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小春の小庭〜転生先でも樹木医を目指します〜  作者: 楠結衣
15歳は2年生のはじまり

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106.4種類の回復薬

煮詰まり、更新が遅くなりました。




「美味しくなーれ」



朝、足りなくなりそうな回復薬(ポーション)を作り終わると、魔法学校へラルクと登校する。

現在、リマ印回復薬(ポーション)4()種類。有難い事にほぼ毎日完売している。最近、ラシャドル王国の国境付近に魔物が出る様で、魔力(マジー)回復薬(ポーション)の販売数を増やして欲しいと商業ギルトに相談を受けて、新しい回復薬(ポーション)が増えたこともあり、販売数も増えた。

同じ様に魔物が増えた事で、王宮魔導士や騎士に回復薬(ポーション)の配給を相談され、カイルがやり取りをしてくれている。

カイルって凄いんだねと、言うと、つるぺたの世話が1番手がかかるからなとニヤリと言われた。むぅ…!



「旨いな!アプリコーゼの実とは全然味が違うな…これ飲めるな」



アプリコーゼの実が大好きなカイルに、アプリコーゼの里で精霊の使いに貰ったアプリコーゼの実をお土産で渡したら喜んでくれた。

いつもお世話になっているので、更に喜んでもらうおうと思った私はアプリコーゼの種を使ったデザートを作った。




その名も……『杏仁豆腐』




カイルに杏仁豆腐を食べて貰った反応が、子供みたいだった……!



「カイル、杏仁豆腐じゃなくて、杏仁ミルクなら飲めるかも」

「あ、ちょっと待て……」


「美味しくなーれ」



カイルの制止を聞く暇もなく、目の前にあったアプリコーゼの種とミルクで『杏仁ミルク』を作り終えた。ピッチャーから杏仁ミルクをコップに注ぎ、カイルに手渡す。私も味見用に注ごうとしたら、カイルに取り上げられて、優雅に注いでくれた。



「お前な、これ、絶対回復薬(ポーション)になってるぞ」

「え?飲む前にわかるの?」

「お前な……」



カイルの言う通り、魔力(マジー)回復薬(ポーション)が出来ていた……!

エスパーカイル!

文句を言っていた割に、カイルは杏仁ミルクが気に入った様で全部飲んでいた。


エディンリーフ家のアプリコーゼから杏仁ミルクを作る事に決まり、杏仁ミルク魔力(マジー)回復薬(ポーション)が加わり、3種類から4種類に回復薬(ポーション)が増えたのだ。



◇ ◇ ◇ ◇



「リマ、遅いですわ」

「フローリアは早いね」

「当たり前ですわ!レイモンド様を見るんですもの」

「フローリアかわいいね」

「もうっ!」



ぷんぷんするフローリアの顔が真っ赤で可愛い。

今日は剣術所属の朝稽古の見学に来ている。

ラルクとの婚約発表をすると、フローリアがようやく安心したみたいで、一緒に見に行ってもよろしくてよ?とぷんぷんしながら誘ってくれた。かわいい……!

ラルクも婚約発表したから来てもいいよと言ってくれたので、雨の日とリック所属長(・・・・・・)が休みと決めた日は見に来ている。


リックにリマが毎日早く来て、水やりをすると、他の所属員が植物(プランツェ)を覚えることが出来ないと言われ、私の休みを決められている。むぅ…!



「ラルクが来たよ!」

「レイモンド様もいらしたわ…」

「「…………はぁ」」



私もフローリアも感嘆の声しか出ない……



ラルクの剣術している姿が格好いいの……

打ち込みをしたり、素振りをしたり、ただ見惚れてしまう。こんな素敵な人と婚約しているなんて嬉しくなっちゃう。うふふ。

ラルクに見惚れていると、あっという間に、朝稽古は終わってしまう。

フローリアと一緒にラルクとレイモンド様の元へ向かった。



「リア」

「レイモンド様…お疲れさまですわ。汗を拭きますわね」

「リアに見られると張り切ってしまうよ」

「まあっレイモンド様ったら………」



フローリアをリアと呼ぶレイモンド様の声は甘くて、フローリアは甲斐甲斐しくレイモンド様の額の汗を拭いている。たまにレイモンド様がフローリアの耳元で囁くと、フローリアが真っ赤な顔になる……

こんな熱々でお似合いの2人なのに、フローリアは、レイモンド様が私を好きになるなんて妄想したなと思う。



「リーマ」

「…ごめん…フローリア達を見てた」

「レイモンドとフローリアは今秋が婚約だったね」

「うん」

「リーマ、風邪ひいちゃうんだけど?」

「………うん」



ラルクの額も汗がびっしりなので、そっとタオルで拭き始める。ラルクは剣術活動の後、疲れてタオルで拭くのも億劫だと言っていたので、すごく恥ずかしいけど、風邪を引かないように拭く様になった。

恥ずかしくて、顔に熱が集まるのが分かる。

じっとラルクに見られるのが、恥ずかしくて、目を閉じてと言うと、くすりと笑い目を瞑るラルクの汗を拭いて行く。

目を瞑るラルクの顔に見惚れながら、髪も汗をかいてしっとりしているので、髪もそっと撫でるように拭くと、くすぐったいのか、ふふっと笑う。

その口元に色香を感じてしまい、益々顔が熱くなる………



「リア、あの2人はいつもああなのか?」

「そうですわね、リマは魔法に気付いてないと思いますわ」

「ラルクの気持ちは分かるけどな。魔法で汗も乾くが、私もリアに拭いてもらうのが幸せだからな」

「もうっ、レイモンド様ったら………」



「リマ、ありがとう」

「…うん」

「着替えて来るから少し待ってて」

「…うん、ラルク、右手赤くなってるよ?」

「打ち込まれた時にぶつかったんだ」

「えっと、教室戻る前に治して(・・・)もいい?」

「ありがとう」


フローリアに先に言っててと告げると、先に着替え終えたレイモンド様と幸せそうに教室に向かう。

ラルクもすぐに来たので、剣術道場から教室に向かう途中の木陰に隠れる様に座る。



「痛いの痛いの飛んでいけ……」



私の手がミントグリーンに輝き、ラルクの右手を包み、赤みが引いていった…



「もう痛くない?」

「リマ、ありがとう」



私の新しい魔法は、植物(プランツェ)にとても効くが、すり傷や打ち身のような軽いものなら人にも効くみたい。

……複雑なのは想像出来ないもんね。

ラルクが小さな怪我をしているのを見て、帰る前に2人きりになって、治すのが私たちの決まりごとになりつつある……



ラルクの黄金色の瞳に甘い蜜がたまり、私も甘い予感に、目を閉じる……



治した後に、甘い口付けを交わすのも決まりごとになりつつある……




「リマ」

「フローリア」

「「…………」」




始業時間のギリギリに赤い顔のフローリアと教室前で会うのも決まりごとになりつつある………


本日も読んで頂き、ありがとうございました!


レイモンド様とフローリアを出したかったんです◎

煮詰まりました_φ(・_・

あと1エピソードで二年生編終わります。

全然100話じゃないですね…笑。



今日もお疲れ様でした。

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