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次回の為に⑤

新しい命

 クレイハート伯爵様からあれから連絡はない。なんだか、もきもきする。

 困ったことにマリ先輩の戦闘訓練に熱が入る。

 杖をブンブン振り回す。

 ひーっ、危ないっ。

 それから、錬金術チームは、忙しい間を縫って何か色々やってる。

 まず、洗濯機なるものだ。

 まえから構想を練っていたようだ。

 試験的にトウラの冒険者ギルドにお試しに設置。ちょっと料金はかかるが、好評で正式にお店になることに。

 リツさん、マリ先輩曰く、クリーニングだと。

 まず、店舗が出来、従業員を雇う。指導にはローズさんが入る。雇うのは片親ばっかりで、休憩室には子供の待機所もある。ただ、高級な洗濯機を置くため警備態勢も整える。引退したばかりの冒険者や騎士だ。朝早くから晩まで、2交代にして対応。

 始めは赤字だったけど、1ヶ月後には、人が絶えない店になった。

 クレイハート伯爵も便乗して、向こうでもクリーニングを始めたと。もちろん、洗濯機の使用料をきちんと支払ってやっている。

「ああ、私、カフェもやってみたいのよね」

 マリ先輩がコーヒー豆を処理しながら呟く。

「いいわね。私もやってみたいわ」

 リツさんも同意。

 この2人が店頭にたったら、私、警備にいかないと。あ、ミルクと砂糖入り? ありがとうございます、ずー。

 それから、短期間だが、ラ・マースにも潜った。

 斥候チームの大活躍で、罠をすべて解除して進み、10日のダンジョンアタックは無事終了。

 それからも、日々変わらず、戦闘訓練を繰り返す。

 そして、ミアさんのお腹が、下がり出した頃に、やっとクレイハート伯爵様から、『決闘』について、説明あり。

 結局、『決闘』開催だ。

 だだし、私の時とは違うので、マリ先輩は、代行を出す事になった。

 クレイハート伯爵様から携帯電話越しに頼まれました。

『ルミナス嬢、申し訳ないが、マリーフレアの代行を頼めないか? 君以上の誰かなんて思い付かなくて』

「お任せください、伯爵様」

 ぎったんぎったんにしよう。

 いくら好きでも、マリ先輩困らせたら、排除対象だ。

 よし、筋トレ筋トレ。

「ルナちゃん、相手、殺したらダメだよ」

 バーンが恐る恐るいってきた。

「分かってます。ちょっとしばらくベッドと仲良しになってもらうくらいです」

「おっかないッ」


 そして秋になり、やって来た、ミアさんの出産。

 リツさんがベテランの助産師を依頼しており、丸一日かかり、やっと生まれた。ジェイドさんがおろおろしてばかりだったが。

 前にジェシカが生まれる時もそうだったけど、陣痛って、怖い。あの穏やかなミアさんがジェイドさんに罵声浴びせていた。お母様も苦しんだし。すごいなあ、赤ちゃん生んだ人達。

 ミアさんの面影がある、狼の耳のある女の子だ。髪はミアさんのカーキ色。あれだけ苦しんでいたのに、産まれた瞬間から、ミアさんは母親の顔だ。愛おしくてたまらない。そんな顔だ。汗まみれになって、抱き締めてるミアさんが、誰よりも綺麗に見えたのは、きっと気のせいじゃない。

 女の子の名付け親になったのは、リツさんだ。

「ユウちゃん。私の国の言葉で友達や優しさの意味があるから」

 リツ邸に、ハーフ獣人のユウが加わった。

 ミアさんの体調を第一に1ヶ月過ぎた。ホリィさんの全面サポートで、慣れない育児をしている。ちびっこ達も率先してお手伝いしている。

 で、秋になり、マルコフさんとフレナさん、リツさんとで会議。

『ハーベの光』に数日後に護衛依頼があり、首都に。ただし片道。ならばと、私達と『紅の波』も後から追いかけて、カラーラに行く事に。キャリーの里帰りも含めて。

「牡蠣が欲しいわ」

「そうね。白菜やネギが少ないし」

 買い物部隊が形成される。

 その間に魔の森に入り、トレントを確保。

 来年の堆肥にしたいと、アーサーが必死だ。

 だってリツさんが「やっぱりアーサー君の野菜が一番」なんて言うもんだから、アーサーのやる気が半端ない。

 5体程確保した。

「アーサー、畑拡張するの?」

「いえ、そんなことをしたら、また、来年大変ですから。リツ様がアボカド欲しいって言ってたので、アボカド調整しようかと」

「へえ」

「後はトウモロコシを増やして、アンナ達がコーンスープ大好きですし。あ、ビーツはもうすぐ食べ頃ですよ」

「帰ったら手伝うよ」

 本当にこの子よく働くわ。

 マルコフさん達が首都に護衛として出発。数日後に私達もショウの牽く馬車に乗る。

 ミアさんとユウを、ジェイドさんが心配したが、ミアさんが背中を押した。恩人のリツさんのお役に立たないと、だって。

 ……………………………

 ぶっちゃけ、ジェイドさん、あんまりお手伝い出来てない。本人はやる気あるのに、不器用さん。アンナやクララの方が上手よ。抱っこだって危ないもん。私はジェシカの経験ありますからね、よしよし。

ジェイドさん、お願いだから、いちいち落ち込まないで、面倒だから。

 そんなこんなで、首都でマルコフさん達と合流し、カラーラに向かった。

読んでいただきありがとう

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