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次回の為に③

 ゴブリンを始末して帰途になる。

 ただ、オリハルコンを含んだ武器を使用した私とマルコフさんの疲労具合がひどくて、夕御飯後最初に休ませもらった。

 次の日、やっとトウラに到着。

 冒険者ギルドに報告、ゴブリンを提出。

 そこで、やっと屋敷に戻る。

 帰り着くと、帽子を被ったアーサーが出迎えてくれた。

 まず、シャワーだ。私が先に入り、直ぐに交代。ああ、さっぱりした。

 汚れた衣服はホリィさんが洗ってくれると。ありがたい。

 空調の聞いた自室に戻ると直ぐに昏倒してしまった。

 夕方に覚醒。

 お腹減った。台所に向かう。

「あ、ルナさん起きましたか。大丈夫です?」

「うん、大丈夫よ」

 アーサーが台所から顔を出す。

「夕御飯出来てますよ」

「ありがとう」

 タイミングよくアルフさんも帰宅。

 ホリィさんとミアさんが作ってくれた夕御飯を頂きます。

 夏野菜のサラダ、サマーオイスターのスープ、キングボアのハーブ焼きだ。うん、美味しい。

 話をしながらアルフさんが、笑う。

「それが本来の冒険者だろう?」

「ですけど。なんだか、今までのに慣れちゃって」

 私が呟くと、サーシャもしみじみ頷いている。

「確かに、リツ達と一緒だと、ダンジョンに潜っている気がせんしな」

 アルフさんがバリバリ野菜を食べる。

「しかし、サーシャ少し痩せたな。ウエイト増やせ」

「う」

 キングボアを食べていたサーシャが詰まる。

 そう言えば、今回の探索中、サーシャの食欲なかった。

 本人曰く、いろんな臭いにやられて食欲が沸かなかったと。快適生活に慣れてしまっていたのもあるが、純粋な冒険者探索は初めて立った今回。ジェイドさんは騎士隊時代に探索経験あるので、大丈夫だったけど。本来、冒険者の探索やダンジョンアタックでお風呂なんてあり得ないんだから。だいたいどろどろなんだから。だけど、リツさんやマリ先輩いると、それがない。

 サーシャは食欲湧かない上に、運動量は変わらず、何キロか落ちてた。

「あんまり、体重が増えきれない」

 そう呟く。

 うらやましい。

 体質かどうかわからないけど、サーシャはあまり体重が増えないとぼやいている。聞いたフレナさん達から殺気の籠った視線が飛んだ。

 サーシャはよく動いているからじゃないのかな?

「とにかく、元の体重に戻せ」

「はい」

 私は追加にキングボアのソテーを、サーシャの皿にのせた。


 あれから2週間。

 リツさん、マリ先輩大丈夫かな?

 なんて心配してたら、ホリィさんがリツさんから預かっていた携帯電話に連絡が入る。

 たまたま、私は鍛冶師ギルドに行ってたけど、後1週間して戻ると。

 良かった。

 ミュート付近も落ち着いて来てるしね。

「はあっ、やっぱりダメだわ、上手くいかない」

 フレナさんの額に汗が浮かぶ。

 今、私の新生2代目を持ち、魔力を操っている。イレイサーも上手く行ってない。

 私も最近ようやく慣れているが、気を抜けない。

「これが出来たら、レベルもランクも上がるぞ」

「簡単に言わないでよ」

 アルフさんもマルコフさんと模擬戦を終えて、汗を拭いてる。

「アルフ、こつって何?」

「さあ? 逆らわず流すことだな」

「アルフも天才肌ね」

 ち、とフレナさんとイレイサー。

 フレナさんとイレイサーの武器強化は、オリハルコンが使用されることになったのには、ドラゴンナイフが原因だ。2人ともドラゴンナイフに全く合わず、ドラゴンの爪での強化を諦めざるを得なかった。何故かドラゴンナイフと相性が良かったのはバーン。ただ、材料ないので次回手に入れてからとなる。そのバーンはサーシャと模擬戦して、息を上げてる。

「とにかく慣れだ、訓練怠るなよ」

 フレナさんとイレイサーは再び魔力をながしだす。

 そんなこんなで、リツさんからダンジョンアタックの延長の連絡が。

 アーサーとサーシャががっくりしてる。

 畑の整備、戦闘訓練、魔の森の探索。

 アルフさんの仕事も落ち着いて来た。

 比較的早く帰って来るようになっていた。

 リツさんいないけど、久しぶりの料理デー。

 メモを片手に野菜を切っていく。

 ホリィさんとミアさんが、マリ先輩レシピのパンの作成。ジェイドさんがアンナ達にチクチク言われながら、ピーラーで皮剥きしている。前よりかなり上手になってるよ。

 私はラタトゥイユの味見。うん、いい感じ。

 アーサーがパンを発酵させて、処理された野菜をメモメモ。

 サーシャは肉の処理。相変わらず手際いい。

 作業していると、玄関のベルが鳴る。

 荷物だ。

 アルフさん宛だけど。

 えーっと、マダルバカラの、えーっと、イスハーンとな。

 …………………………

「ちょっと、鍛冶師ギルド、行って来るね」

 私は荷物をマジックバッグに摘めて、鍛冶師ギルドに走った。

 いつも行かない時間だったので、直ぐにアルフさんが繋いでくれた。タオルを巻いたアルフさんが出てきた。

「イスハーン殿下からです」

「そうか」

 いつもの応接室で、届いた荷物を開ける。

「ホワイトメープルか」

 ああ、付与のお礼ね。ちょっと大きめのホワイトメープル。高いんじゃない?

 アルフさんが嬉しそうにホワイトメープルを見て、添えられた手紙を見ている。なんだか、いい香りのする手紙だ。

「マダルジャスミンの香りだな。ん?」

 アルフさんが箱の中から、もう一通の手紙を発見。綺麗な便箋。マダルジャスミンの香りがする。

「ローズ宛か? ルナ、マジックバッグに入れておいてくれ」

「はい」

 気合いの入った便箋だね。

「明後日には帰って来るが、せっかくのマダルジャスミンの香りが消えてしまうからな」

「はい」

 気合いの入った便箋をマジックバッグに入れる。

「ルナ、今日は遅くなる。この仕事が終わればしばらく空く」

「はい」

 私はアルフさんに見送られて屋敷に戻った。

読んでいただきありがとうございます

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