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小春の小庭〜転生先でも樹木医を目指します〜  作者: 楠結衣
5歳は異世界生活のはじまり

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21.ププリュの実

ラシャダル国の特産品出てきました!


変なボタンを押したら文書が消えてしまい泣きそうになりました…。


いち早くマタルさんが反応して答えてくれる。


「…氷砂糖…ああ、もしかして 甘 水 晶 (シュガリクリスタル)のことでしょうか?」

「…シュガリクリスタル…?」

「はい。砂糖が結晶になっているものです。」

「あ!そうです!それです!ありますか?」

こちらの世界では甘い水晶っていうんだ!確かに水晶に似ているかもね。


「もちろんございますよ!ラシャダル国の特産品でございますからね。 甘 水 晶 (シュガリクリスタル)の取れる洞窟は国中に沢山ございます。」


「…え!?どうくつで取れるんですか…?」


「リマはまだ見たことなかったかな?我が家の 甘 水 晶 (シュガリクリスタル)の洞窟も立派だよ。」

「わがやに甘水晶のどうくつがあるの?」

「うん。あるよ。だからリマが甘水晶をププリュに使いたいなら使っていいからね。」


「お父さん、ありがとう!」

お父さんに抱っこされたままだったので、お父さんにそのままギュッと抱きついてお礼を言う。


「どういたしまして。今度まとまった休みが取れたら 甘 水 晶 (シュガリクリスタル)の洞窟に遊びに行こうね。」

「うん!いってみたい!絶対ぜったい約束だよ!!」


(小春)が知っているのはサトウキビ、甜菜やサトウカエデ(メープル)の砂糖だから水晶みたいに出来る氷砂糖は是非とも見てみたいよ!


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


ラルクはこの後に外せない用事があり、マタルさんに促され帰っていった。

お礼にププリュの実を渡したらほんの数粒しか受け取って貰えず、「ププリュのシロップ漬けができたらもらってね!」と約束した。



—ププリュよーし

—甘水晶よーし

—ガラスの瓶よーし


「よーし!ププリュシロップ漬けつくるよ!」


まずププリュのヘタを取らなくちゃ。

数も多くて小さなププリュのヘタ取りは大変だけど作業中に漂うふんわり甘い香りのする時間も大好きなんだよね。


…なんで!?!?



「…ヘタがない!」



「リマ様、 収 獲 風 (エルンテ・ヴィント)で収穫した果物は汚れや不要な物は取り除かれます。とても繊細なので上級魔法士しか使えません。」


…マタルさん凄いよね。足を向けて眠れないよ。

ヘタがないなんて凄いよ!だってヘタ取りに1番時間がかかるんだよ。


ガラス瓶の中にププリュの実と甘水晶を交互に入れて、最後に甘水晶でフタをするように上に乗せていく。あっという間に出来た!

あとは甘水晶が完全に溶けるように毎日ガラス瓶をゆすればいい。


そして最後の仕上げ…


(小春)のおばあちゃんがやっていた様に…


蓋を閉めたガラス瓶を両手で持ち

心を込めて心を込めて……




「おいしくなあれ…おいしくなあれ…」




……っ!



ぱあぁぁ…私の両手が淡くミントグリーン色に光り、その光がゆっくりガラス瓶を包み込む…



「え…?」


ププリュの実のシロップが溶け出し、底にほんの少し溜まる…

ププリュの実が次々としわしわになり、甘水晶もどんどん小さくなる…

シロップが瓶の上まで上がり、甘水晶は全て消え、しわしわのププリュの実が透明な若菜色のシロップの上にプカプカ浮かんでいる…


…ププリュのシロップ漬けが一瞬で完成した…。




「…ええ?!」

「リマ様?!」


「なんで?!」


「リマ様、魔法をつかいましたか?」


「まほう?!?!」

私、魔法使いになったの?

いや、でもマタルさんみたいな格好いい呪文じゃなかったけど…。そこ気になるよね?


「せっかくできたし、味見してみない?」


魔法で時短されたププリュのシロップ漬けの瓶を軽くゆすりながらマリィに尋ねると「…そうですね。」と答えてくれたので、コップをふたつと水差しに冷たいお水を入れてきてもらう。


マリィがレードルを使いププリュのシロップ漬けをコップにすくい入れ、その上から水差しの冷水を注いでマドラーで混ぜ終わると私に差し出してくれた。



「…いただきます。」


梅にそっくりだけど初めてププリュのシロップ漬けにドキドキ胸が高鳴る…


…こくり…




「ん〜〜おいしい!!マリィも飲んでみて!」


予想以上に美味しくて驚いた!

ププリュの香りが鮮やかで味わい深い。

ププリュの実が美味しいのは勿論、甘水晶の甘さがスッキリして上品なことも素晴らしいのだろう。


マリィがコップをゆっくり口に運ぶ。

「…!これは…美味しいですね…!」


「ね!とってもおいしくできたよね!ラルクにあげたら喜んでもらえるかな?」


「リマ様、これは至急、旦那様と奥様にお知らせしましょう!」

…?なんでラルクの話しなのにお父さんとお母さん?


「え?お父さんとお母さんはさっきお仕事に戻ったばかりでしょう?もうすぐ夜ご飯だからその時に味見してもらえばいいんじゃないかしら?」


マリィの顔が真剣になり私を見つめる…


「…リマ様はお気付きではないですが、ププリュの実は生で食べる物なのです。更に酸味が強くて苦く、ひとつ食べ切ることは困難なのです。…それがこの様な美味しく飲む事が出来る様になるとは……。旦那様と奥様に至急お知らせ致します!」


…そういえば前にラルクがププリュを食べたけど酸味が凄くて食べることが出来なかったって言っていたなぁ。

本日も読んで頂き、ありがとうございました!

毎日、励みになっています◎


無性にグラタンが食べたくなり、熱々グラタンを夜ご飯に食べました。

熱々のび〜るチーズとトロトロのグラタンソース…最高ですね!


本日も頑張っていきましょう!

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ヘッダ
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