23.乙女の悩み
おはようございます◎
シロップ漬け、美味しいので大好きです。
どうしてこうなった…?
私の目の前には3本の小瓶が並んでいる。
1本目は魔力回復薬のププリュのシロップウォーター。
2本目は体力回復薬のププリュサイダー。
3本目は…
話しは少し前に遡る。
ラルクに渡すププリュのシロップ漬けを小瓶に分けていた時にシロップ漬けは贈り物なのに商品になる物なんだなぁと思ったのだ。
ラルクとマタルさんには沢山お世話になったから未来の商品じゃなくて違う物を贈りたいと思い、炭酸水があるならやっぱりアレじゃない?と庭に足を運んだ。
植 物 図 鑑 を見ながらお庭の観察をしていた時に見つけていた植物を目指して歩いた。
あったあった!
葉が幾重にも巻かれ茎の様な太さになったものに濃い瑞々しい緑の楕円形の葉を互生した植物!
その名も『生姜』。
土付近の根元はほんのり赤く、葉っぱからも生姜独特の香りがする。
よいしょっとスコップで生姜を傷付けないように掘り出して行く。
マリィが代わろうとしてくれたけど、ラルクの御礼だから自分で掘りたいと言って掘らせて貰っている。
体が小さいから大変かなと思ったが、お母さんの魔道具スコップは力がなくてもサクサク掘れるようになっているスコップだった…!
ラルクと家族の分だから沢山は要らないよね?と言いつつ沢山生えているので10個程掘り出した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「マリィ、生姜を切ったり、火を使いたいんだけどいいかな?」
「一緒にでしたら宜しいですよ。」
「ありがとう!それでね…ラルクに渡すから出来るだけ自分でやりたいの…//いい…かしら?」
「うふふ。いいですよ。私の生活魔法は使わないように致しますね。」
マリィも生活に便利な魔法を沢山使っていてお世話になっているのだが、魔法を使うと時短をして楽をした気持ちがするので今回は自分でやらせてもらうことにしたのだ。
どんな砂糖があるか分からなかったのでマリィに幾つか持って来て貰い三温糖に近い物を選ぶ。
生姜の汚れを洗い、包丁で薄切りにする。
鍋に三温糖とお水を加え火にかける。三温糖が溶け、煮立ったら薄切りにした生姜とシナモンを加え再び煮立つのを待つ。
「おいしくなーれ!おいしくなーれ!」
…っ!無意識にいつもの癖で呟いていた!
……ぱあぁぁ…私の両手が淡くミントグリーン色に光り、その光がゆっくり鍋を包み…
…美味しそうな黄金色の生姜シロップが完成しました…!
「できちゃったみたい…。」
煮込む過程を省略した黄金色のトロリとした生姜シロップを炭酸水で混ぜてコクリと味見をする。
「ん〜〜!ジンジャーエール!!」
ちゃんと美味しく出来ていて安心した。
これならラルクも喜んでくれると思うと嬉しくなってマリィにも味見を進める。
「…っ!!美味しいです!ププリュサイダーとは違う美味しさですね…!」
マリィも美味しいって思ってくれているなら大丈夫と思っていたらお父さんとお母さんに連絡がされていて2人にも味見してもらうことになった…
あれ?このお約束のパターンは……!
「リマ!これは体力回復薬だね。」
あ…やっぱり…。
炭酸水で割ると体力回復薬になるんだね、きっと。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
そして今に至る。
私の目の前には3本の小瓶が並んでいる。
1本目は魔力回復薬のププリュのシロップウォーター。
2本目は体力回復薬のププリュサイダー。
3本目は体力回復薬のジンジャーエール。
…
…
「…マリィ、ラルクに渡すのと商品になるのが同じなのがイヤなの…。」
「困りましたね。リマ様がなにか作ると回復薬になってしまいますものね?」
「どうすればいい?」
「そうですね…味をほんの少し変えるとか香りを変えるのは如何でしょうか?」
「それはいいわね!!」
もう一度生姜シロップを作る。
三温糖とお水と薄切りにした生姜、シナモンまでは同じだけど最後に檸檬の絞り汁を入れる。
「おいしくなーれ。おいしくなーれ!」
今度は無意識じゃなくて心を込めて呟く。
……ぱあぁぁ…私の両手が淡くミントグリーン色に光り、その光がゆっくり鍋を包み…
今度は桃色の生姜シロップが完成した!
「できたー!ラルクにはピンク色のを渡す!」
…みんなに味見はさせないよ!
本日も読んで頂き、ありがとうございました!
『檸檬ケーキ』を食べました。
甘酸っぱい檸檬の輪切りが上に乗っている愛らしいお菓子でした。どっしりしてて食べたぞ!って気分になりました。
今日も一日頑張りましょう!