材料確保⑥
マダルバカラに来て数日過ぎて、のんびり過ごす。
私はアルフさんと毎日お墓参り。
次にいつ来れるか分からないから。
買い物部隊は、これまた大量にマダル芋買ってる。
「芋焼酎できないかしら?」
「リツちゃん、飲むの?」
「まあ、少しね」
リツさんが再び故郷の味の再現に挑戦している。ただこれはアルコールと。かなり度数が高いらしい。私は呑まないから分からない。
うちでお酒を呑むのは、リツさんとリーフ。嗜み程度でマリ先輩、アーサー、サーシャ、ジェイドさん、私も一杯くらいしか呑めない。アルフさんとアーシャは受け付けないし、ミーシャは未成年の為、呑めない。ローズさん? 論外だよ。
錬金術チームが新しい商品開発と、いろいろやってる。
明日、帰国となる晩に、来客が。
イスハーン殿下だ。
挨拶に来たってさ。まあ、目的は、あれよね。口実よね。
「まあまあ、上がって頂いて、ローズ、イスハーン殿下にお茶を」
マリ先輩が絶好調で、ご案内。
アルフさんがご挨拶してすぐに引っ込む。
「邪魔しては、申し訳ないからな」
私達もお邪魔だね。
そっと別室に。ジェイドさんと三兄妹は耳を抑えている。
きり、としたメイド姿の美しいローズさんが、お茶やお菓子を運んでいる。うん、ローズさん、綺麗だよ。
しばらくして、イスハーン殿下が帰る時に、ローズさんが包みを渡す。
ああ、処理されたコーヒーね。包みは3つ。
「焙煎と引き具合がそれぞれ違うので、味が僅かですか違います。お口に合うと」
「あなたが手掛けたものが不味いわけない」
うわあ、イスハーン殿下、カッコいい。
あのコミュ障とか呼ばれていたのに。
きり、としてますよ。きりり、と。
まあ、ローズさんの頬が薔薇色に。
イスハーン殿下は私達にも、挨拶して、暗闇の中、帰って行った。
次の日、ガガンお義兄様、ザザンお義兄様達に見送られてマダルバカラを出国。
オーディスの転移門を使用して、トウラに無事に到着した。
マルコフさん、フレナさん達も明日会うことになる。フィーラ・クライエから出たドロップ品の提出後、一旦休息を取ることに。
で、アルフさんだけ、帰った次の日から、鍛冶師ギルドに。
数日後、査定額が出る。
各パーティーに5000万ずつ。端数は孤児院に寄付となる。あの金塊だけで1億いってた。
それから来年の屋台の為に、忙しく過ぎていく。
クレープの試食は、鍛冶師ギルドと職人ギルドで行った。職人ギルドには、時折リーフが休みを利用して付与の副業していた。
たまたま、鍛冶師ギルドに来ていたエクエス様にも、リツさんが交渉して、騎士団にも試食。
まあ、大変だったよ。
忙し過ぎて。
クレープの生地を焼いている、サーシャが手首痛いと悲鳴を上げる。
その間にちょっぴりトラブル。
エクエス様が、アーサーに自然な流れに話してなにやら書類を出してる。
あまりにも自然な流れで、疑う事なくサインしようとして、私があわてて止める。
案の定、騎士団への入団手続き書だよ。まあ、奴隷解放後のね。
ち、とエクエス様。
アルフさんは、鍛冶師ギルドの皆さんががっちりガードしたので諦めたそうだ。
「光栄なのですが、考えさせてください」
アーサーは丁寧にお断りしていた。
そんなこんなで、数日経過。
アルフさんとジェイドさんの誕生日が近かったので、一緒にお祝いした。
何がいいか分からず、アルフさんに聞いたら、去年のでいいとな。
恥ずかしいので、誰も見てないところでしましたよ。
他には研ぎ石や武器を磨く布などもらってたよ。私もそれに参加しました。
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