大地の皿②
大地の皿。
クリスタムを代表するダンジョンの一つだ。
他にもあるにはあるが、かなり人気のダンジョン。食べ物系やハーブ、香辛料が採れる為に、食生活に密着したダンジョンだ。
フィーラ・クライエのように広く、下層になれば更に広くなる。
難点は中堅層の階から各階にセーフティゾーンがなく、ボス部屋も他のダンジョンに比べてドロップされる品が少ない。さらに宝箱が出ない率、30%越えで、中身も以外に少ない。なので潜る冒険者は、フィールドを探索して過ごす。下層に挑むならセーフティゾーンが少ない為に、大所帯で挑む事が多い。
大地の皿は全部で19階。中堅層は、10階からだ。私達が挑むのは10階からね。中堅層のボス部屋から脱出用魔法陣が出る。
ただ、今回は一回だけ挑んだら帰らなくてはならない。アルフさんのお仕事あるからね。
で、階層が広いのに、どうやるかって?
実は昨日残念金髪美形から連絡があった。例の女達に聞かれたら面倒だからと、遠い場所にワープしてわざわざね。
内容はあの地下の畑ね。アーサーが素直に説明していた。
最後に明日から大地の皿に挑む事を説明したら、しばらくして、ぽん、と来やがったよ、ワープで。本当にこの人レベルのおばけよね。
「これ良かったら使って。13階まで行けるワープストーンだよ。一回しか使えないけど」
また貴重なもんをホイホイと。
「そんな高価なものを頂くには………」
「あ、大丈夫、後10個くらいあるから」
ワープストーンって高価な貴重品よ。
ミーシャが私の袖をちょいちょい。
「ワープストーンって、たくさんあるの?」
「そんなわけないわよ。持っている人が規格外なだけだよ」
「ふーん」
結局ありがたくリツさんが受け取っている。
「それからね、どうしても着いて行きたいって」
ナリミヤ氏がなにやら魔法を使い。わらわら出てきた色とりどりの7匹蜘蛛達。もう、驚きません、だってあの三姉妹に比べたらだいぶ小さいからね。
確かあれは、パワーレベリングの時に着いてきた蜘蛛達じゃない?
「この子達ならリュックに入れるサイズだし、ダメかな? 護衛としては持ってこいだし、ハーブや香辛料の知識はしっかりあるよ」
「是非に」
リツさん即決。
「皆よろしくね」
蜘蛛達は片手?を上げてご挨拶。
「メエメエ~」
ノゾミもご挨拶している。マリ先輩が、ミニどら焼きをあげてる。わ、私にはっ、私はここですよーっ。
結局、残念金髪美形もたくさん包んでもらって、くるくる回っていた。
蜘蛛達は私達のリュックに一匹ずつ入り、大人しくしている。何だろう、背中、生汗かいてきた。
体裁上、ランクが上の『ハーベの光』と『紅の波』に私達『ラピスラズリ・リリィ』が補助パーティーとして着いていく。
「逆なんだけどなあ」
「そうねえ」
と、マルコフさんとフレナさん。
入り口で、いろいろ見られた。仕方ない、ショウはいるしね。ミカエル達は人型だけど、やはり異様に見られた。
「皆さん、いいですか?」
リツさんが確認して、ワープストーンに魔力を流した。
こうして2週間の大地の皿のアタックが始まった。
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