。
「『春の憂鬱』に効きそうなのは、ミントティー、ミント飴、ミントの口覆い布の3つかな。」
「…リマ、詳しく説明して頂戴。」
あ…お母さんの目がギラギラし始めてるような。
コクリと頷く。
「ミントの中には殺菌する力がたくさんあるから飲むと体が強くなるの。鼻水も風邪にもいいよ。ドライミントを紅茶みたいに売ればいいと思うんだけど?」
なるほどと頷くお母さんを見て話しを続ける。
「ミント飴は、飴の中にミントエキスを混ぜるの。鼻や目がスッキリするし、なめている間は効果が続くはずだよ。」
「ミント口覆う布はね、ミントスプレーをした布を夜寝る時に鼻の近くに置いておくと朝起きた時に楽になっているんだよ。」
あれ?この世界にマスクってないのかな?マスクがなくても布で代用出来るからいいかな。
「リマ、早速試してみましょう!!」
お母さんのやる気が怖いような気がします…。
本日も読んで頂き、ありがとうございました!
佐野餃子を食べました。
すっごく大きくて驚きました◎
皮もモチモチで美味しかったです。
穏やかな夜が訪れますように。
おやすみなさい。















