出会い④
ステータスオープン。
マリーフレア・クレイハート レベル8
人族 16歳 魔法使い
スキル・火魔法(8/100) ・風魔法(4/100) ・土魔法(13/100) ・光魔法(8/100) ・剣術(7/100) ・棍術(7/100) ・魔力感知(18/100)
うん、魔法使いだ。魔力感知もそこそこ高いから実戦を経験したらぐんとスキルレベルも上がるだろうな。しかも戦闘スキルもある。魔法使いは魔法に頼りがちだから、白兵戦になると真っ先にやられる。魔力感知のスキルを伸ばせば、魔法スキルもレベルが上げやすい。戦闘スキルもまあまあ使えるかな、というレベルだ。まずはどれくらい動けるか実際にチェックだな。
ローズ レベル10
人族 19歳 メイド
スキル・雷魔法(14/100) ・魔力感知(20/100) ・短剣術(10/100) ・体術(14/100)
固有スキル・アイテムボックス
雷魔法? またレアスキルだよ。風魔法で上位魔法。風魔法のレベルをある程度上げると取得可能だけど、そのある程度がいまいち不明。中にはレベル上げても取得できないことがある。もともとあるということは生まれつきの、女神様からの贈り物だね。アイテムボックスといい、ローズさんはレアメイドだね。まあ、護衛できるスキルレベルかな。後、気配感知なんかの後天性スキルを取得するといいかも。
ルミナス・コードウェル レベル24
人族 14歳 剣士
スキル・風魔法(11/100) ・魔力感知(28/100) ・剣術(26/100) ・槍術(12/100) ・短剣術(16/100) ・弓術(14/100) ・体術(15/100) ・盾術(10/100) ・気配感知(16/100) ・索敵(8/100)
「ぶはっ」
マリ先輩がハーブティーを噴き出した。ローズさんもステータスと私を挙動不審な動きで見比べてる。
「ちょっと、ルナちゃん、なんなのこのレベル?」
「まあ、実戦経験の差でしょうね。ここに来るまでいろいろありましたし」
迫って来るマリ先輩。わぁ、お肌綺麗だなぁ。もともと貴族でいたときも食材確保のために、角ウサギや鳥系の魔物を狩ってたいたし。あ、マリ先輩のことはとやかく言えないや。それ以外でもここに来るまでゴブリン退治したり、森に潜んでいた盗賊を始末して身ぐるみ剥いだりしてたし。
「一番冒険者らしいステータスだね」
「そうですか? これくらいざらですよ。上位ランクになるには少なくとも70くらいはないと」
「でも、まあ、すごく頼りになるね。このステータス」
マリ先輩の言葉に頷くローズさん。
「ねえルナちゃん、良かったら剣術の稽古つけてくれないかな? 戦闘スキルはあっても困ることないし」
「私がですか?」
「ね、お願い」
手を合わせてお願いのポーズを取るマリ先輩。可愛いからなんだろうお花が見える。確かにあって損はないけど。
「我流ですよ」
「全然大丈夫だからお願い」
「わ、私もお願いします」
ローズさんまでやる気満々。
「なら剣術だけで。それからマリ先輩には体術スキルの取得を。ローズさんは体術スキルアップを。これは専門家に基本を叩き込んでもらいましょう。きっと冒険者ギルドで定期的に講習会があるはずです。体術スキルがある程度あれば、他の戦闘スキルも取得しやすくなります」
「すごい、ルナちゃん詳しいね。まるでベテラン指導官だね」
感心したようなマリ先輩に私は曖昧に笑って誤魔化す。全て前世の記憶のお陰です。ちなみに前世の体術スキルレベルは55、素手でゴブリンくらいならワンパンチでいけた。しかも火魔法も使えたからね。火魔法の身体強化は物理的に攻撃力上げることに秀でてるから、ガッツリ上げたらオークだって吹き飛ばした。それを見た同僚はドン引きしてたけどね。
「パーティを組むためですよ。私は前衛ですから、もし間に合わないときに、自衛の手段はあった方がいいですから」
「そっか分かった。頑張るよ」
「空いた時間には魔力感知のスキルを上げるために瞑想とかしてくださいね。魔力操作のスキルが得られたら魔法の発動が良くなるし、呪文の短縮にもなるし、消化魔力が減ります。そうだ、皆で無属性魔法の取得もしましょう。器用貧乏な魔法ですがレベルが上がれば応用が効きます」
「無属性ですか? できますかね?」
ローズさんがちょっと不安そう。
「理論的には魔法スキルがあれば取得可能ですよ。魔法スキルのない人は無属性の身体強化したりしますね」
「なるほど、勉強になるなあ。よし、私は剣術、体術、魔力感知だね。ルナちゃんが成人するまでにがんばって上げよう」
「私は剣術、体術のスキルアップ。無属性魔法の取得ですね」
「ローズさん、雷魔法使えますよね。実際どれくらい使えます?」
私の問いに、ローズさんは考えて答える。
「サンダーアローが連続なら三発です」
うーん、微妙。おそらく強烈な魔法の筈だか三発で限界か。きっと三発撃った後は魔力が枯渇して動きも悪くなるはず。
「魔力感知スキルもできれば上げて、可能なら魔力操作も手にはいれば、もっと撃てる回数が増えるはずです」
「了解しました」
「よし、明日は冒険者ギルドだね。朝イチでいきましょうね。そうと決まったら私寝ようかな」
「はい、お嬢様」
ローズさんがマリ先輩の寝床を整える。枕は持参のものに変わっている。
「私も寝ようかな。お休みなさい、マリ先輩、ローズさん」
挨拶して、ベッドに潜り、込めなかった。ローズさんに捕まりしっかり髪のお手入れされました。
「髪質が痛みます。きちんと乾かさないと」
いやあの、ローズさん、右手にある暖かい風出る筒みたいの何?
「お嬢様考案のドライヤーです。髪を乾かすだけの魔道具です」
え、売れるのそれ? こっそり聞くと上流階級の奥様、お嬢様方に受けがいいらしい。
そして、しっかり乾かしてもらって、ようやくベッドに潜り込んだ。いろいろ疲れていたためかすぐに眠りについた。
夜が明ける。私達の運命を変える出会いが、その日にあるなんて、誰にも分からずに。
後はもう少し続きます。