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19.魔力の泉

読んで下さりありがとうございます!

励みにしています。


「大切に飼うんだよ」


白猫を飼うことをあっさり許してくれたお父さんとお母さんはそのまま湧き水に急いで向かって行った。


いま、私の目の前にはふわふわになった白猫がいる。


白猫はシャム猫に似ているが体は白色で顔の中心、足先、耳、鍵しっぽは縞模様で薄茶色が出ている。肉球は薄桃色。瞳は印象的な晴天の空色。


「美人さんだったんだね!」

「名前はスゥちゃんってどうかな?…かわいいって意味なんだけど」


洗うだけでこんなに変わるのかぁ。

小春の時代に海外の言葉を猫の名前につけている友達がいて憧れていたのだ!


「にゃお!」

「スゥちゃんに決まりだね!」


少し痩せている背中をなでなでして、ふわふわな毛並みを楽しんでいると湧き水からお父さんとお母さんが戻って来た。


「リマ!あの湧き水は凄いぞ!上質な魔力がすごく溶け込んでいる…この白猫が連れていってくれたのかい?」

「うん!スゥっていうの!」

「みゃ」

「そうか!スゥは……!?『精霊のしっぽ』があるじゃないか!!スゥは我が家の幸運の使いかもしれないな。我が家へようこそ、心から歓迎するよ」」

「みゃお!」


「精霊のしっぽ…?」


「ああ、リマは初めて聞くかな?猫のしっぽが曲がっていることを『精霊のしっぽ』と呼んで精霊からの祝福がもらえる縁起のいい猫なんだよ。なぁスゥ?」

「そうよ、精霊のしっぽ猫を見かけたら魔力の泉を探せって言われてるのよ。魔力の泉の近くに精霊のしっぽ猫をよく見かけるから幸運の象徴と言われるの」

「そうなんだ」

「みゃーお!」


お父さんがスゥから魔力は感じないから精霊とは関係ないと思うけどねと付け加える。

小春の世界(前世)でも『鍵しっぽ』は幸運を引っ掛けると言われていたもんね!

この世界は『精霊』が大切にされているんだな。いいね、ファンタジーの世界っぽいね。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「わーーー!きれい!」


翌朝、スゥを抱っこして湧き水まで来てみると昨日なかった木苺畑が出来ていた!

昨夜お母さんから『魔力の泉』の影響で周辺の植物に変化が起こるかもと聞いていたけど…ここまでとは思っていなかった。


エメラルドブルーの泉を囲むようにくさ苺にかじ苺、なわしろいちご、ブラックベリー、くま苺、もみじ苺、デューベリー…沢山の木苺が茂り赤、朱色、オレンジ、濃紺、黒など様々な実が宝石みたいにキラキラしている。


「リマ!」

「みゃお!」

「ラルク!」

2人と1匹で同時に話しかけたのを見てラルクと笑いあう。


「昨日からうちの猫なの。スゥっていうの」

「スゥかぁ。かわいい名前だね。ラルクだよ。スゥよろしくね?」

「みゃお!」

喉をぐるぐる鳴らして挨拶をするスゥ。よしよしと頭とヒゲの生え際から耳を撫でてあげる。



「ラルク!木いちごつみをしよう?」

「ふふ。いいよ」


ラルクと私は夢中で木苺摘みを楽しんだ。

木苺の棘に気をつけて摘みたてをぱくっと食べると甘酸っぱさが口いっぱいに広がる!

あっちの木苺こっちの木苺、摘んでは食べて、甘酸っぱいのも甘いのも、酸っぱくて種がちょっと硬いのも

みんな美味しい。


「あ〜お腹いっぱい」

「色々な木いちごがあったね!僕もお腹いっぱいだよ」


マリィが泉の近くに敷物を用意してくれていたので少し行儀が悪いかな?と思ったけど、ごろりと横になった。すかさずスゥは私の横で丸くなる。

あー青空の下で気持ちいいなぁ。


「あ〜気持ちいい!」

「なんか気持ちよさそうだね?」


そう言うとラルクも私の横にごろりと横になってくれる。2人で寝転がり青空を眺める。幸せだなぁ。雲がゆっくり動いているのを見ていたらふわふわ眠気が…



………。。。




……ん?


「………リマ、起きて?」

すっかり眠っていたようでラルクに優しく肩を叩かれる。

「…ん……おはよう」

「うん。おはよう」

「みゃあ」


お昼寝から起きたらスゥがまたジョーロを咥える。

「ププリュに泉のお水あげるの?」

「みゃーお!」

ラルクに泉の水をププリュにあげたら木が光った話しをしたらすごく驚いていた。

また光るか分からないけど一緒にお水をあげにププリュの木に向かう。


お母さんが『魔力の泉』の水を調べたところ植物に悪い物は入っていないと分かり、ジョーロの魔道具を泉につけて替えてくれた。少しの距離だけど幼い子供に満タンのジョーロは重たいのだ。

お母さんも魔道具も凄いよ!


ププリュの根元にジョーロから魔力水をあげる。


…ぽわぁと透明なミントグリーン色に輝く…昨日より長く光が続いてすぅと光が消えていった…


「不思議な光だったね…」

「うん」


「みゃあみゃあ!」

「スゥどうしたの?」

「みゃあ」

スゥがジョーロを咥えてププリュの根元に首を擦り付ける。


「まだお水あげるの?多すぎると思うよ?」

「みゃおーん!」

「うーん…あんまりあげると根ぐされ起こしちゃうんだけどなぁ…」

スゥが必死なので再びジョーロで魔力水をかける。


「もういい?」

「みゃみゃみゃ!」


だ・め・だ!の副音声が聞こえた気がして魔力水を掛け続ける…


…ぱぁぁと透明なミントグリーン色に輝き、弾けるような眩しさの強い光を発した!!



「みゃあ!」


スゥの鳴き声で眩しくて閉じていた目を開くと、ププリュの木に白い花が一斉に咲いていた……!



最近、寝不足のため寝ます…。

おやすみなさい。


今日も読んで頂きありがとうございました!

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