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小春の小庭〜転生先でも樹木医を目指します〜  作者: 楠結衣
17歳は4年生のはじまり

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123/136

123.王子と愛し子の家

ラルク視点です



「リマ、お誕生日おめでとう」

「ありがとう」



 今日はリマの17歳の誕生日だ! リマの誕生日当日にお祝いが出来る様に、公務の前倒しや予定の調整を行い、丸一日空ける事が出来た……お陰でリマと会うのは、愛し子の家を見学して以来になってしまった。

 今日は2人きりでお祝いをして、リマをたっぷり甘やかすと決めている。



「おいで?」



 両手を広げると、はにかみながら腕の中に収まるリマがかわいい……久しぶりのリマの甘い花の匂いに、今日こそ理性が負けてしまうかもしれない……「ラルク……?」潤んだ目で見上げるリマが可愛くて、口付けを落とすと、真っ赤になりながら応えようとするリマが可愛くて仕方ない。


 いつもの様にソファで横抱きにして、啄ばむ様に口付けを落とす……「ちゅ……ちゅ……」甘い音を出しながら角度を変えて、口付けを落としていくと、リマがとろんと蕩けた顔になっていく様子が、堪らなくかわいい。

 本当はここからもっと甘やかしたいけど、今日はお祝いもしたいからね? 最後にもう一度、口付けをして離れる……「もっとして欲しい」とリマの顔に書いてあるのが、かわいくて思わず笑ってしまう。あとでたっぷり甘やかすよ……?



「明日、商業ギルドに契約に行くの?」

「……うん」

「看板は出来てるの?」

「うん……! 愛し子の家を契約したらいつでも取り付けてくれるって親方が言ってくれてるの」



 愛し子の家を内覧した後、リマが「小春の小庭フリューリンクガーデン」の看板を注文した。

 その時のリマが珍しく植物(プランツェ)以外の物に興奮していた。なんでも小春の世界(前世)で好きだった、魔女の女の子がパン屋さんに住みながら、箒で空を飛び配達をする話しに出てくる看板みたいだったらしい……魔女が箒で空を飛ぶ……? よく分からなかったけど、目をキラキラさせて話すリマが嬉しそうで可愛かった。



「リマにプレゼント。気に入ってもらえるといいんだけど……?」

「ありがとう!開けてもいい?」

「もちろん」



 花のような笑顔を見せるリマが、大きな箱のリボンを丁寧に丁寧に解いていく。その白い細い指も、蒸気した桃色の頬も、期待に潤んだ瞳も、いつまでも見ていたくなる。箱を開けたリマが、目を見開いて固まった……



「……素敵……」



 息をするのを忘れているのでは……? と心配したリマからため息の様に、漏れた言葉で、安堵した……この贈り物で大丈夫なのか悩んでいたからね? パン屋さんのご主人が魔女の女の子のために、リースパンの看板も作ってて、それもすごく可愛いと言われたので「小春の小庭フリューリンクガーデン」の大きな横窓に飾れる様に、リマの好きな花や葉っぱのリースの看板を贈ったのだ。



「ラルクありがとう……」

「どういたしまして」



 花の看板を胸に抱き込んだままのリマに口付けを落とすと、口付けの合間に「嬉しい……」「大好き……」「大事にするね……」と言葉を紡いで、気持ちを伝えてくるリマがかわいい。リマに応えるように、「僕も好きだよ」「リマかわいい」と口付けを落としながら伝えると、リマが蕩けた顔を見せてくれる。かわいいけど、少し物足りないかな……?


 リマが抱き締めている花の看板をテーブルに戻し、細い腰を引き寄せ、角度を変えて、何度も口付けを落とすと、「……ん……ん……」リマの口から愛らしい甘えた声が聞こえて来るのを合図に、その中へ僕の舌を入れる……「んん……ふぅ……」リマが僕の胸に縋り付く。その細い手の指に、僕の指を絡ませる。指も敏感なリマに絡ませた指を一本ずつ撫でて行くと、「……あ……やぁ……」と体を跳ねさせる。


 逃げる様にリマの指が離れ、僕の首に回される。僕から逃げた先が、僕にしがみつく様に近付くなんて……リマは本当にかわいい。可愛さに免じて、ちょっと休憩……かな?



 蕩けたリマの髪を梳き撫でながら愛し子の家の「魔法移転の間」の調査結果を話していく。リマが魔法移転の間に入ろうとした頃、別邸が光り、王宮魔導士が調査を行なった。魔法陣は別邸と愛し子の家を結ぶ物で、リマと僕しか使えないが、リマか僕が一緒であれば他の人も使える筈だと、王宮魔導士が言っていた……あれ……? リマの反応がないなと思い、覗いてみると、かわいい寝息を立てるリマがいた。

 


「寝顔もかわいい……」



 しばらく寝顔を見ながらリマのふわふわの髪を梳き撫でていたが、起きなさそうなので、ベッドへ運ぶ。リマの誕生日プレゼントを今の内に用意しておこう。リマ、あの看板はおまけだからね……? 別にカイルに対抗したわけじゃないからね? すやすや眠るリマの頬をするりと撫でると、ふにゃりと笑い、気持ち良さそうに、無防備に手に擦り寄って来る……ああ、もうかわいいな……「襲っちゃうよ?」と半分本気の想いを呟いてみる。



「リマ、おはよう」

「……おはよう……?」



 お昼寝から目覚めたお姫様は、みるみる真っ赤な顔になる。リマが顔を隠そうと、タオルケットを引っ張り上げる途中で、「え……?」と呟く。気付いたかな? 薬指と僕の顔を、何度も往復させるリマがとびきりかわいい……



「ラルク大好き……」



 リマからの甘い口付けに、何倍もおかえしの口付けを返して、リマが蕩ける程、甘やかすのは仕方ないよね……?

本日も読んで頂き、ありがとうございました!


糖度高めのラルク視点です。

今日もお疲れ様でした。

穏やかな夜が訪れますように。お休みなさい。

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