海鮮・野菜達①
マルタさんがニコニコしてる。
カラーラに到着して2日後、私達は再びマルタさんの畑に。去年、あんなに危なっかしく走っていた下の子が、びっくりするくらい大きくなって。で、お嫁さん、3人目。
「きっとね、女の子だよ」
マルタさん、嬉しそうだ。
去年の事を覚えている農家さん達に、リツさんが掴まる。
で、白菜や果物の収穫だ。
なんでここまで来て野菜の収穫?
マルシェにはリツさん買い物部隊達が向かっている。
果物の農家にも捕まり、必死に収穫。
マルコフさん達もフレナさん達まで巻き込まれる。
皆、あちこち痛いと訴えてる。
今年も豊作のようで。
アーサーが計算して、代金を支払う。
山になってない? 白菜? 山になってない?
くったくたになって、宿に戻る。
今回は、大型のコテージを借りた。
リツさん達がたくさんご飯作って待っててくれた。
「お帰りなさい、ご飯出来てるわよ」
リツさんがエプロン姿で出迎えてくれた。
まぶしいなあ。
バーンが、いい、とか呟いて、アーサーがさりげなく薙刀出して、バーンがびびる。
順番にお風呂かシャワーを浴びて、夕御飯。
カキフライだあ。タルタルソースたっぷり。
頂きます。
「「「「熱ッ」」」」
でも、美味しい。
パクパク。
里帰りも無事に済んだキャリーも、美味しそうに食べている。
「オータムオイスターって油であげると美味しわね。このソースも抜群」
絶賛でした。
夕御飯の後は、オイスターの殻の処理だ。
サーシャとリーフ、アルフさんが処理している。
皆さん、挑戦。出来たのはバラックとララ、キャリーのみ。
そんな数日後。
「やったあ、冒険者やれるっ」
バーンが拳を上げる。
カラーラの西の浜、カラーラクラブの討伐だ。
私もウキウキ。
「この辺りだな」
「そうね」
マルコフさんとフレナさんが依頼書を覗く。
「あ、待ってください。ショウ、カニクリームコロッケ呼んできて」
「ピィッ」
マリ先輩の言葉にショウが反応。
飛び上がり、旋回し始める。
よし、がんばれショウ。
カニクリームコロッケのために。
その横で、マルコフさんとフレナさんが沈黙してる。
「なんだか、ずるをしている気が」
「私も」
聞こえません。
しばらくして来ました、カラーラクラブ。
巨大なハサミをガチャガチャさせて。
全部で8体。
「カニクリームコロッケッ」
衝撃斬刃一発。2匹真っ二つ。
バーンが駄々漏れって、聞こえません。
アルフさんが穴を開けて、カラーラクラブが脚を取られた瞬間、ジェイドさんが急所にロングソードを突き立てる。一撃だよ。
アーサーがダークランスで動きを弱らせて、サーシャ、ローズさん、ミカエルが斬り込む。後方支援は断続的に魔法を放ち援護。
マルコフさん達は、バラックが盾で弾き、巨大なハサミをイレイサーが切り飛ばす。そして、マルコフさんが頭に大剣を振り下ろし終了。
ショウはフレナさん達を援護、次々に不可視の刃を放って、脚を切り飛ばす。切り飛ばされた部分に、キャリーのファイヤーボールが直撃、いい香りが。フレナさんとサリナがそれぞれの武器を振り下ろして終了。
終わった終わった。
カニクリームコロッケ。カニクリームコロッケ。
「さ、解体に出しましょうね」
「はい、リツさん、カニクリームコロッケ」
それから、しばらく浜を探索し、再びカラーラクラブをゲット。
「リツ君、リツ君、依頼のカラーラクラブはもう大丈夫だよ」
「あら、そうです?」
そんな話をしていると、ショウがピィピィ。
「あら? そうなの? 気をつけるのよショウ」
「ピィッ」
ショウが空をかけ上がる。
なんだなんだ?
「どうしましたマリ先輩」
「ん? ショウがね、強そうなのがいるから、倒したいって」
「え? 大丈夫なんですか?」
「みたいよ、自信満々」
なら、いいけど。
しばらく休憩を兼ねておやつをいただく。
たい焼きです。
パクパク。
ショウは海上を旋回している。
どれくらいしたかな。四つ目のたい焼きをパクパク。
サーシャがよく入るなと呟くが、聞こえません。
「あ、ショウが見つけたわ」
本当だ。波間に白くて長いのが…………………
「シ、シーサーペントッ」
マルコフさんが叫ぶ。
海ではかなり上位魔物だ。
蛇を連想させる動きでのたうち回るシーサーペント。
ショウは見事な旋回で、シーサーペントの動きを避けて、不可視の刃を放つ。
「え、援護したほうがいいんじゃない?」
フレナさんが言うが、何せ遠い。
「矢は無理だな。アーサー、行けるか?」
「やってみます」
この中で援護できるのは、時空間魔法スキルの高いアーサーくらいだ。
アーサーが魔法を操り、フレイムランスを放つが、やはり距離が有りすぎたのか、失速する。ローズさんの雷魔法もいまいち。
皆でどうしようかと迷うが、マリ先輩が豪語。
「大丈夫よ、ショウはあんなのに負けないわ」
ですよね。
マリ先輩の豪語してすぐに、ショウはきりの様に飛び、シーサーペントの首を突き破る。
え? 首、吹き飛んだよ。
「きゃー、ショウー、偉いわーッ」
マリ先輩の黄色い歓声。
「大型船も巻き付いて沈没させる魔物が」
マルコフさんが呟く。
地元のキャリーは、顔面蒼白だ。
「うちのショウはすごいんですッ」
えっへん、マリ先輩。
かわいいなあ。
「キャリーさん、シーサーペントって食べれます?」
「え? 食べる? まあ、食べれるけど」
超高級品よ。
「鱗はとかは確か水属性が潜在付与があるし」
「あら、じゃあサーシャ君達の装備品にしましょう」
超、高級品よ。
普通に手に入る、ボアやディアじゃないのよ。
それからリツさんがショウに乗って海上を移動。
すべて回収する。
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